ルカ22章・新しい契約が制定された主の記念式

「また,[イエス]はパンを取り,感謝をささげてそれを割き,それを彼らに与えて,こう言われた。『これは,あなた方のために与えられるわたしの体を表わしています。わたしの記念としてこれを行ないつづけなさい』。また,晩さんがすんでから,杯をも同じようにして,こう言われた。『この杯は,わたしの血による新しい契約を表わしています。それはあなた方のために注ぎ出されることになっています。』」(ルカ22:19,20)


 地上で亡くなる前の晩、過ぎ越しの食事の後、イエスは記念式を制定されました。まず、パンを取って祈りをして、それを割いて弟子たちに与えられました。そして、パンは弟子たちのために犠牲にされるご自分の体を表わしていると言われました。


 さらにぶどう酒を取り、祈りをして、その杯を弟子たちに回しました。それで弟子たちはみなその杯から飲みました。そしてイエスは弟子たちにその杯のぶどう酒はイエスの血による新しい契約を表わしていると言われました。それは多くの人の罪を覆う贖いの犠牲のために注ぎ出されることになっていました。


 イエスは、パンを裂いて食べた後も、ぶどう酒を飲んだ後も、ご自分の記念として行い続けるようにと命じられました。(コリント第一11:24,25)エホバの証人は、今年2010年は来る3月30日(火)に全世界で、イエスの制定された記念式を行ないます。


 この記念式には、どのような意義があるのでしょうか。イエスはぶどう酒がご自分の血による新しい契約を表わしていると言われました。これは、何を意味しているのでしょうか。エレミヤ31章31,32節には「 『わたしはイスラエルの家およびユダの家と新しい契約を結ぶ。それは,わたしが彼らの父祖たちの手を取ってエジプトから連れ出した日に彼らと結んだ契約のようなものではない。』」と預言されていました。


 それで、モーセの律法契約に替わって新しい契約が結ばれることになりました。昔モーセの律法契約が発効するために動物の血がささげられました。しかし、キリストの贖いの犠牲により、モーセの律法契約は終わりました。(ローマ10:4。エフェソス2:15)今度は、新しい契約を発効させるものとしてイエスの血が「契約の血」として用いられました。(マタイ26:28)


 ヘブライ9章15節にはキリストが新しい契約の仲介者であり、新しい契約の目的とは「召された者たちが永遠の相続財産の約束を受けられるようにする」ことであることが説明されています。


 新しい契約は、エホバ神と、十四万四千人の天に召された霊的イスラエルとの間で結ばれます。そして、新しい契約は、イエスの血により発効し、十四万四千人の霊的イスラエルに天での永遠の命の見込みを差し伸べます。十四万四千人の人々は、記念式に出席してパンとぶどう酒にあずかることにより、新しい契約に入っていることを表明します。


 パンとぶどう酒にあずかるのは、すべてのクリスチャンではありません。天への召しは、クリスチャンの中の限られた人に差し伸べられます。それ以外のクリスチャンは、大群衆としてこの地上で永遠の命を享受する地的な見込みを差し伸べられます。


 地的な希望を持つ人々が、大患難を生き残るのは、やはりキリストの贖いのゆえによります。(啓示7:14)また、地的な希望を持つ人々は、将来キリストの贖いの犠牲により、罪を許されキリストと十四万四千人の神の王国のもとで永遠の命を享受することになります。(ヨハネ第一2:2)


 それで、地的な希望を持つ人々は、パンとぶどう酒にはあずかりませんが、やはり、キリストの贖いに感謝していますから、主の記念式に出席することができます。


 主の記念式は、始まる時間は各地で異なります。6時半から始まるところもあり、7時に始まるところもあるでしょう。また、他の時間だったりします。また、場所も王国会館だったり、他の施設を借りて行なうところもあります。それで、地元のエホバの証人に確認する必要があります。


 どうぞ年に一度の主の記念式に出席して、イエスの贖いの犠牲についての築き上げるお話を聞かれてください。