エゼキエル13章・エホバに敵対する偽りの預言

「『あなた方が不真実を語り、偽りを幻で見たので、それゆえに、いまわたしはあなた方に敵対する』と、主権者なる主エホバはお告げになる。・・・『エルサレムに向かって預言し、平安がないのに、彼女のために平安の幻を見ているイスラエル預言者たちは』と、主権者なる主エホバはお告げになる。」(エゼキエル13:8,16)


エホバは、イザヤ、エレミヤ、エゼキエルなどの真の預言者を用いて、ユダとエルサレムに災いを予告されました。しかし、エゼキエル13章では、エホバの定めとは調和しない偽りの将来を預言したイスラエル人の預言者たちがいたことが述べられています。しかし、偽りを預言する者たちに対して、エホバは「敵対する」と言われました。


イザヤは、エホバが「ヤコブの家を捨て去られ」、イスラエルに「エホバの日」が臨むことを予告しました。(イザヤ2:6,12)エレミヤは、エホバが「バビロンの王ネブカドレザル」を来させ,ユダとエルサレムを攻めさせることを予告しました。(エレミヤ25:9;34:2)


エホバがエルサレムとユダに災いを予告されたのは、イスラエル人が神の律法にはなはだしく違反していたからでした。(イザヤ5:7。エレミヤ6:19)預言者イザヤ、エレミヤその他の神の預言者たちが宣べ伝えたことは、神の律法の中で示されていたエホバのご要求と調和していました。


しかし、エレミヤは、偽りを預言する預言者がいることをエホバに訴え、預言者たちは,『あなた方は剣を見ない。あなた方に飢きんは起こらない。かえって,わたしは真の平安をこの場であなた方に与えるであろう』と言っていると述べました。(エレミヤ14:13;29:8,9)エレミヤによると、偽預言者の中には、「あなた方はバビロンの王に仕えることにはならない」と言っている預言者たちや、「エホバの家の器具は今すぐにもバビロンから持ち帰られる!」と預言している預言者たちもいました。(エレミヤ27:14,16)


バビロンの中でも、エホバが命じなかった言葉をエホバの名によって偽って語りつづけ、人々を「偽りに頼らせる」預言者たちがいました。その中に、コラヤの子アハブと、マアセヤの子ゼデキヤ、またネヘラムのシェマヤがいました。(エレミヤ29:21,23,31,32)偽りを語る預言者たちは、エホバの真の預言者たちに敵対し、エルサレムに関して平安を預言していました。しかし、偽りの預言者たちは、エホバのみ手からもたらされた災いを経験しました。


エホバはそうした偽りを語る預言者に「敵対する」と言われました。また、エホバはそれらの預言者が、エホバに対して「反逆」しているとみなしました。(エレミヤ29:32)偽りを語る預言者たちに関するエホバの言葉から分かることは、エホバの真の預言と一致しない預言を語ることは、重大なことであるということです。


今日、啓示の書に登場する大娼婦大いなるバビロンに関して、異なった解釈があります。エホバの証人は、大いなるバビロンは、偽りの宗教組織を意味していると解釈しています。そして、現在の国連が背教したキリスト教世界を初めとした偽りの宗教世界帝国全体を攻撃することになるということを予告しており、その実現を待っています。


たとえば、ものみの塔84年7/1号10ページ16節を参照されてください。その記事の中では、「カトリック教会と共産主義が対立関係へと向かっているように見える」というニュースを引用して、カトリックに対する反発が増加していることは、エホバの証人の預言の成就が近いことを示していると示唆しています。


私を含めた一部の聖書の解釈者は、大いなるバビロンは、アメリカ合衆国を表していると解釈しています。


確かに、ローマカトリック教会の行ないは、神の律法に完全に調和しているとは決して言えません。カトリックプロテスタントの僧職者の中には、政治活動や軍事活動に率先して加わる人もいます。そうしたキリスト教僧職者のために、多くの国では内戦や紛争が起こっています。確かに、自称キリスト教の組織やその他の宗教組織にも咎はあります。しかし、現代において、アメリカ合衆国全体の振る舞いと、カトリック教会やプロテスタント教会の振る舞いとどちらが最もはなはだしく流血や偶像崇拝や性の不道徳を禁じる神の律法に違反してきたでしょうか。


現代に全地で最もはなはだしく流血行為を行なっているのはアメリカではないでしょうか。その中の例としては、朝鮮戦争ベトナム戦争があります。また近年の湾岸戦争イラク戦争など、アメリカによる流血は続いています。また、アメリカは神を崇拝すると主張しながら、実際は自国の崇拝という偶像崇拝を行なっています。


しかし、エホバの証人は、アメリカ合衆国も、キリスト教世界の一部であると考えていますから、国連によってアメリカの教会も攻撃されると考えていることでしょう。しかし、アメリカ合衆国の咎は、神のみ前でその他のキリスト教世界の咎よりも大きなものではないでしょうか。


エホバは過去においても、実際に神の律法からはなはだしく逸脱して、流血行為を行なった国家であるユダやバビロンに注目されたのではないでしょうか。(列王第二21:16。エレミヤ51:34)ですから、終わりの時にも全地ではなはだしく流血を行なう国家に注目されるのではないでしょうか。とりわけ、聖書の神を崇拝していると唱える国家には、注目されるのではないでしょうか。


しかも、エホバの証人の解釈からすると、現時点で、国連はかなりアメリカと調和して行動していますから、国連とアメリカが、エホバの証人が大いなるバビロンとみなすイスラム教国を攻撃することは、神のご意志と調和していると考えかねないのではないでしょうか。そうすると、アメリカの行動を是認しかねないのではないでしょうか。


神のみ名をになう国家であるアメリカの責任を見落とすのは、エホバの預言の精神と調和しているでしょうか。エホバの目から見て、より咎が少ない部分を非難するのは、間違っているのではないでしょうか。エホバはそうした預言を「不真実な幻」「偽りの占い」とみなされるのではないでしょうか。(エゼキエル13:6,7)


 しかし、私は、エホバの証人の統治体の兄弟たちが、自分たちの目から見て、聖書に基いてその預言の解釈を行なおうと努力しているということは認めます。聖書の預言の解釈をする者たちは、誰もエホバの言葉聖書と調和しない偽りの預言をしたいとは考えていません。聖書の神エホバを正しく崇拝したいと願っているはずです。



亡くなったエホバの証人の統治体のフランズ兄弟


しかし、それでも、エホバの預言の言葉に真に調和しない解釈をすることは多くの神の民を救いをもたらさない「偽りに頼らせる」ことになります。(エレミヤ28::15)そうすると、エホバから敵対される結果になる可能性があるのではないでしょうか。


 わたしを含めて、エホバの証人の統治体の兄弟たちや、その他の聖書の預言の解釈者たちは、エホバの言葉に真に調和した預言の解釈を行なうように最善の努力を払うべきです。そのために、預言の解釈をするにあたって「自分の理解」、つまり自分の推測に頼るのではなく、心を尽くしてエホバの言葉に頼るべきです。(箴言3:5,6)最善を尽くして聖書的根拠に基いて聖書の預言の解釈を行なうべきです。そして、毎日自分の聖書の預言の解釈を吟味すべきです。それは、自分と自分の預言の解釈を聞く大勢の人々の将来に影響します。(テモテ第一4:16)



心を尽くして聖書の言葉に頼って預言の解釈を行なうことが必要


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