ダニエル4章・主の日の始まりの西暦1914年の算出方法

「見よ,見張りの者,聖なる者が天から下って来た。その者は大声で呼ばわってこのように言うのであった。『あなた方はこの木を切り倒し,その大枝を切り落とせ。・・・しかし,その根株は地に残し,鉄と銅のたがを掛けて野の草の中に置け。・・・その心を人の[心]から変わらせ,獣の心をそれに与えて,七つの時をその上に過ぎさせよ。・・・これは,至高者が人間の王国の支配者であり,ご自分の望む者にそれを与え,人のうち最も立場の低い者をさえその上に立てるということを,生ける者が知るためである』。(ダニエル4:13〜17) 


 エホバの証人は、イエスがエホバにより、王として即位させられた年が西暦1914年であると理解しています。では、どのようにしてその年を算出しているのでしょうか。それは、ダニエル4章にある、バビロンのネブカドネザル王に関する預言的な夢に基づいています。


 バビロンの王ネブカドネザルはある一本の巨大な木に関する夢を見ました。その木は天に達するほど高く、その木の下には野の獣が陰を求め、その大枝には鳥が住み、すべての肉なる者がその木から糧を得ていました。(ダニエル4:10〜12)すると、聖なる者が天から下って来て、その木を切り倒してしまうようにと大声で言いました。しかし、その根株は地に残し、鉄と銅のたがを掛けて七つの時を過ぎさせることになりました。そして、このことは、至高者が人間の王国の支配者であり、ご自分の望む者、人のうち最も立場の低い者をさえその上に立てるということを人が知るために生じることになっていました。(ダニエル4: 13〜17)


 ダニエルは、この夢の木はバビロンの王ネブカドネザル自身を表わしていて、その木に生じたことは王自身に生じると予告しました。(ダニエル4:20〜22,24)


 ダニエルの解き明かし通り、後日、王がバビロンについて誇っていると、天から王に対する宣告が聞こえました。そして、王は七つの時の間、狂気して雄牛のように草木を食べ、外の露にぬれて過ごしました。しかし、七つの時の終わりに彼の正気が戻り、ネブカドネザルは王位に復帰しました。(ダニエル4:36)


 ネブカドネザルは、この夢をバビロンの国民に知らせていますが、その際に神の王国が定めのない時に至る王国であることをほめたたえています。(ダニエル4:4)そして、ネブカドネザルはユダとエルサレムを滅ぼし、当時の模型的な神の王国を滅ぼしました。そして、その時、ダビデの王統はいったん、途絶えることになりました。しかし、聖書はダビデの子孫の「法的権利を持つ者」が神の王国を受け継ぎ、彼の王座が定めのない時までも続くことを予告していました。(サムエル第二7:12,13。エゼキエル21:26,27)


 それで、バビロンのネブカドネザル王が、神の王国の王がいつ永遠の王権を自分のものにするかを表わす預言のために用いられたのはふさわしいと言えます。ネブカドネザル王は七つの時の間、王の立場に立つことが不可能になりましたが、神の王国も七つの時の間、ダビデの王統の王がいない状態になります。


 啓示の書に七つの時の半分の三時半は、1260日であると述べられています。(啓示12:6,14)ですから、七つの時は、2520日になります。聖書の預言的な時は一日は一年という原則を当てはめると、七つの時は2520年になります。(エゼキエル4:6)


 バビロンの王ネブカドネザルが模型的な神の王国であるユダのエルサレムを滅ぼしたのが、西暦前607年です。西暦前607年から、2520年経つと西暦1914年になります。このような仕方で、西暦1914年を算出しています。


 イエスは正式なダビデの王権を受け継ぐことのできる「法的権利を持つ方」でした。それで、エホバの証人は、西暦1914年に、天でイエスがエホバ神から王として即位させられ、ダビデの永遠の王権を受けられたと考えています。そして、西暦1914年に啓示の書で預言されていた主の日が始まったと理解しています。(啓示1:10)


 それで、エホバの証人は、西暦1914年に天で設立された神の王国を力を込めて宣べ伝えているわけです。その結果、神の王国の良いたよりが全地で宣べ伝えられるという預言が成就してきました。(マタイ24:14)西暦1914年が天でイエスが王になられた年である証拠についてさらに検討していきましょう。