マタイ13章・イエスの小麦と雑草の例え話

「りっぱな種をまく者は人の子です。畑は世界です。りっぱな種、それは王国の子たちです。それに対し、雑草は邪悪な者の子たちであり、刈り取る者はみ使いたちです。それゆえ、雑草が集められて火で焼かれるのと同じように、事物の体制の終結のときにもそのようになります。」(マタイ13:37-39)


エスが話された神の王国について説明するための例え話のひとつに小麦と雑草の例え話があります。(マタイ13::24-30)この例え話には、どのような意味があるのでしょうか。どのように成就するのでしょうか。


エスの例えによると、天の王国は、ある人が自分の畑にりっぱな小麦の種をまいた人のようになりました。その人の敵が雑草もまき足しました。でも、家あるじは収穫まで小麦も雑草も一緒に成長させておきました。家あるじは収穫の季節になると、奴隷にまず雑草を集めて焼いてしまうために束にするようにと言いました。それから、小麦を倉に集めるようにと言いました。(マタイ13:24-30)


エスの説明によると、小麦の種をまいた人は、「人の子」つまりイエス・キリストです。(マタイ8:20;13:37)「奴隷」また「刈り取る者」は「み使いたち」です。雑草の種をまいた敵は悪魔で、雑草とは邪悪な者つまり悪魔の子たちです。収穫は事物の体制の終結です。(マタイ13:39)「事物の体制の終結」という語は、マタイによる書にだけ現れますが、イエスが王として「臨在」される世の終わりが近い時代を表しています。(マタイ24:3)



The sower by Boston Public Library
エスは種まき人として王国の子たちである小麦の種をまきました

エスは、「畑」は「世界」だと言われました。(マタイ13:38)ですから、この例え話は世界的なスケールで成就します。またこの例え話の成就は、イエスが地上に来られて王国の良いたよりを宣べ伝えた一世紀から「事物の体制の終結」の時にまで及びます。(マタイ13:39)エスがまいたのが「小麦」であり、後になって「雑草」が生えてきたのですから、イエスが直接宣べ伝えた初期の弟子たちや、イエスが改宗に関わったパウロなどは「りっぱな種」また「小麦」級であることが分かります。(マタイ13:29,38)ですから、エホバやイエスが望んでおられる真の崇拝の方式は、初期クリスチャンが行っていることが分かります。イエスは、地上におられた時、「今」真の崇拝者がエホバを崇拝していると言われたことからも、初期クリスチャンが私たちが見倣うべき真の崇拝の型であることが分かります。(ヨハネ4:23,24)


「邪悪な者」つまり悪魔の子であるとイエスが最初に言われたのが、昔の預言者たちとイエスと初期クリスチャンを迫害して殺したユダヤ教の宗教指導者たちでした。彼らに対して、「蛇よ、まむしらの子孫よ」とイエスは言われました。(マタイ23:29-34)結果として一世紀には、ユダヤ教の宗教指導者の含まれた国家であるエルサレムユダヤが滅ぼされる結果になりました。


エスや初期クリスチャンが、王国の良いたよりを宣べ伝えることにより、「王国の子たち」つまり天的な希望を持つクリスチャンが集められました。しかし、イエスは「雑草」も現れることを予告されていました。(マタイ13:38) 聖書は背教が起こることを予告し、また偽預言者や偽教師が現れることを予告していました。(テサロニケ第二2:3。ペテロ第二2:1)




Wheat close up 1 by Wheat initiative(wheat)
最初に小麦・王国の子たちつまり神の王国に入る希望が与えられるクリスチャンが集められます



Fences by Peej's Photos(weed)
エスが予告された通り雑草つまり背教した偽りのクリスチャンも現れました


小麦と雑草は似ています。ですから、雑草とは聖書の真理から離れた自称クリスチャンです。イエスの説明によると、雑草が現れるのは悪魔サタンの活動の現われでした。ですから、初期クリスチャンの教理や崇拝の方式から離れた後代に登場した自称キリスト教には気をつける必要があります。とりわけ、真のクリスチャンを迫害して殺す自称クリスチャンは、「悪魔の子供」と言えます。(ヨハネ第一3:10-12)小麦を一緒に根こぎにしないために、真のクリスチャンと自称クリスチャンがそのまま混在して成長するにまかされました。(マタイ13:29,30)


しかし、事物の体制の終結の時には、事態の変転が起こることをイエスは予告されました。背教した自称クリスチャンはまとめて滅ぼされてしまいます。(マタイ13:40)そして、義人たちは、王国で太陽のように明るく輝きます。(マタイ13:43) つまり、小麦と雑草の徹底的な分離が行なわれるということです。(マタイ13:30,41-43)


義人たちが太陽のように輝くとは何を意味するのでしょうか。ダニエル書は終わりの時に「洞察力のある者」が人々に理解を分かち与え、「星のように輝く」ことが予告されていました。(ダニエル12:3,4)終わりの時には複数の聖書研究者が聖書研究により、聖書の意味の解明に挑み、多くの聖書預言の意味を解明し、それを人々に分かち与えることにより、輝くのでしょう。聖書の研究の結果は、人々に「義」と「いやし」をもたらすでしょう。(マラキ4:2)



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天的希望を持つクリスチャンが聖書の意味を解明してそれを人々に分かつことにより太陽のように輝きます


エスの説明によると、雑草は「火の燃える炉」に投げ込まれ、そこで彼らは「泣き悲しんだり歯ぎしりしたり」します。(マタイ13:42)これは、「雑草」級が「王国の子」として選ばれていないことを指摘されて、精神的に苦しむことも表しているでしょう。(マタイ22:13,14。使徒7:54)しかし、雑草が火の燃える炉に投げ込まれるとは、文字通りに「雑草」級のクリスチャン「悪を行なう者」が滅ぼされてしまうことも示しているでしょう。(マラキ4:1)
(マタイ13:43)


聖書は事物の体制の終結の時に、大いなるバビロンが滅ぼされてしまうことを予告していました。(啓示17:16)エホバの証人は、滅ぼされる大いなるバビロンは、さまざまな偽りの宗教の組織だと解釈しています。一方、私は、大いなるバビロンとは自称クリスチャンが集まった国アメリカであると解釈しています。ウィキペディアによると、アメリカはその約80%がキリスト教を信じています。



CNXT0038_1 - Cub Scout Activities of the Peru Ward of the Church of Jesus Christ of Latter-day Saints (Mormons) by bterrycompton (usflagandchurch)
アメリカ発のモルモン教の教会の中には国旗が見られ国家の崇拝がアメリカのキリスト教会の中に入り込んでいることを示している


BEST of SHOW March 2010 - Oregon Society of Artists - Field Burning by rabbits on chairs(burning)
エスは雑草がまとめて焼かれることを予告され啓示の預言は大いなるバビロンが滅ぼされることを預言している


もし、自称キリスト教の国アメリカが国内でまた海外で聖書の預言を伝える真のクリスチャンを迫害して殺害するとしたらどうでしょうか。そして、真のクリスチャンがその国から離れ、同時に真のクリスチャンがその国の中では殺害されていなくなるならどうでしょうか。偽りのクリスチャンだけがその国に残ることになるでしょう。(啓示17:6;18:4)そして、その自称キリスト教の国が滅ぼされるとしたら、雑草がまとめて滅ぼされてしまうということになるのではないでしょうか。


聖書は、大いなるバビロンに属している神の民に、「彼女から出なさい」と勧めています。(啓示18:4)神の民が大いなるバビロンから出ることによって、「小麦」クラスすなわち「王国の子」と「雑草」のような自称クリスチャンとの分離が進むことになります。大いなるバビロンに生活しているクリスチャンは、そこから出ることにより、前途にある災いを避けることができます。



Delta Air Lines Boeing 767-300; N1501P@ZRH;15.06.2012/656az by Aero Icarus(ustakeoff)
雑草がまとめて焼かれる前に大いなるバビロンから出ることが必要です


そして、イエスは雑草が束にされてから、小麦が収穫されて倉に集められると言われました。(マタイ13:30)真のクリスチャンは、イエスの助言に従って山に逃れ、そこでコミュニティを結成し、真のキリスト教を実践するよう努めることでしょう。(マタイ24:16)啓示の書の預言も、大患難の前にまず「王国の子たち」、すなわち天的希望が与えられる14万4000人が集められることを予告していました。(啓示7:1-4;14:1,3)そして、その後に数え切れない程数の多い大群衆すなわち地的な希望を持つクリスチャンが集められることになっています。(啓示7:9,13,14)


迫害によって命を失うクリスチャンもいるかもしれませんが、聖書はどちらの希望を持つクリスチャンもその多くが、大患難、大いなるバビロンの滅びを生き残ることを示しているようです。そして、大患難の後も、聖書の研究は進み証しの業が行なわれさらに大群衆の収穫が行なわれるでしょう。(啓示19:1,2)


私たちは聖書の研究に励み、明らかになった聖書の真理を生活に当てはめるように努力し、天的希望であれ地的希望であれ、エホバに是認されるように努力しましょう。


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