核実験は自国の国民の命を奪いますか・中国

 


中国政府は1964年以降1996年まで、32年間、46回におよぶ核実験を行ったと公式発表しています。新疆(しんきょう)ウイグル自治区Xinjiang Uygur Autonomous Region・ロプノールLop Norが核実験場として使われました。23回が大気圏内核実験で、22回が地下核実験で、1967年には水爆実験が行なわれました。



ロプノールの衛星画像 中央下の耳のような形がロプノールの干上がった湖床。画面左下ないし下方が北。(lopnur1)
ロプノールはかって湖でしたが干上がっています。
Desert Lop Nur, Xinjiang, China: Satellite picture of the Helix of the former sea Lop Nur.




中国がかつて実施した最大規模の核実験は4メガトンに達し、旧ソ連の核実験を10倍上回る威力でした。実験により有害な放射能のある「核の砂」が大量に落下し、放射線汚染の影響を受けた面積は東京都の136倍に相当しました。


中国共産党の内部極秘資料によると、75万人の死者が出たということです。そのうちロプノールでの核実験は、広島の原爆の約1,250発分に相当するといわれています。


中国政府は、公式には核実験による健康被害はなかったとしていますが、日本の核防護学者高田純札幌医科大学教授による2002年8月以降の調査によると、中国のウイグル地区の核実験によって、ウイグル人を中心に19万人が急死しました。


また、急性放射線障害などの健康被害者は129万人、そのうち甲状腺がんは1万3000人以上、白血病が3700人以上、死産や奇形などの胎児への影響が3万5000人以上に達します。


博士によれば、中国では、被災したウイグル人への医療ケアも施されずに、広島原爆被害の4倍を超える被害者を出しているということです。被害はシルクロード周辺を訪れた日本人観光客27万人にも及んでいる恐れがあり、影響調査が必要であると教授は述べています。


中国の核実験地から1000キロあまり離れたカザフスタンのジャルケントやマカンチも、癌の発生率が非常に高くなりました。ですから、核実験の放射能は、おそらく何千キロにもわたって影響したことでしょう。ですから、中国の核実験による健康被害は従来考えられているよりも、広範に及んでいる可能性があります。


イギリスBBCによるシルクロードの被害の報告


中国による同地区核実験についてはイギリスBBCが1998年8月に隠し撮りによるドキュメンタリー「死のシルクロード」(27分)を報道しています。それは、youtubeになっているので、誰でも見て調べることができます。


ウイグル】中国の核実験 潜入調査その1【シルクロード


核実験が行われたシルクロードウイグル地区では、癌の発生率は他の地域より高くなっています。また、白血病の発生、口蓋裂や歩くことも話すこともできない障害児などの先天的な奇形で苦しむ人々の割合が他の地区より非常に高いのです。


地元の医師たちにとっては、核実験の影響であるということは、周知のことです。また、核実験が行われて以来、中国全土で癌の発生率が高くなってきています。


1980年10月16日、ロプノールで大気圏内核実験が行われました。1992年5月11日、威力1メガトンの地下核実験が行われました。1996年7月29日 ロプノールで地下核実験 が行われました。その後は、中国では核実験は行われていない模様ですが、今後も中国が核実験を行わないように希望します。


核実験は、確実に人々の健康を損ない、人々の命を奪います。また、中国が少数民族の住む僻地で核実験を行うならば、そこの人々は中央政府に対して不信感や反感を抱くことでしょう。是非、都会の人々も僻地の人々も平等に扱うようにお願い致します。(使徒10:34)