啓示4章・エホバ神の天の幻

「これらのことの後,わたしはすぐに霊の力の中に入った。すると,見よ,天にひとつの座が据えてあり,そのみ座に座っておられる方がいる。そして,座っておられる方は,見たところ碧玉,また赤色の宝石のようであり,み座の周りには,見たところエメラルドのような虹がある。」(啓示4:2,3)


啓示4章には、天のエホバ神の幻があります。み座に座っておられる方とは私たちの崇拝に値する唯一の方である万物の創造者のエホバ神です。(啓示4:11)この幻は、天のエホバ神がどんな方であることを示していますか。


 エホバは碧玉のようです。これはエホバ神について何を意味しますか。


 現代の碧玉は,不透明な種類の石英で、白,赤,黄,褐色,黒の色のものがあり、それらがしばしば層になっています。碧玉はガラスよりも硬く,変成岩の中に独特な結晶となって見いだされます。最高の品質のものは宝石として用いられ,磨くと非常につやが出ます。


 啓示の書の後の方で登場する「聖なる都市,新しいエルサレム」は,「碧玉が水晶のように澄みきって輝いている」かのようです。(啓示21:11)水晶のように澄み切っているとは、英語で crystal-clear です。当然、エホバ神は新しいエルサレムよりも、さらに澄み切って輝いている方です。ですから、エホバ神は、澄み切っている最高品質の碧玉のようなclear な方、つまり純粋で明快な方でしょう。その述べる言葉の真理は明快に理解できる筈です。


 エホバ神は赤色の宝石のようです。これはエホバ神について何を意味しますか。


 参照資料付き聖書の脚注によると、赤色の宝石は、「サージウスまたは,紅玉髄」です。紅玉髄は赤めのうとも呼ばれており、半透明の鉱石である玉髄の一種で、赤みがかった褐色をしています。赤めのうは美しくて硬い上に,容易に刻むことができる石です。


 エホバ神は望むなら、宝石の中で一番堅いダイヤモンドにご自分を例えることもできました。でも、エホバ神はご自分をダイヤモンドではなく、容易に加工できる赤めのうに例えられました。エホバ神は、赤めのうのように美しい方でしょう。また、エホバ神はご自分がただただ堅くて頑固な方ではなく、謙遜で柔軟性のある方であることを強調しておられるのではないでしょうか。(ゼカリヤ7:12)


 聖書をよく調べると、エホバ神が被造物の自由意志を尊重されて、その言うことに耳を傾けられる謙遜で同情心のある方であることが分かります。しかも、エホバ神は生じた事態に柔軟に対応され、その上でご自分の目的を達成することがおできになる全能の神です。