エゼキエル38章・末の年のイスラエルの山々に対する攻撃

「メシェクとトバルの長の頭であるゴグよ。・・・あなたは、末の年に剣から連れ戻され、多くの民の中から集められた民の地に来て、ずっと荒れ廃れたところとなっていたイスラエルの山々に上る。それはもろもろの民の中から連れ出された地であって、彼らは皆そこに安らかに住んでいた。」(エゼキエル38:3,8)


エゼキエル38,39章では、末の年に、マゴク゛の地のゴグがおびただしい数の民を率いて、イスラエルの山々に住んでいる民を攻撃することが預言されています。(エゼキエル39:1,2)このことは、昔バビロンから故国のイスラエルの都市に戻った人々には、起こりませんでした。これは、「末の年」に起こると予告されているのですから、事物の体制の終わりの時に生ずる出来事でしょう。これは、何を予告しているのでしょうか。


その時、イスラエルの山々には、「多くの民の中から集められた民」が安らかに住んでいます。(エゼキエル38:3,8)聖書は、あらゆる国籍の人々が、文字通りのイスラエルの山々に住むようになるとは言ってはいません。でも、大患難の前にあらゆる国籍の膨大な数の人々が世界各地の山に住むようになることは予想できます。なぜなら、大患難の前に、イエスは、あらゆる国籍の人々に山に逃れるようにと助言しているからです。(マタイ24:15,16)そして、聖書は大患難を生き残る人々の数が数え尽くすことができない程の人数になると述べています。(啓示7:9,14)それらの人々は、大患難の時に、剣を取って戦わないので、「剣から連れ戻され」たと言えるでしょう。(エゼキエル38:8。マタイ26:52。イザヤ2:4)


ですから、大患難の前に、イエスの助言に従って全世界の山間部に住居を移したクリスチャンのコミュニティが数多く存在することになるでしょう。それらの人々の多くは、大患難の後も山間部に住み続けるでしょう。エゼキエルの預言は、それらのクリスチャンのコミュニティに対する総攻撃が行われることを預言しているようです。


聖書のある訳の「ゴグ」は別の訳では「アガグ」となっています。(民数記24:7)ペルシャ帝国の時代に首相であった「アガグ人」ハマンは神の民であるイスラエル人を攻撃して全滅させることを企てました。(エステル3:1,6)このことから、ゴグは、神の民を攻撃して全滅させることを企てる政治指導者を表していると考えられます。


マゴク゛の地のゴグ、すなわち大勢の諸国民の軍勢を率いるある政治指導者は「有害な企てを考え出す」ことが予告されています。彼は、「無防備の田園の地に攻め上る」ことを考えます。(エゼキエル38:10)ですから、彼は拠点を山に移した神の民を全滅させようという企てを考え出すようです。山に拠点を移したクリスチャンのコミュニティは、全世界で、諸国民の軍事的攻撃を受け、その存続が脅かされることになります。



Village of Siat, Switzerland, with view on the Rhine by Ramon Cahenzli
大患難の前にクリスチャンはイエスの助言に従って山に逃げる

"Hell Fighters" from Harlem by The National Guard
北の王は山のクリスチャンのコミュニティに総攻撃をしかける
写真はイメージです



その時、「諸国民は、わたしがイスラエルの聖なる者、エホバであることを知らなければならなくな(ります)。」(エゼキエル39:7)すなわち、「だれも数えつくすことのできない大群衆」が山に移動して大患難を生き延びるように導いたのが聖書の神エホバであり、エホバがそれらの国際的なコミュニティを擁護しておられることを諸国民は知ることになります。


マゴク゛の地のゴグによる攻撃はエホバの激怒を引き起こします。(エゼキエル38:18)エホバは事態に介入され、ゴグの軍勢は互いに同士討ちをすることになります。(エゼキエル38:21)また、エホバは、ゴグと共にいる多くの群衆を、疫病、大雨、雹、火と硫黄などの自然界の脅威を用いて裁くことが予告されています。(エゼキエル38:22)また、聖書はイエスが霊者となった14万4千人を用いて神の民に患難をもたらす人々を裁かれることも述べています。(テサロニケ第二1:7,8。啓示19:15)ゴグの軍勢は全滅し、エホバは楽園への道を開かれます。


また、ダニエル11章にも、ゴグによる神の民に対する総攻撃を示唆する記述があります。南の王に総攻撃をしかけた後、北の王が「滅ぼし尽くすため、多くの者を滅びのためにささげようとして出て行く」ことが預言されています。(ダニエル11:44)北の王は、「聖なる飾りの山」と「壮大な海」とを天幕を設けて区別することが予告されています。ですから、北の王は、「壮大な海」つまり一般人類を代表して、「聖なる飾りの山」つまり山に拠点を移したクリスチャンたちに総攻撃をしかけるのでしょう。しかし、北の王は結果として「自分の終わりに至る」ことが予告されています。(ダニエル11:45) 南の王が滅びた後は、北の王しか残っていないのですから、北の王が「終わりに至る」というのは、北の王が神によって滅ぼされること、すなわちこの世の終わりを意味するでしょう。


エホバ神から最後までサポートしていただけるのは、何という特権でしょう。それは、クリスチャンが比ゆ的なダビデ、すなわちイエス・キリストの天的な王権の支配に服しているからです。(エゼキエル37:24,25)これからも、イエスの助言に注意を払ってそれらを研究し、それらを守り行っていきましょう。


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