列王第一21章・盲目的従順を示したエズレルの人々

「彼の都市の人々,すなわちその都市に住んでいる年長者たちや高貴な人々は,イゼベルが彼らに人をやって伝えた通りに,すなわち彼女が彼らに送った手紙に記されている通りに行なった。・・・人々は彼を都市の外れに引き出し,石で彼を石打ちにしたので,彼は死んだ。そこで彼らはイゼベルに,『ナボテは石打ちにされたので,彼は死んだ』と言ってよこした。」(列王第一21:11〜14)


 エズレル人々の例は盲目的な従順について何を教えていますか。ナボテの住んでいた都市エズレルの人々は、アハブの王の妻イゼベルの指示に盲目的に従って、偽証を行なう人を準備して、罪のないナボテを石打ちにして殺しました。彼らは当時の政治上の権威アハブ王とその妻イゼベルを恐れて、彼らの指示に盲目的に従いました。


 罪のないナボテを殺したアハブとイゼベルはどうなったでしょうか。アハブ王は預言者エリヤと預言者ミカヤの預言どおりに死にました。(列王第一22:38)やもめになったイゼベルはエヒウに処刑されました。(列王第二9:33)


 ナボテの殺害に関係したナボテの都市の人々はどうなったのでしょうか。聖書は明記はしていません。けれども、エヒウは預言者エリヤの言葉が成就するように、エズレルのアハブの際立った者たちや知人や祭司たちを全部殺したと聖書は述べています。(列王第二10:11)ナボテの殺害に責任のあった人々の大半はその時までに、殺されてしまっていたでしょう。


 さらに、またエヒウはバアル崇拝を大いに行なうと偽って、バアル崇拝者を集めて殺しました。(列王第二10:25)その時にバアル崇拝を行なっていたエズレルの人は、滅ぼされたでしょう。ナボテの殺害に協力した人々はその時までにはすべて処刑されていたと考えられます。


 ですから、権威のある人々の指示に盲目的に従って神の律法を無視した人々が、その当時裁かれるようにエホバがとりはからわれたということを聖書は示しています。


 ふつうの状況で、罪のない人を殺すことに協力が求められるということはありません。しかし、過去においてたとえば、ナチスヒットラー支配下で、ユダヤ人やエホバの証人など罪のない人を殺すことに協力した人は少なくなかったでしょう。ですから、国際情勢が戦争を行なう方に動いていく時に、罪のない人を殺すことに協力するように要請がなされることがあるかもしれません。


 とりわけ聖書は大いなるバビロンで、神の民に対する流血を伴う迫害が生じることを予告しています。(啓示17:6)その時、当局者は一般の人々にも協力を求めるでしょう。しかし、権威のある人に盲目的に従って罪を犯すならば、ナボテの殺害に協力したエズレルの人々がやはりエホバ神に裁かれてしまったことを覚えておく必要があります。