イザヤ8章・エホバはユダをアッシリアによって守られる

「この民が穏やかに流れるシロアハの水を退けて、レツィンとレマルヤの子に対する歓喜があるので、まさにそれゆえに、見よ、エホバは・・・アッシリアの王とそのすべての栄光を彼らに向かって連れ上る。」(イザヤ8:6,7)


昔、エホバはダビデの王統の王国であるユダを、当時の世界強国であるアッシリアによって守られました。イザヤ7章によると、ユダの王アハズの時に、ユダはシリアとイスラエルによって脅かされました。(イザヤ7:1)シリアの王レツィンとイスラエルの王レマルヤの子ペカハは連合してエルサレムに攻めてきました。(イザヤ7:2)しかし、エホバはユダを守るために彼らに対してアッシリアの王を用いられました。


冒頭の聖句にある「シロアハの水」とは、エルサレムにあった用水路の名前だったようです。エルサレムにあったある古代の用水路は、泉の洞くつの口から池に注いでいましたが、この用水路の傾斜が非常にゆるやかなものであったため、その水は、「穏やかに流れ」ていました。それで、「シロアハの水」とは、ユダのエルサレムを意味していました。


イスラエルとシリアは、ダビデの王統のユダを攻めるという点で信仰がありませんでした。(イザヤ7:9)アハズの時、まだユダのエルサレムには、エホバの神殿があり、ユダとエルサレムはエホバの崇拝を代表していました。そして、アハズは、ダビデ王の子孫で、ユダの王権を受け継ぐ権威を持っていました。(詩編89:3,4)


エホバは、ダビデに対して、「もしあなたの子らがわたしの前に歩んで,その道に気をつけさえしたら,あなたには,イスラエルの王座に座る人がわたしの前から断たれることはない」と約束しておられました。(列王第一8:25。サムエル第二7:16)ですから、ダビデの王統の王は、エホバから保護されることになっていました。


ただし、ダビデの子孫が王座を堅くできる条件は、ダビデの子孫である王がエホバに忠実であることでした。アハズは、エホバに忠実でなかったので、その条件にかなってはいませんでしたが、まだエホバがダビデの王統の国であるユダをご自分の前から退けられる定めの時ではありませんでした。(列王第二16:2)


Hinnom Valley, south of Jerusalem, where Ahaz offered his sons on the altar of Tophet.
アハズが子供を捧げたヒンノムの谷。ユダは不忠実だったがエホバはユダを保護された


それで、シリアとイスラエルは共謀して、ユダのダビデの王統の王を退位させて、別の王を擁立して統治させようと企てましたが、エホバは「それは、立たない。それは起こることもない。」と保証されました。(イザヤ7:6,7)そして、イスラエルとシリアの同盟軍は、アハズの統治するユダのエルサレムを攻めましたが、攻略することはできませんでした。(列王第二16:5)アハズは、イスラエルとシリアの脅威のために大変怖れました。しかし、エホバはその当時の世界強国であったアッシリアを用いてユダを守り、シリアとイスラエルを倒されました。


アッシリアのティグラト・ピレセル3世はダマスカスに戦いを仕掛け、シリアのレツィンを死に処しました。こうしてシリアはアッシリア支配下に入りました。(列王第二16:9)また、聖書は「イスラエルの王ペカハの時代に,アッシリアの王ティグラト・ピレセルが来て」イスラエルを攻め、「人々をアッシリアへ流刑に処した」と記録しています。(列王第二15:29)ですから、アッシリアによってユダに対するイスラエルの脅威も除かれました。そして、西暦前740年には、イスラエルサマリアアッシリアの前に陥落しました。


しかし、ユダのエルサレムは、結局はその不忠実さのために世界強国のバビロン、そしてローマによって倒されることになりました。


それで、エホバはその当時、ダビデの王統の王が支配していたユダを一時的にアッシリアによって守られました。その当時、アハズはエホバに不忠実でしたが、アハズの祖父であったウジヤも父であったヨタムも、、また、アハズの子であったヒゼキヤも、エホバに忠実でした。それで、エホバはご自分の民に不忠実な部分があったとしても、良い部分をご覧になって、保護を差し伸べられるということが分かります。


今日の神の民に対しても、不忠実な部分があるにしても、その良いところに注目されてエホバはご自分の民に保護を差し伸べられることでしょう。エホバは、ご自分の民を保護するために、世界強国を用いられることもあるでしょう。私は、エホバの証人は、多くの真のキリスト教の特徴を持っていると思います。それで、私は、エホバがエホバの証人の組織に対してできうる限り保護を差し伸べられると思います。


今日、エホバの証人の本部(Warwick)は、アメリカにありますから、アメリカが存続する間はある程度、エホバの証人も保護を享受することになるでしょう。



エホバの証人が発表しているウォーウィックの世界本部の完成予想図



しかし、聖書は最終的には、アメリカが自国の神の民を迫害するようになることを予告しています。(イザヤ14:20。啓示17:6)


エホバの証人は、聖書に従うように努力をしています。しかし、エホバの証人の聖書の解釈は十分に聖書に忠実ではないと思います。その解釈の失敗が最後に証明される時、エホバの証人は、大きな被害を受けることになるのではないかと思います。私は、エホバの証人の組織は、アメリカで迫害を受けるだけでなく、新しい国連の組織からも攻撃を受けることになるのではないかと思います。(ダニエル11:40,41)


しかし、その時が来るまではエホバの証人は、アメリカ合衆国によって保護を受けることになるでしょう。私は、エホバの証人が保護されている時間を用いて、聖書の解釈を検討することをお勧めしたいと思います。


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