地上の楽園での永遠の命

「柔和な者たちは地を所有し,豊かな平和にまさに無上の喜びを見いだすであろう。義なる者たちは地を所有し,そこに永久に住むであろう。」(詩篇37:11,29)

 聖書には人間に地上の楽園で豊かな平和を喜びつつ、永久に生き続けるという見込みが差し伸べられています。

 そもそも、人間はこの地上で生活することになっていました。アダムはこの地上のエデンの園に住んで、そこを耕す仕事を与えられました。(創世記2:15)
 
 エホバ神は最初の人間アダムに次のような命令を与えられました。「子を生んで多くなり,地に満ちて,それを従わせよ。そして,海の魚と天の飛ぶ生き物と地の上を動くあらゆる生き物を服従させよ。」(創世記1:28)

 それで、最初の人間に与えられた仕事は、子供をもうけ家族を増やして地に満ちて、地を従わせ、生き物の管理をすることでした。最初の人間に与えられた仕事は庭園のようなエデンの園を全地に広げて行くことでした。

 エホバ神は、アダムとエバに善悪の知識の木の実を食べてはならないという命令を与えました。食べるなら、死ぬと言われました。(創世記2:17)

 エホバ神は、アダムとエバとその子孫が、生き続けることを望んでおられました。(エゼキエル33:11)ですから、アダムとエバが善悪の知識の木の実を食べないならば、アダムとエバは、肉体の体で永遠に地上で生き続ける事ができたはずでした。

 エホバ神はこの地球をどんな目的で創造されたのでしょうか。

 イザヤ書はこう答えています。「天の創造者,[まことの]神,地を形造られた方,それを造られた方,それを堅く立て,それをいたずらに創造せず,[人が]住むために形造られた方」(イザヤ45:18)

 それで、神はこの地球を人のすみかにするという目的を持って創造されました。

 そしてその地球は永遠に存続すると聖書は述べています。詩篇には、この地について、「定めのない時に至るまで,まさに永久によろめかされることがありません。」という保証の言葉があります。(詩篇104:5)

 人のすみかとして造られた地球が永久に存続するのですから、その地球上に人間は永遠に住み続けるという見込みがあることが分かります。(伝道の書1:4)

 わたしたちの住まいであるこの地球は実に多彩な植物や生き物で満たされています。あるデータによると、魚類には2万から3万種類,両生類は約3,000種,哺乳類は約4,500〜4,600種,鳥類は9,000種以上あるとされています。また、昆虫は今見つかっているので約75万種です。さらに見つかっていない昆虫を含めると200万種以上いるのではないかと考えられています。加えて,植物の世界には幾十幾百万もの種類があります。ある学者の本を見ると、植物は全部で250万種あると書いてあります。

 これらは、人がこの地に住むために創造されました。創造者は地上の人間の生活と楽しみのためにこれほど多くの種類の生き物を創造なさったのですから、人間がみな天に行ってしまってこの地上が空っぽになるようなことは意図されていないでしょう。

 かえってこのことは、創造者は人間が地上で永遠に生活を楽しむように意図され、地球にそのための備えをされたことを示しています。

 人間がもともと肉の体で永遠に生き続けるように意図されていたことは、人間の脳の持つ無限の学習能力からも分かります。人間の頭脳の“ファイリング・システム”の能力に関して,生化学者アイザック・アシモフは,「人間が普通に学習し,記憶する事柄をどれだけでも,さらには,その10億倍の情報をも完全に整理収録する仕組みになっている」と書いています。 (ニューヨーク・タイムズ・マガジン誌,1966年10月9日号,146ページ,英文)

 人間の脳には人間が永遠に生きてもいいほどの能力があります。

 さらに、人間の体の分子は七年でほとんど100%入れ替わると言われています。このことは、もし人間の体の分子の入れ替わりが十分なスピードで行なわれ続けるならば、人間の体はいつまでも若さを保ち続けることを示しています。

 人間の体が自動的に絶えず更新を行なうという機能も、人間の体はもともと永遠に生きるように設計されたことを示しています。

 ですから、平和の豊かな地上の楽園で永遠の命を楽しむことは、人間に本来意図されていた生活でした。