啓示13章・核兵器の使用―大いなるしるし

「また,わたしは別の野獣が地から上って行くのを見た。それには子羊のような二本の角があった。・・・また,大いなるしるしを行なって,人類の前で火を天から地に下らせることさえする。」(啓示13:13)


 啓示13章に登場する子羊のような二本の角のある野獣の実体は、何でしょうか。その野獣の行なう大いなるしるしとは何でしょうか。野獣は、聖書の預言の中で政治国家や政治組織を表わしています。その野獣は、子羊のような二本の角がありますから、聖書の中の子羊、イエス・キリストを代表する政治的実体に見えます。(ヨハネ1:29)


 また、啓示13章には、「第一の野獣」と呼ばれる別の野獣が登場します。二本の角のある野獣は、「第一の野獣のすべての権威をその前で行使する。」と述べられています。第一の野獣は、主の日における国家や政治勢力や政治支配者を含む政治組織全体を意味しています。(啓示13:2)それで、子羊のような二本の角を持つ野獣は、第一の野獣のすべての権威を行使して、主の日における諸国家を支配するリーダーのように行動する政治的実体です。


 また冒頭の聖句にあるように、子羊のような二本の角のある野獣は、大いなるしるしを行って、人類の前で火を天から地に下らせることをすると述べられています。このことは、預言者エリヤがカルメル山上でバアル崇拝者たちと対決し、天からエホバの火を降らせたという出来事を思い出させるでしょう。(列王第一18:36,38)ですから、子羊のような二本の角のある野獣はあたかも聖書の神の敵と戦うまことの神の預言者のようにふるまう存在でしょう。


 子羊のような二本の角のある野獣の実体は何でしょうか。アメリカ合衆国は、2002年の調査によれば、プロテスタント56%、カトリック27%、ユダヤ教2%他となっています。こうしたデータは、アメリカの主要な宗教がキリスト教であることを示しています。アメリカ合衆国は、キリスト教を奉じており聖書の神を代表していると自称しています。また、何か諸国家の間で、問題が生じる時に、リーダーのように行動するのは、どこの国家でしょうか。それは、アメリカ合衆国ではないでしょうか。


 またアメリカ合衆国は、第二次世界大戦末期の1945年8月6日に広島、8月9日に長崎へ原爆を投下しました。その後も、多くの核実験を行っています。ですから、アメリカ合衆国は、確かに、人類の前で火を天から地に下らせるという大いなるしるしを行って、まことの神の預言者のように振舞っていると言えるのではないでしょうか。ですから、子羊のような二本の角を持つ野獣の特徴は、アメリカ合衆国と合致しています。












 アメリカ合衆国は、諸国家の間で問題が生じる時に、あたかも聖書の神の代表者のように、つまり真の神の預言者のように行動します。しかし、平和の神は、諸国民の戦争に関わりを持っておられません。(コリント第一14:33)ですから、アメリカ合衆国は実際は、啓示の19章20節にある「野獣の前でしるしを行な(った)」「偽預言者」ということができます。


 さらに、イエスはご自分の臨在のしるしとして、次のように予告されました。「恐ろしい光景や天からの大いなるしるしがあるでしょう。」(ルカ21:11)


 西暦1914年以降、地震や疫病や食糧不足が生じました。それだけでなく、1945年以降には、原爆の投下や数々の核実験がありました。ルカ21章11節の「天からの大いなるしるし」というのは、子羊のような二本の角のある野獣が行なった、人類の前で火を地に下らせるという「大いなるしるし」でしょう。


 それで、聖書をこのように検討してみると、天からの大いなるしるし、つまり核兵器の使用は、今がイエスが王として臨在しておられる事物の体制の終結の時であるということを示しています。また、子羊のような二本の角のある野獣がアメリカ合衆国であり、天からの大いなるしるしを行って、まことの神を代表しているように見えても、実際にはそのことは、偽預言者の証拠であるということが分かります。


 聖書は偽預言者は、最終的にエホバによって硫黄で燃える火の湖に投げ込まれ永遠の滅びを被ることを示しています。(啓示19:20)私たちは子羊のような二本の角のある野獣の行なった大規模な流血行為に対して自分で、仕返ししようとするべきではありません。しかるべき時に裁きを執行されるエホバの御手に委ねるべきであると言えます。



啓示13章・核兵器の使用の大いなるしるし


詩編89編・ダビデの子孫に関するエホバの約束は希望を与える


啓示13章・子羊のような二本の角のある野獣の大いなるしるし


啓示17章・大いなるバビロンアメリカに予見できること