啓示18章・どのように大患難を生き残る地の王たちとなれるか

聖書は世界に大患難が臨むことを預言しています。そして、大患難を生き残る地の王たちがいることを預言しています。どうしたら、大患難を生き残る地の王になれるのでしょうか。


エスは、未曽有の大患難を予告されました。大患難は、「肉なる者はだれも救われない」危険のあるものです。(マタイ24:21,22)啓示17章と18章には、緋色の野獣と、十本の角で表される十人の王たちが、大娼婦大いなるバビロンを攻撃して滅ぼすことが預言されています。ダニエル書には、北の王が南の王に総攻撃をかけて滅ぼすことが予告されています。(ダニエル11:40)聖書は全体で調和しているはずですから、上記の出来事は、どちらも未曽有の大患難を表しているでしょう。


では、国家がその大患難を生き残るためには、諸国家の指導者たちはどのように行動することが賢明でしょうか


多くの国家は自国の安全のために、国連の集団安全保障、あるいは世界の一地域の集団安全保障に頼ろうとします。集団安全保障とは、侵略して武力行使する国に対して他の国家群が協力して集団的に軍事行動をとり、平和や安全を保とうとすることです。


また、国際連合に協力して小規模の軍隊を現地に派遣する国連平和維持活動に参加することが自国の安全に貢献すると考える国家もあるかもしれません。これは、成功しますか。これは、賢明なことですか。
            

                    大娼婦と緋色の野獣の実体


啓示17章と18章に登場する大娼婦の実体、また緋色の野獣と十本の角の実体は何でしょうか。緋色の野獣は、実体が移り変わります。なぜなら、緋色の野獣は、「かつていたが,今はいない。しかし底知れぬ深みからまさに上(る)」と述べられています。(啓示17:8)それで、緋色の野獣は、いったん消滅して、再び登場することになっています。


大娼婦は、地の嫌悪すべきものの母であると述べられています。(啓示17:5)地の「嫌悪すべきもの」とは、偶像です。(エゼキエル7:20) 緋色の野獣は、啓示13章の第一の野獣と同じです。(啓示13:1,3)第一の野獣は、地に住む者たちから崇拝されることになっています。(啓示13:8)それは、偶像ですから「嫌悪すべきもの」です。


偶像は、それを表す実体の代わりに、崇拝を受けます。ですから、緋色の野獣は、最初に大娼婦によって作られた諸国家群の偶像です。


ところで、アメリカが中心となって国際連合を設立しました。まず、1941年アメリカのフランクリン・ルーズベルト大統領とイギリスの首相が会談し、国際連盟に代わる国際平和機構を提唱しました。また、アメリ国務省が、1943年に「国際連合憲章草案」を完成させました。


そして、1945年連合国50か国の代表がアメリカのサンフランシスコで会議を開き国際連合を設立させました。ですから、アメリカは確かに国際連合の母となっています。ですから、嫌悪すべきものの母、大娼婦はアメリカということになります。また、最初の緋色の野獣、最初の嫌悪すべきものは、国際連合です。この点は、エホバの証人もそのように解釈しています。




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国連はアメリカによって設立された最初の緋色の野獣です




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アメリカのルーズベルト大統領が国連を提唱してアメリカのサンフランシスコで国連が設立されました



そして、緋色の野獣はいったん消滅して、再登場します。ダニエル書は、北の王が嫌悪すべきものを据える事を予告しています。(ダニエル11:31)ですから、国際連合はおそらく何らかの戦争が原因となって消滅し、北の王が国際連合に代わる新しい国際組織を提唱して設立することでしょう。


しかし、啓示17章5節には、大いなるバビロンは「嫌悪すべきものの母」と言われているのですから、二番目に登場する国際組織の設立に、北の王だけでなく、ある程度南の王も関与するでしょう。


                   緋色の野獣の七人の王


緋色の野獣は、七つの頭と十本の角を持っています。緋色の野獣の上に、大娼婦が座っています。(啓示17:3)「七つの頭」は「七つの山」を表わしています。その七つの山の上に女が座っています。(啓示17:9)そして、七つの山は、「七人の王」を表しているようです。(啓示17:10)山は、イザヤ2章によると、国家や組織を表しています。(イザヤ2:1,2)


啓示の書の中で、「七」とは全体を表す数です。例えば、主の日に存在する全地のクリスチャン会衆が七つの会衆と言われています。(啓示2:10,11)当然、全世界に存在する会衆は七つではありません。七つの会衆はすべての会衆を表しています。ですから、七人の王とは、実際の数ではなく、国際連合に加盟している諸国家全体を表しています。


それで、七人の王は、最初の緋色の野獣、すなわち国連が存続する全期間中に大娼婦の支配を受けるすべての国家を表しています。


そして、「五人はすでに倒れ,一人は今おり,他の一人はまだ到来していない。」ことになっています。(啓示17:10)これは、今のところ、緋色の野獣、つまり現在は国連に属する諸国家、あるいは政権が移り変わっていくことを表しているのではないかと考えています。五人が倒れ、一人は将来到来すると述べられているからです。



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緋色の野獣の七人の王は最初の国連が存続する期間中に大娼婦の支配を受けるすべての国家です―それらは倒れて新しい王に移り変わっていきます



七つの頭の上に大娼婦が座っています。(啓示17:9)それで、七つの頭すなわち七人の王は、大娼婦の支配を受けています。しかし、七人の王のうち、五人もの王が倒れると記されています。ですから、七人の王は、大娼婦に従っていても、それは保護とはならず、そのうちの多くが倒れてしまいます。その原因はおそらく大娼婦にもあるでしょう。(啓示18:24)


そして、後で理由を述べますが、今いる一人の王は、大いなるバビロンではないかと考えています。確かに、大いなるバビロンは、国連を支配していますが、国連の成員でもあります。


そして、その緋色の野獣は、底知れぬ深みから上ることになっています。(啓示17:8)ですから、国連は底知れぬ深みに下る、つまり諸国民に影響を及ぼすことができない状態になることになっています。(啓示20:3)


そして、八人目の王が、再び登場する野獣と同じです。八人目の王は、七つから出ます。(啓示17:11)二度目に登場する野獣は、八人目の王であるということは、その寿命が短いことや、一つの支配権がその野獣全体を支配することを示唆しているのではないかと思います。


聖書は、国家が他の世界強国に軍事的に頼ることを「淫行」あるいは「売春」と呼んで非難しています。(エゼキエル23:5,11)ですから、国家ができるだけ存続するためには、できるだけ他の国家に軍事的に頼らない方がいいと思います。ですから、大いなるバビロンと軍事同盟のない状態は、望ましいと思います。


            大患難を生き残る淫行をした地の王たち


しかし、エゼキエル書23章の中に、他の国家と売春をした国家に関して、「あなたの魂が嫌悪の情を抱いて遠ざかった者たちを,あなたに向かって奮い立たせる。」と書かれています。(エゼキエル23:22,28)それで、国家が他の国家と淫行をする、つまり軍事同盟をいったん結んでしまった場合、その国家を嫌悪して逃れようとするなら、諸国家の攻撃を受けることをこの言葉は示唆しているかもしれません。


それで、諸国家との軍事同盟をやめようとするのは、大変大きな問題をもたらす可能性があります。しかし、聖書はとにかく国家が存続する方法として、地の王たちに、他の世界強国と共に軍事行動をしないことを求めています。


 なぜなら、大娼婦と淫行をした地の王たちは、大患難の後に、緋色の野獣による大娼婦の滅びを嘆いていることが記されています。(啓示18:9)地の王たちが、大娼婦の滅びを嘆くということは、大患難を生き残る地の王たちが南の王と良い関係にあることを示しています。地の王たちは、彼女と貿易をして、経済的な益を受けています。(啓示18:9)


 しかし、地の王たちは、大娼婦に「裁き」が到来したことを知っています。(啓示18:10)しかし、それらの地の王たちは、大患難の戦闘に加わっていません。北の王の側にも、南の王の側にも立って戦いません。「彼女の受ける責め苦を恐れるあまり、遠く離れたところに立って」いるからです。(啓示18:10)それで、地の王たちは、大患難の戦闘に加わらなかったので、生き残ることができました。


 しかし、現在、国連平和維持活動などに携わっていると大患難を生き残る地の王になることができるでしょうか。 国連平和維持活動に携わっていると、他の国々が戦争に巻き込まれた時、共にその紛争にかかわることが習慣になるでしょう。


 それが習慣になっていると、大患難という世界戦争の時に、北の王か、南の王の側に立って戦うように促されるでしょう。ですから、大患難を生き残る地の王たちになるためには、今から世界で起きる紛争に何も関与しない習慣をつけておくことが必要です。
                
                    緋色の野獣の十人の王


十本の角は、十人の王を表しています。(啓示17:12)彼らは、まだ王国を受けていないと述べられています。そして、十人の王は、緋色の野獣と共に一時の間王としての権威を受けます。(啓示17:12)ですから、十人の王は、緋色の野獣が再び登場した時に、緋色の野獣の加盟国となって権力を受ける諸国家を表しているでしょう。


 啓示17章16節によると、緋色の野獣また十本の角は、娼婦を憎み攻撃して滅ぼしてしまいます。ですから、緋色の野獣、すなわち北の王の設立する国際組織と、その組織に加わる加盟国全体は、大娼婦を憎み、大々的な軍事行動に携わることになるでしょう。ですから、十本の角は、北の王の側に立つ諸国家です。大患難の戦闘に加わらないようにするためには、十本の角にならないようにする必要があります。


 しかし、緋色の野獣に加わらないならば、売り買いできない、つまり緋色の野獣に属する諸国家と貿易ができないのではないかと思います。(啓示13:17)それで、緋色の野獣に加わらないというのは、非常に難しいことだと思います。


 私は、南の王が北の王との戦争に最初に敗北した後、驚くべき回復を遂げて、二度目の両者の戦闘において、南の王が勝利することになると思います。北の王は、その南の王を讃えて、国連に代わる国際組織を立ち上げるのではないかと考えました。


 それは、啓示13章にある緋色の野獣と同じ実体である第一の野獣の頭の一つが「致命的な打ち傷はいえ」ることになっているからです。(啓示13:3)そしてダニエル11章の預言によると、南の王は、最初の北の王との戦争には敗北しますが、二度目の戦争の時には、北の王に勝利することになっているからです。(ダニエル11:25,26,29,30)


 そうすると、緋色の野獣の七人の王の一人は大娼婦大いなるバビロンでしょう。おそらく、二度目に現れる構成国に南の王である大いなるバビロンが含まれるでしょう。
ですから、二度目の緋色の野獣に加わらないというのは、難しいことだと思います。しかし、大患難を生き残る地の王たちがいるということは、十本の角に加わらないということは、可能であることが分かります。


 国連集団安全保障にも、地域の集団安全保障にも、南の王と共に行う軍事行動にも、北の王と共に行う軍事行動にも、関与しないようにするのが賢明です。現在いっさいの軍事活動に加わらない習慣をつけて、大患難を生き残る地の王となれるように準備をすることができます。



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