詩編110編　新共同訳・イエスは霊者として復活される

「ダビデの詩。賛歌。わが主に賜った主の御言葉。『わたしの右の座に就くがよい。わたしはあなたの敵をあなたの足台としよう。』」（詩編110：1新共同訳）

あるキリスト教の宗派は、イエスが殺された後、人間として復活されたと教えています。しかし、聖書を調べるとイエスが人間として復活されたのではなく、不滅の霊者になられたことが分かります。聖書はそのことをどのように述べているでしょうか。調べてみましょう。

イエスの天への復活を確証している聖句のひとつがダビデの書いた詩編110編にあります。ダビデは、冒頭の聖句にあるように、「わが主」に対する預言を語っています。西暦33年のエルサレムでの五旬祭の時、ペトロがこの詩篇110編1節の言葉を引用しました。ペテロは、神がダビデの主に、『わたしの右の座に着け。わたしがあなたの敵をあなたの足台にするときまで。』と語ったと述べています。（使徒2：31，34，35）ダビデはキリストの復活を予見して語っていました。

それで、イエスは死んだ後に復活して、神の右の座に着きました。（ヨハネ4：24。申命記26：15）ですから、イエスは神がおられる天に復活されたことが分かります。

そして、イエスは神の近くに行かれた時、人間であることはできませんでした。なぜなら、人間の肉体は神に直接会うなら死んでしまうからです。神はモーセに「あなたはわたしの顔を見ることはできない。人はわたしを見て、なお生きていることはできないからである」と言われました。（出エジプト33：22）神は、測り知れないエネルギーを持たれる方ですから、神と直接会うと肉体の人間は滅びてしまいます。

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測り知れないエネルギーを持つエホバ神を直接見ると人間は滅びます

他にも聖書は、イエスが肉の人間としては死に、霊者として復活されたことを確証しています。「キリストは、肉では死に渡されましたが、霊では生きる者とされた」と述べられています。（ペトロ第一3：18）これは、イエスの体が肉と霊から成り立っていて、イエスの肉体の体が死んで霊が残ったということではありません。天では、肉体の体では存在できないからです。

聖書は、神の王国に入るのは、「土からできた者たち」ではなく、「天に属する者たち」であると述べており、「肉と血は神の国を受け継ぐことができ（ない）」と述べています。そして、神の王国に入る者が不滅になると述べています。（コリント第一15：42，48，50)ですから、エホバは、イエスが人間として死んだ後、不滅の霊者としての体を創造されてイエスに与えられました。そして、その体にイエスの生前の記憶と経験と人格を植え込まれました。（コリント第一15：36，38）それで、復活されたのは、確かにイエスご自身でした。

イエスは復活後、弟子たちに現れましたが、それはイエスが肉体の体で復活されたことを意味しません。イエスは、弟子たちがご自分の復活を識別できるように、肉体をつけて現れました。それは、昔、御使いたちが人間の前に現れた時、化肉して肉体の体をもって現れたのと同じです。御使いたちが人間の体をつけて現れても、人間ではなく、霊者であるように、復活されたイエスも、霊者です。（詩篇104：4。ヘブライ1：7）復活したイエスは、人間ではなく、人間の体に化肉して弟子たちの前に現われたのです。

イエスは大勢の弟子たちの前で昇天されました。イエスは霊者として復活されたので、いつまでも地上で弟子たちと交わり続けることはできませんでした。イエスが昇天されたことも、イエスが人間ではなく、不滅の霊者として復活されたことを示しています。

Jesus Ascension to Heaven 34 by Waiting For The Word
イエスが昇天されたことは彼が霊者として復活されたことを示す

イエスが不滅の霊者として復活されたことは、他の人々が復活させられることを保証しています。（コリント第一15：13。使徒17：31)エホバから天への召しを受けた聖なる者たちは、イエスと同じように不滅の霊者として復活させられます。（啓示20：4，5)また、今までに死んだ人々、また今から事物の体制の終わりまで死ぬ人々が正しい者も正しくない者もこの地上に復活させられます。（使徒24：15)

聖書の中には、イエスを初めとして九人の人が復活させられたことを記録しています。その中には、三人の子供と二人の若者も含まれています。このことは、復活が将来、確実に起こるということを証明しています。戦争で死んだ人も、地震、津波などの災害で死んだ人も将来よみがえるでしょう。

Japanese tomb, cemetery, gravestone　by ivva
聖書は墓に眠る人々が将来地上に復活することを約束している