気分障害に取り組む(3)−さまざまな実際的な助け

今回は、気分障害に対処するための医療以外のさまざまな実際的な助けについて取り上げたいと思います。

                      たんぱく質と魚油などの栄養

栄養に気をつけることも、ある程度、気分障害に対処する助けになります。多くの研究者は、うつ状態は、ドーパミンセロトニンノルアドレナリンなどの脳内物質が減少しているのが原因であると考えています。ところで、脳内物質ドーパミンセロトニンノルアドレナリンの主原料は、たんぱく質アミノ酸)です。病院で処方される効うつ剤はそうした脳内物質の伝達をスムーズにする働きを持っています。しかし、抗うつ薬セロトニンそのものを増やす効能はありません。ですから、食物からセロトニンつまりアミノ酸を摂取する必要があります。


ですから、うつ病に対処するために、肉や卵などの動物性たんぱく質と植物性たんぱく質をバランスよく摂取することが必要です。ネットには、たんぱく質を十分摂取することによってうつ病から回復して、社会生活を送れるようになったという経験も見られます。


植物性たんぱく質の代表的なものは、大豆食品(大豆の煮豆、納豆、枝豆、おから、きな粉、豆腐など)です。大豆の栄養素には、セロトニンノルアドレナリンドーパミンの分泌を高める作用があります。できたら、GMフードではない有機の大豆製品がいいと思います。


さらに、あるデータによると、シーフードをたくさん摂取するところほど母乳内のドコサヘキサエン酸値が高く、産後うつ病の有病率が低かったということです。それで、ドコサヘキサエン酸の摂取は気分障害に有効だと考えられます。ドコサヘキサエン酸は魚の油、とりわけイワシ、サバ、マグロなどに多く含まれています。



Tuna by chris_harber
魚の目には気分障害に有効な成分が多く含まれている


              ビタミンB群の摂取と白砂糖を避ける


ビタミンB群の不足と、うつ病が関連していることも色々な調査研究で報告されています。それで、ビタミンB群を多く含む食事が推奨されます。ビタミンB群は、雑穀米、胚芽米、小麦胚芽、豆、グリーンピース、レバー、モロヘイヤ、春菊、ほうれん草、ブロッコリ、ナッツ、ピーナッツ、アスパラガス、アボカド、ビール酵母、バナナ、魚などに含まれています。



十六穀米、納豆、豆腐の味噌汁、ケール炒め by naotakem
納豆や雑穀米は気分障害の改善に助けになる



糖分の取り過ぎは糖の変換に必要なビタミンBの不足を引き起こし、脳や体の機能を低下させます。それで、白砂糖や白砂糖を多く含むお菓子を避けた方が賢明です。


              体内の毒素を排出する温泉療法と砂療法と薬草


一部の専門家は、近年のうつ病自律神経失調症の激増は、化学物質にさらされていることが原因である、という意見を持っています。有毒な化学物質を体内から排出することにより、うつ病の症状が改善したという例がネットに見られます。

時間湯 体験談 群馬県 三十代女性 うつ病

また、発汗は排尿よりも、何十倍も有毒な化学物質や重金属を体外に排出する上で、有効だと言われていますが、そのために砂風呂も有効だと思います。鹿児島の指宿の砂風呂や、大分別府の砂風呂など各地に砂風呂はあります。料金の安い砂風呂で長時間入るのが効果的だと思います。

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大分別府のひょうたん温泉の砂湯




Sand Baths by naotakem
砂風呂も体内の毒素を排出し気分障害を改善するかもしれない


「薬草の自然療法」という本の中で体内の毒素を出す砂療法が紹介されています。海岸や川辺の砂に2時間から8時間埋まっているという療法です。この療法だけでも、慢性病や難病に効果があるとの報告があります。


砂浴したこと、ある?


とりわけ珊瑚の砂の海岸だと短時間で毒素が排出されるそうです。海外のサンゴ砂の海岸に埋められて健康を回復することを謳ったツアーの企画もあります。


さらに、ネットでは、食物繊維を多く含む野菜やドクダミ、スギナ、オオバコなどの野草茶やはと麦などに有害物質排出効果があるとされています。
            
                     電気とハリ


電気とハリでうつ病の症状が消失するという経験もネットに見られます。

ワンダリングの果ての「うつ病」診断、薬漬けから無事改善


                気分を変える助け−光や音楽や運動


冬型の季節性うつ病(冬季にうつになるタイプ)の場合は特に、強い光(太陽光あるいは人工光)を浴びる治療法に効果が認められています。そうした光療法は、抗うつ剤よりも有効性が高いことが確認されています。また、光療法は非季節性のうつ病の治療にも有効であるという報告もあります。それで、気分障害の人は、朝日など、強い光を浴びるように心がけると助けになるかもしれません。


また、私たちの気分に大きく影響を与えることが知られているのは、音楽です。気分が落ち込む時、自分の好きな音楽を聴くという人は少なくないのです。また、音楽を演奏することは、同様の効果をもたらすでしょう。ピアノ、ギター、バイオリン、フルートなどいろいろな楽器の演奏を学んでみるのはいかがですか。


 また、適度な運動をすることも、気分障害の程度がひどくない場合は特に、効果があるでしょう。ある精神科の病院では、運動を日課として患者に課しています。卓球、テニス、バレーボール、野球、ジョギングなどの運動を適度に行なうことも助けになるでしょう。
              
                  過度のアルコール摂取を控える


アルコール依存症または過度のアルコール消費は、大幅に大うつ病の発症リスクを増加させることが知られています。それで、うつ病の人は、過度のアルコール摂取を控えるのが賢明です。


                         神の言葉からの慰め


双極性障害を患うイレインは,神との関係が錨のような支えになると感じています。イレインはこう言います。「わたしたちの愛する天の父エホバが理解してくださることは,本当に慰めとなっています。祈りで神に近づくことによって強められています。大きな思い煩いや苦痛を経験している時は,特にそうです」。(詩編 51:17)


気分障害に悩む多くの人々が、祈りのうちに神に頼ると共に、適切な治療を受け、さまざまな実際的な助けを活用することによって自分の境遇を改善できることに気づきました。

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