啓示20章・続 神の王国の千年支配の後の試み

「さて,千年が終わると,サタンはすぐにその獄から解き放される。彼は出て行って,地の四隅の諸国民,ゴグとマゴグを惑わし,彼らを戦争のために集めるであろう。それらの者の数は海の砂のようである。そして,彼らは地いっぱいに広がって進み,聖なる者たちの宿営と愛されている都市を取り囲んだ。しかし,天から火が下って彼らをむさぼり食った。」(啓示20:7〜9) 


 先週、「啓示20章・神の王国の千年支配の後の試み」をアップしました。今回はその続編です。


 啓示の書は、神の王国の千年支配の後に、完全にされた人類の一部が、悪魔サタンに扇動され、神の王国に反逆するようになることを示しています。啓示の書の預言によると、悪魔サタンに惑わされた人々は、聖なる者たちの宿営と愛されている都市に対して、戦争をしかけます。


 悪魔サタンに扇動された諸国民が取り囲んだ聖なる者たちの宿営とは誰を表わしているのでしょうか。イエスは「聖なる者」です。(啓示3:7)十四万四千人の子羊の妻も聖なる者たちです。(啓示19:18)しかし、啓示14章12節には「聖なる者たち」とは,「神のおきてとイエスの信仰を守る者たち」であると述べられています。(啓示20:16)


 イエスとイエスの花嫁は、千年支配の初めから天にいます。ですから、取り囲まれた聖なる者たちとは、イエスと十四万四千人の聖なる者たち、すなわち愛されている都市新しいエルサレムを代表しており、彼らのようにエホバ神の律法を守ってイエスに信仰を働かせる者たちでしょう。


 昔荒野のイスラエル人の宿営は、エホバ神の崇拝のための証の幕屋の回りにありました。(詩篇78:28。民数記1:50)エホバの指示によって幕屋が移動するとイスラエル人の宿営もそれに従って移動しました。(民数記9:18)ですから、「聖なる者たちの宿営」というのは、エホバ神のご要求に従って新しいエルサレムすなわち神の王国を確固として支持することにより、エホバ神の崇拝を支持する者たちを意味しているでしょう。


 さらに、参照資料付き聖書の脚注から、啓示20章9節の「宿営」とは、「戦線にある軍隊」で字義が「陣営」であることが分かります。ヨエル2章11節には、エホバの「陣営」には「非常に多くの者がいる」と述べられています。それで反逆者たちの人数も多いとはいえ、エホバの側に立つ人たちも非常に多くの者たちがいるでしょう。


 忠実な者たちのいるところが、陣営であるというのは彼らが何らかの問題で戦いのさなかにいることを示しているかもしれません。彼らは神の律法を守る者たちですから、文字通りの戦争に加わるはずがありません。ですから、何らかの霊的な論争において一方の側を支持していることを意味するのでしょう。それは、おそらく神の王国を支持するか、人間の世界政府を支持するかという問題なのでしょう。


 シュラムの娘は、「愛されている乙女よ」と言われました。(ソロモンの歌7:6)シュラムの娘は羊飼いの青年に対する忠節とその美しさのゆえに羊飼いの青年に愛されました。同じように新しいエルサレムもイエスに対する忠節のゆえにエホバ神とイエスに愛されています。完全にされた人類の中の非常に多くの人々は、十四万四千人の霊的な特質により、彼らを愛しています。ところが悪魔サタンに惑わされた諸国民は新しいエルサレムを愛していません。それで悪魔サタンに惑わされる諸国民は愛されている都市エルサレムの霊的な特質を評価できないのでしょう。


 天から火が下って地の四隅の諸国民ゴグとマゴグをむさぼり食ったという記述から聖書のどういう記述を思い起こしますか。(啓示20:9)モーセの時代に、エホバ神によって制定されたアロンの祭司職を認めず、モーセとアロンの指導に反逆した者たちが、祭司だけに許された香をささげるという行為を行いました。その時、天から火が下ってきて反逆者を焼き尽くすということがありました。(民数記16:35)また、バアル崇拝と戦う預言者エリヤにアハブ王から遣わされた50人の兵士が、二回天からの火によって焼き尽くされてしまうということがありました。(列王第二1:10,12)


 それで、ヨハネの啓示20章9節の状況は、モーセとアロンやエリヤの時のように、やはり神の人、すなわち神の代表者の権威が関係しており、エホバ神がご自分の意思をはっきりと示さなければ、神の王国に忠節な人々の生存が危ないという状況になるのでしょう。そのためエホバ神は断固とした行動に出て、天から火を送って誰を支持しておられるのかを示されるのでしょう。


 エゼキエル38章にある預言によると、マゴグの地のゴグの軍勢は、同士討ちをしたり、疫病がもたらされたり、大雨と雹、火と硫黄がその上に降ったりして、滅ぼされてしまいます。(エゼキエル38:21,22)この預言から、神の支配権を支持する者たちに攻撃を加える者たちにエホバ神は超自然界の力を用いて裁きを行なわれるということが分かります。


 こうして、神の王国の千年支配の後の試みを考えてみると、人間の支配ではなく、神の支配を確固として支持し、神の王国に忠節を培っていく重要性が分かります。また、神の民が神の支配権を確固として支持することにより、絶対絶命の状態になる時、エホバ神はそのみ力を表わしてくださるということが分かります。



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