結婚生活を幸福なものにする(3)−性の問題と離婚

下記は、目ざめよ1993年7/8号「結婚生活―一層幸福なものにする」からの一部引用です。先回、「結婚生活を幸福なものにする(3)−夫婦の愛と性」をアップしました。今回は、夫婦間で生じる性の問題と、離婚について取り上げたいと思います。


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性の不一致と離婚

離婚の理由として性の不一致を挙げる夫婦は少なくありません。今日の変わり行く家族制度の問題を扱った,「セクシュアリティと家族」という本は,問題がどこにあるのかを指摘してこう述べています。「一夫一婦の結婚制度と現在の色情狂的性情報は矛盾するから,セックス情報洪水は夫婦のエロスを歪め,日常の情愛も引き裂く。性の商品化どころか女のからだをモノ扱いするような裏ビデオやマンガなどがヒトの神経やこころを異常にし,そのためレイプのような性に妻が悩んだり,妻に拒否され夫が不能になったりする」。


不道徳な本やビデオやテレビ番組は,性を歪めます。そうしたものは夫婦関係の真の喜びを教えていませんし,結婚生活がうまくゆくために夫と妻が培うべき信頼を打ち砕いてしまいます。


「今日の心理学」誌はこう述べています。「信頼感があれば,自分の内奥の感情や恐れを相手の手の中にゆだねることができる。優しく扱ってもらえることが分かっているからである。愛情や性的な興奮は時と共に移り行くものであるが,理論的には,信頼感は変わることがない」。


幸福な結婚生活は性を軸にして回転するのではありません。夫婦間の難しい問題を経験したある主婦はこう述べています。「私にとって大きな励みになったのは,『あなたの家族生活を幸福なものにする』(ものみの塔聖書冊子協会発行)という本の中の,『一般的に言って,結婚生活の他の関係がすべて良いなら,愛,尊敬,意思の疎通,そして理解があるなら,性が問題になることはほとんどありません』という言葉でした」。


夫婦を本当に結びつけるのは性ではなく愛です。愛のない性はむなしいものですが,愛は独り立ちできるのです。性を結婚生活の中心に据えるのではなく,あるべき位置に置いておくなら,夫婦は二人の関係を楽しみ,性の不一致という問題を解決することができます。




ふたりの関係を楽しむ


離婚を選べる場合

聖書は配偶者が淫行を犯した場合に離婚をして再婚してもよいとしてはいますが,姦淫によって夫と妻の関係が自動的に終わるわけではありません。潔白なほうの配偶者には,離婚するかしないかを選択する権利があります。―マタイ 19:9。


康子さんはこの決定に直面しました。夫が愛人と共に別の居を構えたのです。姑は康子さんを非難して,「あなたが悪いから息子があのようになった」と言いました。康子さんは毎日泣いて暮らしました。いろいろな人から助言を受けましたが,だれ一人として夫の情事を非とする人はいませんでした。そんな時,聖書を研究するようになっていた実母が,「聖書には姦淫を犯すのはとても悪いことだと書いてある」と康子に告げたのです。(コリント第一 6:9)今のような世の中にも,依然として善と悪の基準があることを知り,康子さんはとてもほっとしました。


ここで,康子さんには選択の余地がありました。夫と離婚しようと考えていましたが,エホバの証人と聖書を研究してみて自分のほうもなすべきことをしていないのに気づきました。それで,問題を解決するのに聖書の原則を試してみようという気になり,当てはめるようになりました。(エフェソス 5:21‐23)


「それは簡単なものではなく,何度も何度も逆戻りし,涙ながらにエホバに祈ったことが数えきれないほどありました」と康子さんは語ります。妻が変化するにつれて,夫も徐々に変化しました。5年ほどして,夫は愛人との関係を完全に断ちました。康子さんは,「神のみ言葉に従うことは絶対に有益であることを確信することができました」と結んでいます。



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上記は、目ざめよ1993年7/8号「結婚生活―一層幸福なものにする」からの一部引用です。「結婚生活を幸福なものにする」のシリーズは、(1)〜(4)まであります。(1)−そのための鍵、(2)−夫婦の愛と性、(3)−性の問題と離婚、(4)−夫婦の関係と話し方です。次回、「結婚生活を幸福なものにする(4)−夫婦の関係と話し方」をアップしたいと思います。


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