ダニエル11章・北の王によって背教させられて戦うことを避けましょう

 ダニエル11章には、大患難までに効果的に働く神の民が存在する一方、北の王によって背教させられる神に不忠実な民が存在することを予告しています。北の王は、もともと「聖なる契約を離れる者たち」、つまり、聖書に不忠実なクリスチャンたちに注意を向けます。(ダニエル11:30)そして、それらのクリスチャンをさらに「背教」させます。北の王は、そのために、「滑らかな言葉」を使うことが預言されています。(ダニエル11:32)


 聖書は、上位の権威の場合、「悪をならわしにする者たち」に「憤り」を表明する「復しゅう者」として、「剣」を用いることを認めてはいます。(ローマ13:4)しかし、その「剣」の用い方は、慎重にすることが求められています。つまり、罪もない人を「剣」で殺すならば、それはエホバ神が非とされている「殺人」になります。(啓示21:4)





Police officers in Glasgow Green, Glasgow. Postdlf from w
聖書は政府が悪をならわしにする者たちに憤りを表明するために剣を用いることを認めています



きちんと調査を行なって裁判で犯罪者を処刑をするのであれば、それは「殺人」とは言えず、正しい「剣」の用い方と言えます。しかし、戦争の場合は、どうしても、罪のない一般市民の命も奪う結果になります。




調査が法律に従って行われ死刑が執行されたら殺人とは言えません



 例えば、戦争で用いられる核兵器空爆の場合、兵士も罪のない一般市民も子供の命も奪うことになります。聖書は、昔、戦争が起きた時に、「義なる者も邪悪な者」も命を失ったことを述べています。(エゼキエル21:3,4)義なる者の命を奪うことは、聖書の中で非とされている不当な「殺人」です。




The mushroom cloud of the atomic bombing of the Japanese city of Nagasaki



manhhai Air strike on the Dragon’s Jaw bridge in Thanh Hoa, North Vietnam - May 13, 1972
核爆発や空爆だと兵士も一般市民の命も奪うことになるので殺人になります




エホバは、「暴虐を愛する者を必ず憎む」神です。(箴言11:5)ですから、エホバ神は、基本的に戦争を憎まれます。エホバは罪のない一般市民が命を失う事態を喜ばれる神ではありません。



通州事件で虐殺された日本人居留民の遺体−エホバ神は戦争で虐殺が行われることを望まれません



 ところが、ダニエル書によると、「多くの者が滑らかさによって」、北の王の側に「加わる」ことになります。(ダニエル11:34)聖書は、ローマの皇帝ティベリウスが「滑らかさをもってその王国を手に入れた」ことが書かれています。(ダニエル11:21)ティベリウスは、表面的に皇帝の立場を紛争で争うことなく、手に入れることになりました。


 ですから、北の王が非常に賢く行動するので、北の王が権力を増し加えることに、紛争があまり関係しないことを意味するのでしょう。


 さらに、聖書は、不道徳な娼婦が、「滑らかな唇」を用いて、「豊かな説得力」によって男を「惑わす」ことを述べています。(箴言7:21)さらに、「滑らかな話しぶりやほめことばによって,偽りのない者たちの心をたぶらかす」人が存在することを聖書は述べています。(ローマ16:18)ですから、北の王は人をほめることや、説得によって味方に引き入れ、間違ったことをさせることになるのでしょう。


 さらに、聖書は、「滑らかな舌」を使っても、「その内なる所」では「逆境」をもたらすことを考えている信頼できない者が、存在することを述べています。(詩編5:9)


 南の王は「地上でほふられたすべての者の血」に責任があるかもしれません。(啓示18:24)南の王の「罪は重なり加わって天に達する」ことが予告されています。(啓示18:5)ですから、確かに南の王の悪行もはなはだしいのでしょう。北の王は聖書の神の律法に考慮を払わないクリスチャンに対して、南の王に関する事実を暴露するのかもしれません。


 ですから、北の王の語ることは大変説得力もあるでしょう。そして、人々が憤激して南の王に対して「剣」をとって戦うように仕向けていくのかもしれません。




南の王の罪がたとえはなはだしくても南の王に対して剣をとって戦うべきではありません



しかし、北の王の動機はいずれにしても、自分の勢力を伸長させることであり、人々が聖書の正しい原則に従う事に関心があるわけでもありません。北の王は、最終的に、南の王と対決して、勝利を得ることを望んでおり、そのために仲間を増やすことに関心があるでしょう。


 しかし、北の王は、南の王を軍事的に倒すという意図があることを極力隠すことでしょう。聖書は、「邪悪な者たちの口,それは暴虐を覆い隠す」と述べられています。(箴言10:11)北の王は「成功を収める」ことが予告されています。(ダニエル11:36)


 北の王は、イスラム教出身ですが、とりわけ、 「契約に対してよこしまな行動をしている者たち」、つまり、聖書中の神の律法を意に介さないキリスト教を奉じる人々に注意を向けることになっています。(ダニエル11:30)




Brennan Mercado
聖書は将来北の王が背教したキリスト教に注意を向けることを預言しています


それらの神に不忠実なクリスチャンは、容易にあざむかれ、北の王によって「背教」に導き入れられます。それらの者たちは、容易に北の王の仲間になり、南の王に対して剣をとって戦おうと考えるようになるのかもしれません。


 ここまでの私の聖書に基づく推論が間違っていなければ、大患難は、背教したキリスト教諸国家どうしの戦いということになります。聖書は、サタンは「分裂」すると述べています。(ルカ11:17,18)


  確かに、聖書は南の王を崇拝する人たちは、「子羊の命の巻き物」に名が書かれていないと述べています。(啓示13:8)反対に聖書は、背教して、北の王に盲従することも勧めてはいません。


 聖書は、北の王の側に立つようになる諸国家と人々の数が多いことを示しています。「多くの者が滑らかさによって彼らに加わる。」と述べ、多くの人々が北の王の味方に加わることを予告しています。(ダニエル11:34)



聖書は多くの者がスムーズに北の王の側に立つことを予告しています


南の王の犯した罪が明らかになるならば、将来多くの人々が北の王の側に立つことになるのでしょう。確かに、南の王が「聖なる者たち」や「イエスの証人たち」の血に酔うようであれば、一般の人々やキリスト教を奉じる人々の中には、南の王を憎んで、南の王に対する北の王の総攻撃に加わろうと考える人が多くなるかもしれません。(啓示17:6)それで、クリスチャンは北の王によって背教させられて、南の王に敵対して剣をとって戦うことを避けましょう。