マタイ14章・イエスの奇跡は世界の飢えが無くなることを示す

「こうしてすべての者が食べて満ち足りた。また、かけらの余りを拾うと、十二のかごがいっぱいになった。しかも、食べていたのは約五千人の男たちであり、ほかに女や幼子たちがいたのである。」(マタイ14:20)


 現在十分に栄養の取れない飢餓人口は世界に9億6300万人おり、その数は毎年増加傾向にあります。飢餓が原因で、毎年約1500万人、4秒に1人の割合で死亡しています。(ウィキペディアより)神の王国の下では、飢えの問題はどうなるでしょうか。


 イエスは地上におられた時、多くの奇跡を行なわれました。その奇跡の中には、少しの食物を増やして何千人もの人々に食事をさせるという奇跡が含まれていました。イエスはどのようにその奇跡を行なわれたのでしょうか。その奇跡は王国の支配下でどんなことを予期できることを示していますか。


 ある日、人々がイエスのところに集まってイエスの話を聞いた後のことでしたが、夕方になった時、イエスの弟子たちは、イエスに言いました。「時刻もだいぶ遅いですし、ここはさびしい所です。人々を解散させて、近くの村でそれぞれ自分の食べるものを買うようにさせてください。」(マタイ14:15)


 イエスは答えて、「かれらが行く必要はありません。あなた方がこの人たちに何か食べる物を与えなさい。」と言われます。イエスはフィリポのほうを向いて、「これらの人々の食べるパンをどこで買いましょうか。」と問われます。(ヨハネ6:4)


 「二百デナリ分のパンでも彼らには足りず、めいめいに少しずつ得させるほどにもならないでしょう。」とフィリポは答えます。するとアンデレが言います。「この少年は、大麦のパン五つと小さな魚二匹を持っています。でもこんなに大勢の中でこれが何になるでしょう。」(ヨハネ6:9)


 「人々を食事のときのように草の上に横にならせなさい。」とイエスは言われます。それからイエスは神に感謝をささげ、食物を割いて配ります。次に、弟子たちがパンと魚を全部の人々に配ります。(マタイ14:19)すると、イエスが食物をいくら分けても食物は減らないのです。イエスは奇跡によってパンと魚を増やされたのです。


 その時、五千人の男と、それにまだ女や子供が何千人もいました。(マタイ14:21)みんな、満腹するまで食べ、弟子たちが残ったものを集めると、十二のかごがいっぱいになりました。(ヨハネ6:13)


 のちほど、イエスはまた四千人の男と何千人もの女や幼子たちに奇跡によって食物をお与えになりました。今度は、七つのパンと何匹かの小魚でこれをなさいます。余りを集めると、七つのかごがいっぱいになりました。(マタイ15:37,38)今度も、やはり、みんなのために十分ありました。


 聖書はこの奇跡を行なう力を持たれるイエスが王として支配される時が来ることを予告しています。(ルカ1:31,32。啓示20:4)このことは、将来、わたしたちが食糧の不足を心配する必要が全くなくなる時が来ることを示しています。神の王国の下では、たとえ、人口が多くなって農業の生産が追いつかず、食糧が足りなくなることがあっても、飢えることを心配する必要がありません。


 食事の心配をしなくていいというのは、何という思い煩いからの解放なのでしょう。神の王国の支配の下で地球上の人口が何十億になろうとも、食糧不足を心配する必要はないのです。ですから、楽園で死者が何十億と復活してきても、心配する必要はないということが分かります。(ヨハネ5:28,29)神の王国の支配の下では、今日のように飢えで死ぬ人はいなくなります。


 イエスの持っておられるこの食糧を奇跡的に増やす力のおかげで、わたしたちが生活上で心配しなければならないことの大半はなくなってしまうでしょう。イエスが神の王国の王として支配して地上を楽園にする時が何と待ちどおしいことでしょう。


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