歴代第二14章・敵の軍勢が数多くても神はアサを助ける

「エホバよ,助けることについては,多くいようが,力のない[者たち]がいようが,あなたにとっては変わりはありません。」(歴代第二14:11)


 ソロモン王から三代目の王アサはエホバの目に善く正しいことを行いました。アサはユダから異国の祭壇と偶像崇拝のための高き所、聖柱と聖木を取り除きました。そしてユダにエホバを求めさせモーセの律法を行なわせました。(歴代第二14:2〜4)


 彼の時代に十年間、騒乱がありませんでしたが、後にエチオピア人ゼラハが百万人の軍勢と三百台の兵車を率いてユダに攻めて来ました。(歴代第二14:9)その時、アサのもとには、三十万のユダの部族の戦人と二十八万人のベニヤミンの部族の戦人がいただけでした。(歴代第二14:8)それで、軍勢の数としては、エチオピアの軍勢の方がユダ王国の軍勢よりもずっと勝っていました。


 しかし、その時、アサは戦闘隊形を整えてエホバにこう祈りました。「エホバよ,助けることについては,多くいようが,力のない[者たち]がいようが,あなたにとっては変わりはありません。私たちの神エホバよ,私たちを助けてください。確かに私たちはあなたに頼りますし,あなたのみ名によってこの群衆に向かって来たからです。エホバよ,あなたは私たちの神です。死すべき人間があなたに逆らって力を保つことがありませんように。」(歴代第二14:11)


 アサはエホバが助けてくださるのであれば、敵と味方の軍勢の数が多くても、少なくても変わりがないという確信を言い表しました。そして、自分たちがエホバに頼るゆえにエホバに助けてくださるように懇願しました。


 アサの場合は、ユダの中から偶像崇拝を取り除く努力を払っていたので、エホバに祈りを聞いていただけるような根拠を持っていました。それでアサが祈ると、エホバはアサの祈りに答えてくださいました。エホバはアサとユダの軍勢の前にエチオピア人を打ち破られました。エチオピア人は逃げ去ったので、アサと彼の民はゲラルまで彼らを追跡し、エチオピア人は生きている者はひとりもいませんでした。(歴代第二14:13)


 そして、ユダは非常に多くの分捕り物を運び去りました。そして、エホバの怖れがゲラルの人々に臨んだので、ユダの人々はゲラルの周りのすべての都市を討って、畜類など多くのものを強奪することに成功しました。


 アサがエチオピアの軍勢に対して勝利を得たことについて、予見者ハナニが後にこう言いました。「エホバに関しては,その目はあまねく全地を行き巡っており,ご自分に対して心の全き者たちのためにみ力を表わしてくださるのです。」(歴代第二16:9)それで、アサとユダの軍勢がエチオピアの大軍に勝利を得たのは、決してユダの軍勢の力強さのゆえではありませんでした。アサがエホバに対して心が全きことを表わし、エホバに頼ったので、エホバがみ力を表わしてアサを助けてくださったのでした。


 今日、クリスチャンは、文字通りの戦争を行なうことはありません。しかし、宣教の業など、仕事は非常に大きいのに、少人数で当たらなければならないということもあるかもしれません。けれども、エホバのご意志を行なおうとする時に、人数が少なくても、エホバの助けがあるならば、少人数で効果的に物事を行なえるということもあるでしょう。


 私たちは成功するために、いつもエホバに助けを仰ぎ、エホバを第一にしてエホバに頼るようにしましょう。エホバは私たちがエホバを第一にして頼ったゆえに、私たちを助けてくださるでしょう。







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