自殺の問題(5)−エホバ神から得られる助け

これまで、「自殺の問題」のシリーズとして、(1)世界的な問題 (2)なぜ自殺するのですか (3)自殺を引き起こす根本的要因 (4)助けを求める をアップしてきました。今回は、エホバ神との関係から得られる助けについてさらに取り上げます。


                  このような気持ちを神は許してくださるだろうか


自殺を考えたことのあるクリスチャンは,そういう考えを抱いたことに対する強い罪悪感と闘っていることがよくあります。その罪悪感は,当人の重荷を増し加えるでしょう。では,そのような感情にどのように対処できるでしょうか。

聖書時代の忠実な男女の中に,生きることについてとても否定的な気持ちを言い表わした人がいることは注目に値します。族長イサクの妻リベカは,家族内の問題で強いストレスを感じたため,「わたしは……自分のこの命をたいへんいとうようになりました」と語りました。(創世記 27:46)ヨブは,子どもたち,健康,富,社会的立場を失い,「わたしの魂は自分の命に対して確かに嫌悪を感ずる」と言いました。(ヨブ 10:1)さらに,預言者ヨナは,「わたしは生きているより,死んでしまったほうがましだ」と繰り返し述べました。(ヨナ 4:8)


ですから、信仰を抱くクリスチャンが死にたいという気持ちを持ったとしても、不思議ではありません。しかし、エホバは,そのように感じた人たちをとがめられませんでした。エホバは,その人たちの述べた言葉を聖書中に保存することまでされました。


とはいえ,それら忠実な人たちのうち,感情に駆り立てられて自殺した人は一人もいなかった,という点を銘記するのは大切です。エホバは彼らに生きつづけてほしいと思われました。そうした気持ちを言い表したご自分の僕たちひとりひとりに実際的な助けを差し伸べられ、彼らが問題を耐えられるようにされました。


                   あなたの命はエホバ神と他の人にとって大切


確かにあなたの今の状況では,ひどい孤独感に襲われたり,だれ一人気に留めてくれないように思えたりするかもしれません。また、自分の問題は、八方塞がりでどうしようもないと考えるかもしれません。


預言者エリヤも、「自分の魂が死ぬことを願って」「さあ、エホバよ、私の魂を取り去ってください。」と言ったことがありました。(列王第一19:4)なぜなら、バアル崇拝のために、自分がひとりぼっちで、エホバの崇拝者が絶えてしまうと感じたからです。(列王第一19:14)バアル崇拝者のために仲間の預言者たちが大勢殺され,エリヤ自身も死の脅威にさらされていました。エリヤは自分の命を救うために逃走していました。


しかし,エホバはエリヤの訴えに耳を傾けられました。エホバはエリヤは独りきりではないと言われました。エホバは,当時,エリヤのようにまことの神に忠実に仕えようとしている忠節な人たちが約7,000人いることを明らかにされました。また、エホバはエリヤに共にバアル崇拝と戦うエリシャという仲間を与えてエリヤの負担を減らされました。そして、引き続きバアル崇拝と戦うための効果的な方法を指示されました。(列王第一 19:15-18)



Queen Jezebel of Israel threatened to kill Elijah, so he ran away to Mount Sinai, where he heard God speak to him in a still, quiet voice (1 Kings 19:1-18).
エホバは迫害されているエリヤの訴えに答えて実際的な助けを差し伸べられた


ですから、エホバはエリヤの問題を解決する実際的な解決策を与えました。では,あなたの場合はいかがですか。あなたが感じておられるほど孤独ではないということはありませんか。また、エホバはあなたの問題も気遣って実際的な助けを与えてくださるのではないでしょうか。


あなたのことを気にかけている人々がいます。父親や母親,配偶者,子どもたち,友達,同僚のことが思い浮かぶかもしれません。また、医療の専門家、カウンセラー、行政やNPOの相談窓口の人々も善意から、気にかけてくださるでしょう。また、信仰を持つエホバの証人や、ネットの中で見出される信仰の仲間もあなたのことを気遣い、あなたの話に耳を傾け、あなたのために祈ってくれるでしょう。それらの人々は可能なら、実際的な助けも差し伸べたいと願っていることでしょう。


それに,たとえ不完全な人間から見放されたとしても,エホバ神はあなたを決して見捨てられることはありません。ダビデ王は,「わたしの父とわたしの母がわたしを捨て去ったとしても,エホバご自身がわたしを取り上げてくださることでしょう」と言いました。(詩編 27:10)エホバは『あなたを顧みてくださる』のです。(ペテロ第一 5:7)エホバはあなたの祈りに耳を傾けてくださいます。



Oraçao by S. Reachers
エホバに祈り続けましょう 神は耐えられるように助けてくださるでしょう



エホバはこう保証しておられます。「恐れてはならない。わたしはあなたと共にいるからである。周りを見回すな。わたしはあなたの神だからである。わたしはあなたを強くする。わたしはあなたを本当に助ける。わたしはわたしの義の右手であなたを本当にしっかりととらえておく」。(イザヤ 41:10)エホバに信仰を抱くあなたは、エホバの目に貴重です。


命は神からの贈り物です。では,あなたがある人に高価な贈り物をしたのに,その人がそれを実際に使わず捨ててしまうとしたら,あなたはどのように感じますか。エホバが与えてくださる助けを見失うことのないようにしてください。エホバはあなたの祈りに答えて、あなたが、人生の重荷をになえるように助けてくださるでしょう。


生きたいという願いを完全に取り戻すまでにはいくらか時間がかかるかもしれません。しかし、「すべての慰めの神」に祈り続けてください。(コリント第二 1:3,4。ローマ 12:12。テサロニケ第一 5:17)エホバは,あなたが必要とする強さを与えてくださいます。(イザヤ 40:29)


エホバの答えは、医療の助けを得ることかもしれませんし、また生活の別の面や考え方を調整することだったりするかもしれません。いずれにしても、エホバはあなたが抱えている問題に耐えられるよう実際的な助けを差し伸べてくださるでしょう。祈ることを決してやめないようにしましょう。信仰をもって祈り続けましょう。


さらに、永遠にうつ病と戦い続けなければならないのではありません。エホバは王国によって、「以前のことは思い出されることがない」時が来ることを保証されています。「泣き声や,悲しげな叫び声が聞かれることはもはやな(くなります)。」(イザヤ65:17−19)その時、うつ病を含めてあらゆる精神的疾患や、諸問題はなくなっています。エホバがそういう時代をもたらしてくださることに希望を置きましょう。


以上はウィキペディアなどネットの情報や目ざめよ2001年10/22号を参考に再構成したものです。自殺の問題は(1)〜(7)の予定です。次回は、「自殺の問題(6)−どうすれば自殺を防げますか」を取り上げます。


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