原発の安全性−正常運転による低レベル放射能も害を及ぼす

多くの国家はエネルギーの供給のために原発に頼っています。原発は、原爆と同じ原理でエネルギーを生産します。また、原発で生産した材料で核兵器は作られます。原発に依存するのは賢明なことですか。原発は安全ですか。調べてみましょう。


原発が安全ではない理由のひとつは通常運転でも、低レベルの有害な放射能が出ているからです。原発作業員の話によると、原発の排気塔から日常的に、微量の放射能が排出され続けています。また、原発の熱を冷やすために使われる冷水は海に捨てられたり、地下水を汚染します。これは放射性排水で、毎秒数10トンも排出されているということです。


さらに、低レベルの放射能でも、長期に被爆すれば、高レベルの放射能と同じかそれ以上の有害な結果をもたらします。また、胎児や幼児は、大人が大丈夫な放射性物質量の百分の一の量でも悪影響を受け、癌の発生率が高くなります。また、放射性物質は、ガンだけでなく、白血病や糖尿病や奇形や精神障害などあらゆる病気を引き起こします。


住む場所が原発に近ければ近いほど、白血病の発生率が高くなるというデータがあります。2008年に公表されたドイツの放射線保護庁が実施した研究はそのことを示しています。その調査は、ドイツ全土における小児癌の事例の約95%のデータベースに基づいています。それによると、原発5キロ圏内では、子供の41%が白血病にかかりましたが、5キロ圏外では、25%が白血病にかかりました。ですから、住まいが原発 に近ければ近いほど、子供が白血病にかかりやすくなります。


子供たちに対する低放射線量被曝リスクについて(KiKK研究の分析結果の概要)
ドイツの原発周辺で小児白血病の発症率が高いと報告された





Nuclear Power Plant Michigan City by Paul J Everett(nuclearpowerplant2)
原発の正常運転で放射能が放出されるのでドイツの調査によると原発に近ければ近いほど白血病の発生率が高くなります



原発からはほぼ例外なく放射能が放出されており、周辺住民は被ばくしているということです。だから、原発が増えると癌患者が増加すると言えるのです。


アメリカの放射線の専門家によると、1900年代の前半は、日本でがんはあまりありませんでした。しかし、戦後ガンの死亡が増え始めた原因は、日本に原爆が落とされ、アメリカ製の原発が導入されたためだと言われています。そして、データによると、2009年のがん死亡者数は、1975年の約2.5倍で増え続けています。ですから、諸外国の核実験の影響と原発の数が増えたことにより、その通常運転によって放出される放射能が影響していると考えられます。


さらに、今は放射線のレベルが、原発の稼動のために、核実験中よりも高くなっていることを示すデータもあります。放射線の専門家ローレン・モレ博士は、放射線公共衛生プロジェクト(RPHP)と共同で、米国、英国、日本の原発100マイル(160km)圏内に住む子どもたちから6000以上の乳歯を採集し、原子力発電所の汚染のために放射線レベルは現在の方が大気核実験中よりも高いことを発見しました。


放射線汚染地域から子どもたちの疎開を求める20 11年6月24日ローレン・モレの声明


長期にわたる低レベルの放射能が人の健康に有害な影響を与えることを示すデータや調査はたくさんあります。カナダの医師ペカトウがカナダ原子力公社ホワイトシェル研究所で牛の脳細胞を用いた実験で、放射線の照射時間を長く延ばせば延ばすほど、少ない放射線量で細胞膜を破壊できることを確かめました。


ペトカウ効果



さらにスイスの科学者ラルフ・グロイブ(Ralph Graeub)は、1985年でペカトウ効果を支持する本を著わしました。彼の研究によると、放射線によって活性酸素が生じます。活性酸素は、過酸化脂質を生じさせ、細胞を損ないます。


彼によると、低線量の方が放射線の影響が急激に高まります。この作用は、活性酸素を消去する作用のある酵素スーパーオキシドディスムターゼ(SOD)を投入すると減少することから、放射線による活性酸素が身体に有害な影響をもたらしていることを証明しています。


活性酸素は、今日ではあらゆる病気の原因だと考える科学者がいます。活性酸素により、癌・動脈硬化症・心臓病・脳梗塞を含む多くの病気や老化が引き起こされます。ですから、放射線があらゆる病気を引き起こし、人の老化を早めます。


2005年のUS Academyの論文によると、『どんな微量の放射能でも、必ず何らかのダメージを与えている。無害ということなどない』と書かれています。『微量なら健康に良い』とか、『一定値以下なら安全』と信じられていたことも、全くの間違いだとも言っています。


低線量被曝は高線量被曝より癌化の確率が高まる


Journal of American Medical Associationの発表によると、妊婦が歯科医でX線を数回受けただけでも、それが早産につながる確率が数割高くなることが分かっています。そうして生まれた未熟児は、X線のせいで脳の発達が損なわれ、集中力が欠如したり、自閉症になる可能性もあります。ですから、微量の放射能でも、とりわけ子供には、生涯大きなダメージを与える可能性が高いです。



Baby by M Glasgow (baby4)
幼児は大人よりも放射能に弱く微量の放射能精神障害を抱えることがあります


低レベルの放射性物質でも有害な影響を与えるひとつの理由は、それが体内に蓄積していくからです。アメリカの放射線の専門家が、放射性物質の種類によって、あるものは甲状腺に、別のものは歯に、また別のものはすい臓に蓄積すると述べています。


放射性ヨウ素は、甲状腺に蓄積され、ガンを引き起こします。放射性ストロンチウムは骨に蓄積し、白血病を引き起こします。また、それは免疫を激しく低下させ、肺炎やさまざまな感染が起きやすくなります。また、脳に入り込み、神経にダメージを与え、特に子供の脳の発達を阻害します。また放射性イットリウムはすい臓に蓄積され、糖尿病を引き起こします。ですから、放射能はガンや白血病だけでなく、あらゆる種類の病気を引き起こします。


低線量の放射線が人々の健康に有害な影響を与えることをデータや調査により示しているひとりがアメリカの放射線の専門家のアーネスト・スターングラス博士です。


また、ECRR機構(European Commission on Radiation Risk) のクリス・バズビー (Chris Busbyイギリス)は、原子力発電所のリスクについて過去50年の様々な論文を洗い直した結果、彼と同じ結論に達しました。原子爆弾のような強い放射線を短期間浴びるよりも、低レベルの放射能を長期間浴びる方が少ない量の放射性物質で体にダメージを与えるということです。


また、あるサイトによると、日本の地下水から放射能が検出される地域は、原発のある地域と一致しているということです。ですから、原発から放射能が漏れ出ていて、地下水を汚染していることが考えられます。


本邦初公開!?:日本の地下水源から出る放射能分布地図発見!


原発を稼動するだけで、国民に有害な影響があります。それで、エネルギー政策を推進する政策立案者の方々に、原発に依存してこれ以上、国民に有害な影響を増し加えるのではなく、再生可能エネルギーに移行するという賢明な行動をとられるようにお願い致します。