ホセア8章・イスラエルはエホバと称して子牛を崇拝する

「彼らはわたしに向かって『我が神よ、我々イスラエルはあなたを知っています』と叫びつづけている。・・・サマリアよ、あなたの子牛は捨て去られた。わたしの怒りは彼らに対して激しく燃えた。」（ホセア8：2，5）

イスラエルの十部族王国は、エホバを知っており崇拝していると主張しました。しかしな、イスラエルは、実際には「銀と金をもって」「偶像を作った」と述べられています。（ホセア8：4)イスラエルは、金の子牛を造ってそれをエホバと称して崇拝していました。（ホセア8：1，2）それは実際には偶像崇拝でした。

エホバは十戒の中で、ご自分を偶像を通して崇拝することを禁じておられました。（出エジプト20：4，5）今日の私たちは、昔のイスラエルの行なった自己欺瞞からどのようなことを学べるでしょうか。

イスラエルの人々は、自分たちがエホバによってエジプトから救い出されたことを知っており、エホバを崇拝したいという願いを持っていました。しかし、イスラエル人は、エジプトを脱出してすぐにシナイ山でエホバと称して金の子牛の偶像を崇拝しました。

When Moses saw the golden calf and the people worshipping it, he was so angry that he threw down the tablets with the Ten Commendments (Exodus 32:19)
イスラエルの人々はエジプトから救出されてすぐにエホバと称して子牛崇拝を始めた

イスラエル十部族王国の最初の王ヤラベアムは、同じ事を行ないました。金の子牛をイスラエルの都市ダンとベテルにひとつずつ設置しました。そして、彼は自分につかせるために、自分の臣民に、その子牛はイスラエル人をエジプトの地から導き出した神を表わしていると告げました。（列王第一 12:26‐30）ヤラベアムは巧妙に人々の願いを変質させて、背教させ、エホバ神として偶像を崇拝させるように仕向けました。

Israelites worshiping the golden calf.（goldencalf1)

ヤラベアムはエホバと称する金の子牛崇拝を始めた

Tell el-Qadi is generally identified as the site of ancient Dan, the northernmost city of Bible times.(dan1)
ダンの跡地−ヤラベアムはここで金の子牛崇拝を始めた

Twelve miles northwest of Jerusalem, on the border of Samaria and Judea, is a little Arab village named Beitin, sometimes called Beit El. Nearby is the site of ancient Bethel.(bethel1)
金の子牛崇拝が行なわれたサマリアとユダの境界にあるベテルの跡地

そのため、イスラエル十部族王国の中では、エホバへの崇拝として、イスラエルの歴代の王が、子牛崇拝を続けました。（列王第二15：17，18，27，28）

預言者ホセアは、その子牛の偶像が、アッシリアの王への贈り物となり、子牛崇拝のための場所が滅ぼし尽くされ、イスラエル十部族王国が滅ぼされる結果になると予告しました。（ホセア8：4，5，6；10：5-8）予告された通り、北のイスラエルは西暦前740年ホシェア王の時滅ぼされ、人々はアッシリアに流刑にされました。（列王第二15：29；17：6，22；18：9-11）

このことは、現代の私たちにとって教訓となります。エホバを崇拝すると唱えながら、実際は自国や自国の軍事力や、他の政治組織などを崇拝してエホバと自分を欺こうとしたとしても、少しもエホバの保護をもたらすものとはならないという教訓です。

大いなるバビロンは、聖書の神を崇拝すると唱えながら、実際は、自国を崇拝し、自国の軍事力に頼っています。（啓示17：5）それによって大いなるバビロンは、聖書の神を崇拝していると思い込み、自己欺瞞に陥っています。しかし、それは実際には聖書の神に対する崇拝からの背教です。

20130308-FNS-LSC-0053　by USDAgov(pledgeallegiance1)

大いなるバビロンでは国家に対する忠誠の誓いが広く行なわれている

自国の良いところを認めるのは間違っていません。また、国家が「馬」、「兵士」、「軍勢」を持ったり、戦いをすることを必ずしも否定はしていません。（箴言21：31。テモテ第一2：4。ルカ14：31)しかしながら、聖書は理由のない流血を非としています。（イザヤ1：15)また、クリスチャンの場合は、武器をとって戦うことを非としています。(マタイ26：52）

聖書は、現在神が国家の存在を認めておられることを示しています。（ローマ13：1，2)ですから、クリスチャンが、神の律法に反さない限り、国家の政府に従うのは正しいことです。しかし、国家に盲従して殺人をすることによって祖国を崇拝するのは間違っています。

正しく聖書の神を崇拝するためには、国家に対する崇拝から離れる必要があります。国家に対する崇拝は昔のイスラエルの子牛崇拝と同じです。エホバを崇拝すると考えながら、実際には、国家もしくは国家の指導者に対する偶像崇拝をするのは聖書的に正しくありません。そうするなら、それによって、聖書の神の怒りを買い、最終的には、自らの滅びを招くことになるでしょう。（啓示17：16）表面的に聖書の神を崇拝していても、何の保護にもならないでしょう。

Bundesarchiv, Bild 137-004055 / CC-BY-SA
オーストリア併合後にウィーン市内をパレードするヒトラー（1938年10月）（hitler)
ヒットラー崇拝−国家の指導者に対する崇拝は非とされている

聖書は、エホバ神以外のすべてのもの、政府であれ、軍事力であれ、政治指導者であれ、有能な人々の集団であれ、個人であれ、死んだ英雄であれ、いっさいの偶像崇拝を非としています。（マタイ4：10。出エジプト20：4，5)エホバ以外のすべてのものをエホバとみなして崇拝するのは間違っています。このことは、南の王の国の人々だけでなく、どこの国に住んでいてもエホバから求められていることです。

Portrait of Hideki Tojo(tojo)

東条英機−第四十代内閣総理大臣・陸軍大臣・参謀総長を兼任した
死んだ英雄を崇拝するのは間違っている

また、将来神の民は、欺かれて「北の王」や「荒廃をもたらす嫌悪すべきもの」に対する崇拝に屈してしまうのかもしれません。(ダニエル8：25；11：32，35)神の民は、それら政治組織に完全に従うことが、エホバへの崇拝であると思い込むという自己欺瞞に陥るのかもしれません。それで、エホバへの崇拝と称して、政治組織に対する崇拝に陥るという自己欺瞞に気をつける必要があります。

Venture HYOGO 2009　by Hyougushi（raisenationalflag)
国家や政治組織に対する崇拝をしながら神を崇拝できない

エホバを崇拝したいと願う人々は、各自、エホバに祈り、エホバの言葉聖書に絶対的に従う必要があります。私たちは、毎日、聖書に精通するように努め、慎重に聖書の言葉に従って、エホバ神ただおひとりを崇拝するように努力を払いましょう。

Prayer: Mother and Daughter by bigbirdz(prayer37)
各自エホバに絶えず祈ってください

Gutenberg Bible - detail from the New Testament by National Library of Scotland (bible1)

毎日聖書を読み聖書に従ってください

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