エレミヤ40章・預言について知っていたバビロニア人

「護衛の長はエレミヤを連れて来て、彼に言った、『あなた方の神エホバご自身がこの場所に対してこの災いを語られたのだ。すなわち、エホバがそれを実現させ、ご自分の語った通りにするためであった。それは、あなた方がエホバに対して罪をおかし、その声に従わなかったからである。それでこの事があなた方に起こったのだ。』」(エレミヤ40:2,3)


ゼデキヤ王の時にエルサレムはバビロンにより陥落しました。(エレミヤ39:2)バビロニア人がエルサレムを攻撃した時、彼らはエホバがユダとエルサレムに災いをもたらされるという預言について知っていました。それで、パピロニア人は自分たちの行動がある程度、エホバのご意志にかなっていたことを知っていました。


エルサレムが陥落した時、エレミヤはまだ監視の中庭に閉じ込められていました。(エレミヤ39:14)そして、エレミヤは流刑者のひとりとして手かせにつながれ、バビロンに連れていかれようとしました。(エレミヤ40:1)ところがバビロンの王ネブカドレザルは、護衛の長ネブザラダンに、エレミヤに目を掛けてやり、エレミヤの思い通りにさせるようにという命令を出しました。(エレミヤ39:11,12)


それで、護衛の長ネブザラダンは、人を遣わしてエレミヤを監視の中庭から連れ出しました。(エレミヤ39:13,14)そして、ネブザラダンは、エレミヤに冒頭の言葉を語りました。


ネブザラダンの言葉から、エルサレムとユダの人々がエホバに対して罪を犯していたこと、それゆえ、エホバがエルサレムとユダに災いをもたらされたことをカルデア人が認めていたことが分かります。ですから、バビロニア人は、災いを予告するエホバの預言を知っていました。


バビロニア人は、どうしてエホバの預言の言葉を知っていたのでしょうか。バビロニア人は、忠実なユダヤ人によってエホバ神とその預言について知る機会が何度もありました。まず、神に忠実なダニエルとその三人の友は、バビロンへ連れて行かれました。(列王第二 24:15。ダニエル 1:3‐6)


そのひとりダニエルはバビロンの没落の時までずっと宮廷で仕え、機会があれば、エホバとその預言についてバビロニア人に語りました。



DAN 2 - 27 The secret which the king hath demanded
ダニエルはネブカドネザル王にエホバの預言について話しました


後にゼデキヤ王が代表団をバビロンに遣わした時、エレミヤは、流刑に処せられたユダヤ人に対するエホバからの音信を記した手紙を託しました。(エレミヤ 29:1‐3)その手紙は、エルサレムに残された人々がエホバに対する不従順のゆえに剣の災いを被ることを示していました。(エレミヤ29:16-19)バビロンにいたダニエルなどの忠実な者たちは、そのエレミヤの手紙を読んで、機会があれば、バビロニア人に語ったことでしょう。


また、他の機会にもエレミヤは人を遣わしてバビロンの人々にエホバの言葉を伝えたことがありました。(エレミヤ 51:59‐64)この時にも、バビロニア人は、エホバという神がおられることについて知ったことでしょう。


それからエホヤキン王(エコニヤ)の流刑の5年目には、エゼキエルがバビロンのユダヤ人流刑者たちの間で預言者として奉仕しはじめました。(エゼキエル 1:1‐3)エゼキエルはイスラエルとユダの家のとがのゆえに、エホバの刑執行者たちにより、エルサレムの人々が滅ぼされることを預言しました。(エゼキエル9:2,5,6,8,9)エゼキエルは自分に与えられた預言をバビロニア人にも語ったかもしれません。



Ezekiel worked for God right where he was among the exiles in various colonies near the Kebar River in Babylonia, Jerusalem and its Temple lay over 500 miles away.
エゼキエルはバビロンにいたのでバビロニア人はエホバの預言について知ることになりました


ですから、バビロニア人は、エレミヤ、ダニエル、エゼキエルやまた他の忠実な者たちを通してエホバ神の預言について知る機会がありました。それで、ネブカドネザルは、エホバの預言の通りになった時、エレミヤを開放して望みどおりにさせました。


おそらく、このことは、現代の聖書の預言についても言えるようになることでしょう。緋色の野獣と諸国家が大いなるバビロンを滅ぼすことになるという聖書の預言をどの政治的実体も知ることになるのでしょう。すなわち、北の王も南の王も、荒廃をもたらす嫌悪すべきものも知ることになるでしょう。


いろいろな聖書預言の解釈はネット上に公開されていますから、さまざまな立場の政治支配者もさまざまな聖書の解釈とその聖書的根拠を調べることができます。(イザヤ52:15)


北の王は、エホバ神にある程度敬意を払うのかもしれません。(ダニエル11:38)おそらく、新しい国連と思われる荒廃をもたらす嫌悪すべきものに属することになる地の王たちも、聖書の預言について考慮することになるでしょう。(啓示18:9,10)どの政治的実体も神の民を迫害することになるでしょう。


しかし、荒廃をもたらす嫌悪すべきものと北の王の方は、大群衆が山に逃げることにある程度協力することになるかもしれません。(ダニエル11:45)結局、政治支配者はできるだけ市民が国際戦争を生き残る方が良いと考えるでしょう。エホバは聖書の真の預言についてさまざまな方法で政治支配者たちが知ることができるように取り計らわれるでしょう。

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