エレミヤ36章・み言葉に対する迫害者エホヤキム

「エホバはユダの王エホヤキムに対してこのように言われた。『彼のためにはダビデの王座に座す者がだれもいなくなり,彼の死体は投げ出されて,昼は暑さに,夜は霜にさらされるものとなる。』」(エレミヤ36:30)


ユダの王エホヤキムは聖書に対する反対者になりました。エレミヤはバビロンの王がやってきて、ユダの地を滅びに陥れ、人と獣を絶やすことになるという陰鬱な預言を伝えていました。エレミヤの巻き物の言葉を聞いて恐れたユダの君たちの計らいで、エレミヤの巻き物が王の冬の家にいたエホヤキム王とユダの君たちの前で朗読されることになりました。


ところが、3ないし4ページの欄が読まれると、王はすぐに小刀で巻き物を引き裂き、火鉢の火に投げ入れたので、巻き物全部が焼けてなくなってしまいました。(エレミヤ36:23)エホヤキムは、バビロンの王が攻めてきてユダの地を滅ぼすという言葉に異議を唱え、巻き物を焼かないようにという3人の君たちの嘆願を無視しました。(エレミヤ37:29)


そのため、エレミヤが神の霊感を受けて口述しバルクが筆記した最初の巻き物は、失われてしまいました。その当時は、印刷機もなく、手書きだったのですから、その価値はお金に変えられないほど貴重なものでした。しかし、エホヤキム王は神の言葉が収められた貴重な巻き物を焼いてしまいました。



As the words of Jeremiah's scroll were read to King Jehoiakim of Judah, the king cut that part of the scroll and threw it into the fire in a brazier that warmed his palace (Jeremiah 36:21-36).
エホヤキムは巻物を裂いて火鉢で焼いてしまった



それで、エホバはエホヤキムに伝えるように彼の死体が投げ出されるという冒頭の言葉をエレミヤに伝えました。エホヤキムに対するエホバの裁きの言葉は、エレミヤ22章にもあります。そこでは、「彼(エホヤキム)は雄のろばが埋められるように埋められる。引きずり回され,エルサレムの門外に投げ捨てられる」という宣告になっています。(エレミヤ22:19)このエホバの言葉は成就したでしょうか。


バビロンのネブカドネザルがユダに攻めてきてエホヤキムは三年間、ネブカドネザルの従属者になりました。しかしその後、エホヤキムはネブカドネザルの属国の王としての第三年にネブカドネザルに背いたようです。それで、ネブカドネザルエルサレムに攻めてきて、包囲し、エホヤキムは、バビロンの王の手に渡されたことが述べられています。(列王第一24:1。ダニエル1:1,2)


列王第二 24章10‐12節の記述によると、バビロニア人がエルサレムを包囲した時、エホヤキムの子エホヤキンが降伏してバビロニア人のもとに下ったと述べられています。ですから,エホヤキムは都が包囲されていた間に、死んだようです。


歴史家ヨセフスの「ユダヤ古代誌」によると、ネブカドネザルがエホヤキムを殺し、その死体をエルサレムの城壁の外に投げ捨てるように命じたということです。ヨセフスの記述を確証するすべはありませんが、おそらくこうして、「彼(エホヤキム)の死体」が「エルサレムの門外に投げ捨てられ」「昼は暑さに,夜は霜にさらされる」というエホバの言葉は成就しました。そして、彼の死体は引き回されて辱められたのでしょう。



エホヤキムはろばのように引きずり回され城外に投げ捨てられた


ネブカドネザルは、当初はエホヤキムに足かせをつけてバビロンに引いて行こうと考えていましたが、結局彼は、攻囲中に殺されて、足かせは用いられませんでした。(歴代第二36:6)


エホヤキムの子エホヤキンはわずか3ヶ月と10日間だけ治めただけで、ネブカドネザルに降伏しました。ネブカドネザルは、エホヤキンのおじゼデキヤをユダの王座に就かせました。(歴代第二36:9,10)そして、ゼデキヤは、ユダの最後の王になりました。それで、「彼(エホヤキム)のためにはダビデの王座に座す者がだれもいなくな(る)」というエレミヤの預言もまた成就しました。


エホヤキムに起きたことは、エホバのみ言葉聖書を不敬に扱い、エホバと戦う人は、エホバの不興を買って、災いを被る可能性があるという警告となっています。


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