創世記47章・来るべき食糧不足に備える

 昔、ヤコブの息子ヨセフは、エジプトに起きる事柄に関するエホバから与えられた預言を説明しました。エホバ神はエジプトのファラオにその預言的な夢を見させました。ヨセフは神の助けでその夢を説明しました。その夢は七年の豊作と七年の飢きんを予告したものでした。(創世記41:29,30)ヨセフはファラオから来るべき災いに備える管理官として任命されました。(創世記41:41) 
 

 


In the morning, Joseph was a slave in prison. In the evening, he was governor of all Egypt, the greatest promotion in all history (Genesis 41:1-45). (joseph1)
ヨセフはエジプトのファラオに預言を説明して将来の豊作と飢きんを予告したのでエジプトの食料管理官に任命されました




 なぜなら、聖書は将来に今まで起きたことがないような大患難とそれに伴う食糧不足を予告しているからです。大患難は世界を二つに分ける国際的な戦争です。ダニエルの預言によると、北の王が南の王に対して何度も攻撃をかけます。(ダニエル11:40)


 南の王とは、アメリカ合衆国です。北の王とはもともとイスラム教で後になってキリスト教になる国でしょう。(ダニエル11:37,38。啓示13:11)そして、二つの勢力には、それぞれの側に立つ国家も存在するでしょう。


 エスはその時、「非常な窮乏」が臨むと予告されました。それゆえ「妊娠している女と赤子に乳を飲ませている者にとっては災いになります」。(ルカ21:23)ですから、イエスは大飢きんを予告されました。


 この事物の体制が終わる前の北の王と南の王の「押し合い」を予告しているのはダニエル11章です。ダニエル11章は、古代のメディア・ペルシャ帝国からこの事物の体制の終わりまでの北の王と南の王の抗争を説明しています。


 ダニエル11章を解釈するのは難しいです。短い文面で長い期間に起きることを説明するために、その預言はまず一世紀イエスキリストが到来した時までを預言して、その預言は、その後の出来事を大きく割愛して後現代に飛んでいるのではないかと思います。


 エスキリストについて言及しているのは、ダニエル11章22節です。そこに「契約の指導者」が「砕かれる」と預言されています。契約の指導者とはイエスキリスト以外にはいません。イエスは「新しい契約の仲介者」でクリスチャンの「指導者」だからです。(ヘブライ9:15。マタイ23:10)そして、イエスキリストが砕かれるとは、イエスが地上に来られて贖いの犠牲として死なれた時のことを意味する以外に考えられません。


 しかし、その預言はどこから現代に移るのでしょうか。契約の指導者への言及がなされている次の節で現代の終わりの時に移っているのではないかと私は考えています。聖書は重要な時に焦点を当てている筈であり、世の終わりの時は重要な時です。


 もし、私の解釈が正しいのであれば、北の王は「強大な者となった」後、ダニエル11章24節によると、「管轄地域の肥えたところ」を攻撃することが預言されています。管轄地域という表現は、ある国の支配下にあっても半分自治している地域も含むようです。(エステル1:1) これは、どこの管轄地域でしょうか。北の王でしょうか。それとも、南の王でしょうか。それとも、飾りの地でしょうか。


 「その」管轄地域と予告されていますから、北の王自身の管轄地域と考えるのが一番妥当でしょう。北の王は多くのものを強奪して分配します。(ダニエル11:24) おそらく、オイルマネーで潤った中東のどこかの国を攻撃しその富を強奪して、分配するのでしょう。


 こうしたことは、中東では過去に何度も起きてきました。古代アッシリアもバビロンも周辺諸国を攻撃して富を自分のものとしました。



まだ、どの特定の国になるか現時点では、断言できませんが、アラブ首長国連邦サウジアラビアなどの中東の国が攻撃されるのかもしれません。それで、それらの国からの石油に依存しているならば、大きなダメージを受けるかもしれません。いずれにしても、中東は政情が不安定なのは事実なので、中東からの輸入に依存しているならば、打撃を受ける可能性は高いでしょう。


 25節によると、その後北の王は南の王に対して挑みます。その戦いは北の王に有利に運びます。(ダニエル11:26)両方の王は偽りのうちに和平交渉をするようです。(ダニエル11:27)


 29節で北の王は再び南の王に向かって攻め寄せます。しかし、このたびは、思い通りにいかず北の王は失望します。(ダニエル11:30)
 

 しかし、31節によると北の王は聖なる者たちを攻撃して首尾よく宣教の業をやめさせます。北の王は、おそらく聖書の神や預言を考慮していないふりをするのかもしれません。それで、北の王の行動は効果的になります。(ダニエル11:30)同時に、北の王は「荒廃をもたらす嫌悪すべきもの」を据えます。(ダニエル11:31)


 その後、北の王は、南の王を攻撃する諸国家を首尾よく組織すると考えられます。そして、一部の聖なる者たちは、捕らわれと強奪を経験します。(ダニエル11:33)


 そして、北の王は南の王と押し合った後、他の諸国家と共に南の王に対して最後の総攻撃をかけます。(ダニエル11:40)それは、北の王の側の勝利となります。南の王は消滅します。(啓示17:16)しかし、その戦争は両方の王に甚大な被害をもたらすでしょう。それがイエスの予告された大患難となります。(マタイ24:21)


 このように聖書は幾つもの世界的な戦争を予告しています。もし、北の王の影響の及ぶ所すなわち中東で戦争が起これば、世界的に石油が不足するでしょう。
 

 また、北の王と南の王の間で抗争が起これば、現在イスラム圏の中東やアメリカからの輸入に依存している国は、エネルギー不足や食糧不足になるでしょう。しかし、食糧不足は命にかかわりもっと深刻な影響をもたらします。


  ここで、私たちはヨセフが行ったことから益を得ることができます。ヨセフは賢明にもエジプトが豊作の時に食糧を豊かに備蓄しておきました。そのため、ヨセ フは飢きんが起きた時に、保存していた食糧をエジプト人イスラエル人に分配して彼らが生き延びるように助けました。エジプトのファラオはそのために権威を増し加えました。(創世記47:25)


 ヨセフは預言と調和して食糧をたくわえておいたので飢きんが生じた時イスラエル人やエジプト人に食糧を供給することができました。


  聖書は世界的な戦争を前もって知らせてくれているのですから、私たちはヨセフのように前もって準備ができます。まず、できるだけ中東の石油に依存しないようにすることが必要でしょう。石油に頼らないエネルギーに力を入れる必要があります。


 また、前途の食糧不足に備えて、もし国に余分の富の蓄えがある場合は、そのお金で食糧を買ってできるだけ食糧を備蓄することが賢明でしょう。箴言の書は、冬の食糧 が不足する時に備えて、収穫の夏に食物を蓄えるありに習うように勧めています。(箴言6:6-8)




Ants On Cheese by Pink Sherbet Photography(ant1)
聖書は食糧の不足する冬に備えて食物を蓄えるありに倣うように勧めています
           


 ですから、保存がきく米、小麦、大豆、コーンなどの穀類や保存果物の備蓄は、戦争による食糧不足に対する準備になるでしょう。また、「荒廃をもたらす嫌悪すべきもの」が設立された後は、イエスはクリスチャンに山に逃げるように助言されました。(マタイ24:25,26)山に逃れて農業をして食糧増産に励むことが必要でしょう。




Drying Grains by lamoix (driedgrain1)
保存できる穀物や果物などの備蓄は将来の飢きんのために準備になるでしょう



 箴言の書は、「資力の乏しい者たちの耕地は多くの食物を[産する]。」と述べています。(箴言13:23)ですから、農業にいそしめば、お金がなくても、食物だけは豊富にあるでしょう。農業は、あまりお金を産み出す産業ではありませんが、それでも、食物は人々の命に直結していますから、国家の土台を支える基幹産業でしょう。農業が弱いならば、将来の食糧不足で、悲惨な結果を刈り取るでしょう。



 多くの人が命を失い、とりわけ妊婦や乳幼児たちが影響を受けるでしょう。(ルカ21:23)


 それで、農業にいそしんで余った食糧を備蓄しておくことは来るべき食糧不足の備えになるでしょう。農業に力を入れる必要があります。そうすれば、先見の明のあったヨセフに見習い自分や他の人たちの命を延ばす助けになるでしょう。




Harvest Time by National Library of Ireland on The Commons(harvest)
将来は山に逃れて農業をすることによって大患難と食糧不足から逃れることができるでしょう