エレミヤ34章・裁きの中でゼデキヤに示された憐れみ

「あなた自身も彼の手から逃れられない。あなたは必ず捕らえられ、彼の手に渡されるからである。・・・あなたはバビロンへ行くであろう。・・・あなたは剣によって死ぬことはない。あなたは安らかに死に、・・・人々はあなたのためにも香をたき、『ああ、主君よ!』と、あなたのことを嘆き悲しんで言うであろう。」(エレミヤ34:3-5)


良い王ヨシヤの子ゼデキヤは、バビロンのネブカドネザルによってエルサレムで王座につけられました。(エレミヤ 37:1)彼はエルサレムで治めたユダの最後の王となりました。ゼデキヤは、エホバから不利な裁きを受けました。でも、ゼデキヤはその裁きの中である程度エホバから憐れみを受けたようです。


ゼデキヤに対して、エホバはエルサレムとゼデキヤ自身がバビロンの手に落ちることを予告されました。しかし、ゼデキヤに対するエホバの宣告には、少しだけ救いとなる事柄が含まれていました。ゼデキヤは、バビロンの王の剣によって殺されることはなく、安らかに死ぬことになるということが予告されていました。(エレミヤ34:3-5)


ゼデキヤは基本的には、その治世中,「エホバの目に悪いことを行ない続け」、エホバの言葉に背きました。(エレミヤ 52:1,2)しかし、ゼデキヤは、預言者エレミヤに何度もエホバの言葉を伺いました。また、ゼデキヤは、自分たちのためにエホバに祈ってもらうようにエレミヤに頼みました。(エレミヤ37:3)しかし、ゼデキヤは、エレミヤを通して与えられたゼデキヤがバビロンに渡されるというエホバの言葉の現実を受け入れるということがなかなかできませんでした。また、ゼデキヤは、バビロンに降伏するようにというエレミヤの勧めを受け入れませんでした。(エレミヤ38:17,19)


ゼデキヤは、エレミヤの言葉がそれまで成就していったことを認めてエレミヤに敬意を払わざるを得なかったのでしょう。(エレミヤ37:18,19)ゼデキヤは、かたくなにエレミヤに敵対して、エレミヤを殺そうとした君たちとは、違いました。(エレミヤ38:4)ゼデキヤは、エレミヤに敵対した君たちからエレミヤを守る働きをしました。(エレミヤ38:16)



Jeremiah thrown into the dungeon.

ゼデキヤ王はエレミヤを迫害したが助けることもした


しかし、ゼデキヤは、君たちに対して力のない王でした。(エレミヤ38:5)ゼデキヤは、君たちを恐れて行動していました。(エレミヤ38:25,26)ゼデキヤがエホバに対して不従順であったのは、君たちの影響力もあったのでしょう。ゼデキヤに対するエホバの裁きが和らげられたのは、そうした状況を、エホバが、ある程度考慮されたからかもしれません。


ゼデキヤに対して、エホバの裁きが和らげられるという言葉が伝えられたのは、いつのことだったのでしょうか。それは、バビロンによるエルサレムの攻囲が始まってしばらくしてからのことだと思われます。


ゼデキヤはネブカドネザルに反逆し、軍事援助を求めてエジプトに使いを送りました。(歴代第二 36:13;。エレミヤ 52:3。 エゼキエル17:15)その結果、ネブカドネザルの率いるバビロンの軍隊がエルサレムに攻めてきました。(エゼキエル 24:1,2)エルサレムの攻囲が始まった後、ゼデキヤは、ネブカドネザルエルサレムから撤退するかどうかについてエホバに伺うため、使いをエレミヤのもとに遣わしました。(エレミヤ21:1,2)


エホバの言葉によれば、エルサレムとその住民はバビロニア人の手により災いを被ります。また、最初は、民とゼデキヤは、バビロンの王の手に渡され、剣の刃で討たれることになると予告されました。(エレミヤ21:7)


しかし、それからしばらくたって後、エレミヤは神の導きに従って自らゼデキヤのもとに行き、ゼデキヤ自身に対する宣告を伝えました。エレミヤは、エルサレムは滅ぼされるが、ゼデキヤ王は剣で殺されることなく、バビロンへ連れて行かれ、そこで安らかに死ぬことを王に知らせました。(エレミヤ 34:1‐5)


しかし、ゼデキヤは決してエホバの言葉に完全に従順に従う王ではありませんでした。攻囲下のエルサレムでいったん奴隷を自由にしましたが、バビロンが退くとまた、奴隷を従わせました。(エレミヤ 34:8‐22)


しかし、エルサレムが再びバビロニア人により攻囲されていたと思われる時期、ゼデキヤは君によって捕らえられていたエレミヤの話を聞こうとしました。(エレミヤ37:17)また、その後もゼデキヤは、エホバの言葉を聞くため個人的にエレミヤに会いました。(エレミヤ38:14)
ついにエルサレムは撃ち破られました。ゼデキヤと戦人たちは逃げ去りましたが、捕まり、ネブカドネザルのもとに連れて行かれました。ゼデキヤの息子たちは彼の目の前で打ち殺され、ユダのすべての君たちもバビロンの王によって打ち殺されました。(エレミヤ39:6)


一方、ゼデキヤの境遇は最悪の事態は免れました。ゼデキヤは予告されていた通り、剣で殺されませんでした。しかし、ゼデキヤは盲目にされ銅の足かせを掛けられてバビロンに連れて行かれ、バビロンの拘禁所で死にました。(エレミヤ52:6-11)確かに、ゼデキヤはエホバの裁きを受けましたが、予告されていたように安らかに死にました。


かたくなにエレミヤの預言の言葉に敵対したユダの王エホヤキムは、人々によってその死が悲しまれることなく、その遺体はエルサレムの門の外に放置されることなりました。しかし、ゼデキヤ王に対する裁きは、彼よりは和らげられていました。(エレミヤ 22:18,19;36:30)


ゼデキヤはエホバの言葉に不従順でしたが、それでも事態の進展を見て、エホバの言葉にある程度恐れを示しました。また、エホバ神の真の預言者であったエレミヤに対して少しの敬意を示し、エレミヤを保護する役割を果たしました。ゼデキヤのエホバに対する少しの恐れをエホバは見逃されませんでした。私たちは、どんな立場にあっても、エホバとその預言の言葉に敬意を示すようにしましょう。その敬意に従っておそらくエホバは報いてくださるでしょう。


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