エゼキエル21章・法的権利を持つ者にターバンと冠を与える


"Bird of Paradise" by dottieg2007
メシアが王権を受けるという預言は地上のパラダイスの希望を示す

「主権者なる主エホバはこのように言われた。『ターバンを取り除き、冠を取り外せ。・・・わたしはそれを破滅、破滅、破滅とする。これについてもまた、それは法的権利を持つ者が来るまで、決してだれのものにもならない。わたしはその者にこれを必ず与える。』」(エゼキエル21:26,27)

エゼキエル21章の預言は、エホバがメシアに権威を与えて、神の王国を設立してくださるということに希望を与える預言のひとつです。そこには、エホバが、法的権利を持つ者に、ターバンと冠を与えることを預言しています。

「法的権利を持つ者」とは、エホバが永遠に支配する王権を与えるダビデの子孫を意味しているでしょう。(サムエル第二7:12,13,16) 最後には,ダビデの家系のだれかが「定めのない時にまで」支配するようになることが預言されていました。

ターバンと冠は何を意味するでしょうか。「王者のターバン」という言葉がイザヤ書にあります。(イザヤ62:3)また、イエスの頭に載せられたいばらの「冠」はイエスが「ユダヤ人の王」であるしるしでした。(マルコ15:17,18)それで、ターバンと冠は王権を表していることが分かります。ターバンと冠が取り除かれたのは、西暦前607年、ユダの最後の王ゼデキヤがバビロンによって王位から取り除かれた時です。(エレミヤ52:1,11。エゼキエル21:25,26)

聖書を調べると、イエス・キリストがこの法的な権利である王権を正当に与えられる立場にあることが分かります。西暦前607年、ゼデキヤが王位から退けられて以降、ダビデの王統の王の支配は途絶していました。後代になってユダヤを支配したヘロデ王は、エドム人ダビデの子孫ではありませんでした。しかし、イエスは父方の系図でも、母方の系図でも、ダビデの子孫でした。(マタイ1:6,16。ルカ3:23,32)それで、イエスダビデの王権を永遠に受け継ぐ法的権利を持っておられました。(ルカ1:32,33)


Jesus entering Jerusalem, the Triumphal Entry.
エスダビデの王権を受け継がれる
では、イエスはその王権をいつ与えられたでしょうか。イエスは西暦1世紀に地上におられた時には、ダビデの王権を与えられることはありませんでした。イエスは、ご自分が王として臨在され始めると地上で戦争や食糧不足、疫病や地震、迫害などが起こることを予告されました。(マタイ24:3,7,9。ルカ21:10-12)それらの地上での出来事は、天でイエスが王権を与えられたことを証明しました。

また啓示の地上を駆け巡る四頭の馬の預言からも、イエスが「冠」つまり王権を与えられた後、戦争や食糧不足が起こり、大勢の人が死に、世界に不安や苦痛があふれることを予告していました。(啓示6:2-10)また、地上の弟子たちに権威をゆだねる前に、イエスご自身がまず王権を得られることが王国のたとえ話の中で示唆されています。(ルカ19:11,12,15,16)

これらの聖書の預言の理解、また至高者がご自分の望む者に支配権を与えることを示すダニエル4章の七つの時の預言から、エホバの証人は、西暦1914年にイエスが天で神の王国の王権を与えられたと解釈しています。(ダニエル4:25)私は聖書の預言の解釈のすべての点でエホバの証人の解釈に同意しているわけではありませんが、現時点では、西暦1914年にイエスが天で神の王国の王権を与えられたという理解は正しいのではないかと考えています。

なぜなら、西暦1914年は、現代の歴史の転換点となっています。その年以降、第一次世界大戦第二次世界大戦などの国際戦争が起き、またエホバの証人により、全世界で神の王国の良いたよりが宣べ伝えられる努力が払われてきたからです。(マタイ24:3,24)それで、王国の良いたよりが全地で宣べ伝えられるというイエスの預言が成就しています。ですから、西暦1914年に、エホバは法的権利を持つ方、イエス・キリストに天で王権を与えられたのではないかと思います。

ただ、私は、ダニエル7章の預言が少しひっかかっています。ダニエル7章の預言は、イエスが王権を与えられる時は、四番目の獣の小さな角、すなわちアメリカが滅ぼされる大患難の前後に起こることを示唆しているのではないかと考えたりしています。(ダニエル7:11-14) でも、今のところ、エホバの証人の1914年説をはっきり否定できる程の、聖書的根拠を私は持っていません。それで、1914年説を否定することはしていません。他の聖書的根拠を調べていく必要があります。

いずれにせよ、その預言も、イエスがまず王権を与えられ、その後、聖なる者たちがイエスと共に王権を与えられることを示唆していると思います。でも、もし、イエスが西暦1914年に天で王権を与えられたのであれば、イエスが全地の諸国民を裁き、地上に対する全面的な支配権を行使する時がいずれ来るということが分かります。(マタイ24:37-39)
エスは、ご自分が完全に地上の物事を支配される前に未曾有の大患難が起こることを予告されました。私はその未曾有の大患難は、肉なる者がすべて滅ぼされてしまう危険もある諸国民の国際的な戦争を意味しているのではないかと考えています。(マタイ24:21,22)しかし、啓示の預言によると、その大患難を数え切れないほど大勢の大群衆が生き残ります。(啓示7:9,14)

「法的権利を持つ者」イエスが天で冠とターバンすなわち王権を授けられたということは、将来イエスによる神の王国が地上を全面的に支配し、地上に楽園を実現する道を開かれる時が来ることを示しています。



Paradise Meadow by Kid Cowboy
エスに王権が与えられるという預言は地上の楽園の希望を示す
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