ダニエル2章・ネブカドネザルの夢の像

この動画は、ダニエル2章のネブカドネザルの夢の像に関するエホバの証人の解釈に似た解釈を動画にしています。エホバの証人の解釈と、年代が違っているようです。私はこの解釈のおおまかなところには、同意しています。像の脚や足の部分に関する解釈には、同意していません。それでも、ネブカドネザルの夢の像や神の王国についてイメージするのに助けになると思うので、アップします。また、他の解釈について、知っておくのもいいことだと思います。
Nebuchadnezzar's dream reveals Gods Kingdom and last days

「その像は、頭は良質の金、胸と腕とは銀、腹と股とは銅、脚部は鉄、足は、一部は鉄、一部は成形した粘土でした。あなたはずっと見ておられましたが、ついにひとつの石が人手によらずに切り出され、それが像の鉄と成形した粘土とでできた足のところを打って、これを砕きました。・・・そして、像を打ったその石は、大きな山となって全地に満ちました。」(ダニエル2:32〜35)


バビロンの王ネブカドネザルは、夢の中で巨大な像の夢を見ました。ダニエルはその夢とその解き明かしを王に示しました。王の見た像は何を表していたのでしょうか。


王が夢の中で見た像は、金、銀、銅、鉄、粘土でできた像でした。まず、ダニエルは王に対して「あなたが、その金の像です」と説明しました。(ダニエル2:38)そして、ダニエルは、銀、銅、鉄、粘土も金に続く「王国」を表していると説明しました。それで、像は人間の諸王国を表していることが分かります。


そして人手によらずに切り出された石が、その像の足を打って像は全体が粉々になってしまいました。(ダニエル2:35)その石は、天の神が立てられる王国を表していました。そして、神の王国は、「王たちの日」つまり、人間の諸政府が機能している時に設立されます。(ダニエル2:44。ルカ8:1)


ですから、その像は、バビロンの王で始まり、神の王国によって滅ぼされる時まで存続する人間の諸政府を表していることが分かります。そして、神の王国は、最終的に人間の諸政府を滅ぼして終わらせます。

その像の各部は何を表しているでしょうか。そのことを考えるのに、聖書の他の部分は助けになります。なぜなら、聖書の著者はエホバ神おひとりですから、聖書中の預言の幻も互いに調和しているはずだからです。それらの預言は互いに補い合い、説明しあっている筈です。ダニエル書の中には、諸政府の興亡について多くを述べている預言がありますから、それらの預言を参考にして、像の各部が表すものを知ることができます。


ダニエルは銀の部分はバビロンのネブカドネザル王朝の後に起こる「別の王国」であると説明します。さらに、銅の部分は、「三番目」に起こる王国であると説明します。(ダニエル2:39)実際に起きた歴史の記録によると、バビロニア帝国の次に立った銀の王国とはメディア・ペルシャ帝国でした。(ダニエル書5:30,31;6:28)メディア・ペルシャ帝国は、ダニエル8章の預言の中でも、登場します。(ダニエル8:3,20)


三番目の王国は、ダニエル8章の預言の幻によると、メディア・ペルシャ帝国を滅ぼすギリシャ帝国です。(ダニエル8:5〜7,20,21)また、ギリシャの「第一の王」が倒れて、「四つの王国」が立ちます。(ダニエル8:22)ですから、メディア・ペルシャ帝国に次ぐ銅の王国とはギリシャ帝国とそれから派生した王国ということになるでしょう。


ネブカデネザルの夢の像の四番目の王国は何を表しているでしょうか。それはどんな特徴を持っていましたか。ダニエルはこう説明します。「そして,四番目の王国ですが,それは鉄のように強いものとなります。・・・これもそれらのすべてを打ち砕いて粉砕します。」(ダニエル2:40)


この四番目の王国とダニエル7章に登場する「四番目の獣」は、大変似ています。(ダニエル7:7,23)その「四番目の獣」は、「際立って強いもの」でした。それには、「鉄の歯」があり、「それはむさぼり食い」ました。(ダニエル7:7)


実際の歴史を振り返ると、四番目の王国とは、行く手にあるものをことごとく軍事力によって服従させていったローマ世界強国です。ローマ帝国は西暦前2世紀に、ギリシャ諸国家を滅ぼして、ローマの属州にしました。


しかし、ダニエル7章の四番目の獣は、「四番目の王国」だけでなく、「その王国から起こり立つ十人の王」と、さらに起こる「別の者」も表していました。(ダニエル7:20,24)ですから、ダニエル7章の四番目の獣は、ローマ世界強国とそれから派生する王国を表しています。


この「別の者」、つまり「別の角、小さなもの」は大いなるバビロンを表しているでしょう。(ダニエル7:8,24)なぜなら、その小さな角について、「その体は滅ぼされて燃える火に渡された」と述べられていますが、その後も「残りの獣たち」は「一時また一時節のあいだ」存在すると述べられているからです。(ダニエル7:11,12)ですから、小さな角は、この事物の体制が存続している間に、滅ぼされる大いなるバビロンを表しているでしょう。


ダニエル7章の、四番目の獣が、十本の角と小さな角も含んでいたのと同様に、ネブカドネザルの夢の像の脚部の鉄の王国とは、ローマ帝国とローマ世界帝国から派生する諸王国を表しているでしょう。そして、それは大いなるバビロンまでを表しているでしょう。


ネブカドネザルの像の粘土と鉄でできた足の王国とは、大いなるバビロンの滅びである大患難の後に存続している北の王と諸国家です。北の王が設立する新しい国連も含んでいるでしょう。


大いなるバビロンが滅ぼされた後の時代には、世界は二つの大きな陣営に分裂することになるのでしょう。(ダニエル2:42,43)事物の体制の終結の時の最終部分において一部は鉄のように強い圧制的な王国となり、一部はもろい人間の要素のある王国となります。(ヨブ10:9;33:6)


夢の像はひとつの石によって打ち砕かれたので、神は、大患難の後、新しい国連と北の王の時代にご自分の王国によって人間の政府をすべて終わらせることがわかります。そして、「石は、大きな山となって全地に満ち(る)」とあるように、神の王国は地上を全面的に支配し、地上を楽園にします。(ダニエル2:35。ルカ1:32,33)しかし、神の王国は、人間の諸政府を地上の戦争によって終わらせるのではありません。エホバは、霊者の軍勢を用いて、天変地異を起こして人間の支配を終わらせます。(エゼキエル38:18,21,22)


神の王国が地上の支配を全面的に掌握する時が将来到来します。私たちは神の王国に希望を置きつつ、聖書の預言の言葉を引き続き研究していきましょう。


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