ダニエル7章・ダニエルはなぜ二つの政権下で長く仕えたか

「 王よ,あなたは王の王なる方です。天の神は王国を,偉力を,強さと尊厳をあなたにお与えになりました。また,どこでも人の子らの住むところで,野の獣と天の翼のある生き物とをあなたの手にゆだね,それらすべての上にあなたを支配者としてお立てになりました。このあなたが,その金の頭です。」(ダニエル7:37,38)


 ダニエルは異国のバビロンやペルシャで、どうして長年奉仕して生き永らえる事ができたのでしょうか。ダニエルはバビロンに比較的若い時に連れてこられました。そしてバビロンの中で長年、バビロンのネブカドネザル王に聖書の預言を説明しました。さらに、バビロンが滅びた後にペルシャの王の時代にも長く預言をしていました。むずかしい状況にあってダニエルはどうしてそのように長く二つの政権のもとでエホバの崇拝を行なえたのでしょうか。


 まず、ダニエルは上記のようにバビロンの王の称号を用いて敬意を払って話しました。ダニエルは上記のようにエホバ神が、バビロンに相対的な権威を与えたことを認めて敬意を払いました。その与えられた権威が広範なものであることを認めました。ダニエルは、エレミヤの言葉を知っていたので、バビロンが支配していた時は、それに服すべき時であることを理解していたでしょう。(エレミヤ27:6〜8)


 ダニエルはペルシャの王に対しても、敬意を払いました。ペルシャの王に対して、「王よ,定めのない時に至るまでも生き続けられますように」と呼びかけています。(ダニエル6:21)それでダニエルは二つの政権に対してどちらにも敬意を払いました。


 さらに、ほかにどんな秘訣があったのでしょうか。ペルシャの時代にダニエルは、「信頼でき,怠慢や腐敗した事柄は何ら見いだされなかった」と述べられています。(ダニエル6:4)ペルシャの時代は法律が尊重される時代でした。(ダニエル6:8)ダニエルはモーセの律法に違反しない世俗の法律も守っていたのでしょう。その時、与えられた職務に勤勉に誠実に携わっており、汚職もなかったと記されています。それで、ダニエルには迫害される当然の理由はありませんでした。当然、ダニエルはバビロンの時代にもそうしていたことでしょう。


 さらに、ダニエルは難しい状況にどのように対応することもあったと考えられますか。バビロンの王が金の像を立てて官吏たちに崇拝を求めた時に、ダニエルの三人の友は、像に対する崇拝をしなかったので、火の燃える炉に投げ込まれました。(ダニエル3:23)その時はエホバ神は三人のエホバ神に対する忠誠に報いられてみ使いを遣わして三人の命を救いました。(ダニエル3:25)ダニエルはなぜ試練に遭わなかったのでしょうか。ダニエルはその時に、旅行をしていたのかもしれませんが、偶像崇拝が強制されるその場にいませんでした。


 ダニエルは神への崇拝が問題を引き起こす状況を巧みに避けたように思われます。それで、今日の私たちも偶像崇拝が求められる状況を、例えば休暇をとって避けるという方法も賢明かもしれません。ダニエルの例は、異教の政権の下で長く仕える方法を示しています。