進化論者の言う適者生存は起きていますか

ネットにカレブさんという進化論者がいます。カレブさんは、進化の適者生存が自然界に起きていると主張します。その方は、「進化は絶滅の危機を乗り切りながら、それぞれの環境に合わせて生存に有利な能力が伝わっています。」と言われています。

 カレブさんのコメントによると、キリンの場合は草を食べるのに有利に首が長くなって、その特徴が子孫に伝わったと言うことです。また、ライオンやトラは、爪や牙が発達して、その特徴が子孫に伝わったと言います。また、コアラはユーカリを、パンダは笹を食べるようになり、その特徴が子孫に伝わったと言うことです。そして、このような適応が、環境に合わせてさまざまに起きたと言います。



キリンは木の上の葉っぱを食べるために首が長くなったのですか


 キリンは首が長ければ、確かに木の上の葉などは食べるのに有利かもしれません。しかし、私たちの首や手は、棚の上の物を取るのに有利であるからといって、だんだん長くなることがあるでしょうか。




わたしたちの腕は棚の上の物を取るのに便利なように長くなりますか



 また、キリンの首が長いのは、地面の上の草を食べるのには、不便です。キリンは、地面の上の草を食べるのに、非常に不格好な姿勢を取ります。ですから、首が長いことは必ずしも生存に有利ではありません。それなのに、なぜキリンの首は長くなったのでしょうか。




キリンの首は長いので地面の上の草を食べるのには不便でないでしょうか




 また、ライオンは、草食動物をかみ砕くのに有利だから、牙が生えてきたのでしょうか。私たち人間にとっても、もし、牙があればナッツなどをかみ砕くのに有利でしょう。しかし、だからといって、世代が変われば、私たちに牙が生えて来るでしょうか。生えてこないでしょう。もし、人間に牙が生えてこないのであれば、ライオンにも生えてこないでしょう。ですから、最初から、ライオンは、牙を持っていたと考えるのが妥当でないでしょうか。



 また、象は、草食動物を襲うことはありませんが、牙があります。ですから、象の牙は、草食動物を攻撃するために、進化して生えてきたのではないのではないでしょうか。象は、牙があるので、ある場合、他の動物を攻撃して撃退することができます。


 しかし、象の牙は、有利な面がある反面、何かの植物を直接口から食べるためには、生存に不利であると考えられます。象は、牙が邪魔になるので、鼻で口に食物を運ばなければなりません。どうして、生存に不利な特徴を象は持っているのでしょうか。象の持つ特徴は、生存に有利な特徴と言うより、単に象が独自の特徴を持っているということではないでしょうか。




Stuart Bassil Elephant An elephant in the Kruger National Park, South Africa
象の牙も何かの植物を地面から食べるためには不利でしょう−象の牙は単にその独自の特徴です


 また、例えば、羊やサイには、角があって、他の動物と戦う際に用いたりするでしょう。では、人間は、なぜ生存に有利な角を持っていないのでしょうか。もし、人間に角があれば、剣の代わりになって環境に適した強者となるでしょう。しかし、何百年待っても、人間に角が生えてくることもないでしょう。





Rhinoceros blanc

Coralie - Own work]
サイの角は戦うのに有利だから生えてきたのですか




戦うのに有利だから人の額にいつか角が生えてきますか



 コアラはユーカリを食べます。パンダは笹を食べます。それは生存に有利でしょうか。コアラにしても、パンダにしても、一種類の植物だけに依存するのではなく、さまざまな植物を食べられる能力がある方が生存に有利なのではないでしょうか。ですから、コアラがユーカリを食べ、パンダが笹を食べるというのは、生存に有利と言うより、単にコアラやパンダの特徴だと言えるのではないでしょうか。

 それで、私たちが棚の上の物を取るのに便利だからと言って、私たちの手や首は長くなっていくことはありません。また、ナッツをかみ砕くのに便利だからと言って、私たちに牙が生えてくることはありません。他の人間と戦うのに便利だから私たちに角が生えてくることはありません。私たち人間の姿は古代人間と同じ姿を保っています。


  幾百年、幾千年、待っても、生存に有利だと考えられる特徴がある動物に発現することはないでしょう。遺伝の法則があるので、おおむね、先祖が持っている特徴を子孫は受け継ぐだけではないでしょうか。動物が持つさまざまな特徴は、最初からその動物が持っていたのではないでしょうか。
 
 聖書によると、創造者は創造の六日目に、「地面のあらゆる動く生き物をその種類にしたがって作ってゆかれ」ました。(創世記1:25)それで、創造者は、あらゆる特徴を持つ動物を、ご自分の創造力を発揮されて創造されました。エホバ神は、それぞれの動物にご自分が望まれる特徴を与えられました。

 このように、創造者が、自然界にさまざまな特徴を持つ動物を、デザイン感覚と、創造力を発揮して創造されたという説明の方が、自然界の実情を良く説明できるのではないでしょうか。 


  ただ単に、エホバ神は、ご自分のデザイン感覚と創造力をいかんなく発揮されました。それで、エホバ神は、ライオンやトラや象を、ヤギやサイも創造してくださいました。


 エホバ神は、人間が地上での生活からいつまでも、楽しみを見い出すことができるように、自然界に多様性を備えて下さいました。私たちは、創造者のエホバ神が人間のために、備えて下さったものを感謝しましょう。「エホバよ,あなたのみ業は何と多いのでしょう。あなたはそのすべてを知恵をもって造られました。地はあなたの産物で満ちています。」(詩編104:24)