啓示13章・新・子羊のような二本の角のある野獣とは何か

「わたしは別の野獣が地から上って行くのを見た。それには子羊のような二本の角があった。それは龍のように話しはじめた。」(啓示13:11)


啓示13章の後半には、子羊のような二本の角がある野獣が登場します。私は以前は、子羊のような二本の角がある野獣とは、アメリカだと解釈していました。その点を新たに検討してこれは北の王だと考えるようになりました。今回、その理由を説明したいと思います。


「子羊のような二本の角がある野獣」は、「野獣の像」を作るようにと地に住む者たちに言います。(啓示13:14) 「像」は聖書の中で「嫌悪すべきもの」を意味しています。(エゼキエル7:20)ですから、「野獣の像」とは、「荒廃をもたらす嫌悪すべきもの」です。


さらに、ダニエル書には、北の王が「荒廃をもたらす嫌悪すべきもの」を据えることが預言されています。(ダニエル11:31)それで、「荒廃をもたらす嫌悪すべきもの」を据えるのが南の王ではなく、北の王であるとされていることが重要です。ですから、野獣の像を作るようにと提唱する子羊のような角がある野獣とは、北の王ということになります。


では、北の王はどのような特徴を持つことになっているのでしょうか。


北の王には、「子羊のような二本の角」があります。子羊という語は啓示の書の中で贖いの犠牲となられたイエス・キリストを表わしています。(ペテロ第一1:18,19。啓示5:9)ですから、北の王は、おそらくキリスト教を奉じているように見えるでしょう。


北の王は、ダニエル8章によると、ギリシャアレクサンドロス大王の帝国から派生した四つの帝国から出てくる国です。(ダニエル8:8,9)今では、それらの国々はほとんどがイスラム教です。しかし、ダニエル書では、北の王が、「自分の父たちの神に何の考慮も払わない」と述べられています。(ダニエル11:37)ですから、北の王は、おそらくイスラム教を捨ててキリスト教を奉じるようになるのでしょう。


「二本の角」とは何を意味するでしょうか。聖書の中で、角とは「王」もしくは「王国」を表しています。(ダニエル7:24;8:20,21)また、「二本の角」が「メディアとペルシャの王」を表すことがありました。(ダニエル8:20)ですから、北の王は、ふたつの国家が結合して成立するのかもしれません。あるいは、単に北の王の国内に二つの政治勢力があることを示しているのかもしれません。




(sheep)
新しい国際組織を立ち上げる北の王は二つの政府もしくは二つの政党で構成されるキリスト教の国家でしょう



聖書が述べていることは、驚くべきことですが、実現する時、聖書の預言の真実性が高められるでしょう。


では、どの時点で、北の王は「荒廃をもたらす嫌悪すべきもの」を設立するのでしょうか。


啓示17章に登場する緋色の野獣は、大娼婦大いなるバビロンを憎んで、「荒れ廃れさせて裸にし、その肉を食い尽くし、彼女を火で焼き尽くす」ことになっています。(啓示17:16)それで、緋色の野獣は、大娼婦に荒廃をもたらすのですから、北の王が設立する「荒廃をもたらす嫌悪すべきもの」です。


啓示17章8節によると、緋色の野獣は、「かつていたが、今はいない。しかし底知れぬ深みから」上ると予告されています。ですから、緋色の野獣はいったん消滅して、再登場するでしょう。


さらに、大いなるバビロンは「地の嫌悪すべきものとの母」と述べられています。(啓示17:5)緋色の野獣にとって大いなるバビロンは母です。つまり緋色の野獣は最初は、南の王によって設立されたことを示しています。すなわち、緋色の野獣は最初は、アメリカによって設立された国連であると考えられます。


でも、国連は、いづれ、時の流れのどこかの時点で消滅します。その時として一番考えられる時は、南の王が北の王によって最初の致命的な打撃を被る時です。(ダニエル11:25,26)その時、最初の緋色の野獣は消滅するでしょう。そして北の王によって設立される「荒廃をもたらす嫌悪すべきもの」として、再登場するでしょう。


それは、北の王が南の王を二度目に攻撃してうまくいかなかった後のことでしょう。


子羊のような角のある野獣は、「第一の野獣」のために像を作るようにと地に住む者たちに言うことになっています。(啓示13:14)「第一の野獣」は、「十本の角と七つの頭」がある野獣の「頭の一つ」です。(啓示13:3)


そして、「第一の野獣」は「致命的な打ち傷」から回復します。(啓示13:3)ですから、この第一の野獣とは、北の王から致命的な打撃を受けて、その打撃から回復する南の王と考えられます。それで、北の王は南の王に誉れを帰して、国際組織を作るように提唱するようです。


その時、北の王の国力はかなり強大なものになっているでしょう。そして、地に住む者たちは、南の王と、北の王を含めて「荒廃をもたらす嫌悪すべきもの」を崇拝することになるでしょう。(啓示13:4,8)


北の王は、南の王のために「嫌悪すべきもの」、すなわち、国連に代わる諸政府の属する国際組織を設立するよう提唱しますが、後になって北の王とその「荒廃をもたらす嫌悪すべきもの」は、南の王を憎み、滅ぼすことを考えるようになります。(啓示17:13,16)そして、そのために諸国家は権威を一括して北の王、また「荒廃をもたらす嫌悪すべきもの」に与えることになります。


以上のような理由で、子羊のような二本の角のある野獣は、アメリカではなく、最終的に大いなるバビロンを倒す北の王であると考えるようになりました。このことを理解するなら、北の王が「荒廃をもたらす嫌悪すべきもの」を設立する時、諸国家がどのように行動するのが賢明か判断する助けになるでしょう。


「荒廃をもたらす嫌悪すべきもの」は北の王も南の王もその設立に関係するので、諸国家がそれに属さないのは、ほとんど不可能なことでしょう。啓示13章12節によると、子羊のような二本の角のある野獣は、「野獣の像」に息を与え、野獣の像を崇拝しようとしない者を殺すと述べられています。(啓示13:15)おそらく、その組織に属さなければ、諸国家との貿易ができないことになるでしょう。(啓示13:16,17)


北の王は、将来南の王に対して戦うように提唱することになるでしょう。(啓示16:13,14)しかし、北の王と共に南の王に対して戦う犠牲は大変大きなものとなるでしょう。


なぜなら、北の王は、南の王に対して人海戦術をとることになっているので、北の王の側に立つ国家は、国民全体がおそらく男性も女性も年寄りも子供も兵士として戦わなければならず、その犠牲は大変大きなものとなるからです。(ダニエル11:37,40)ですから、北の王の側にたって戦わないのが賢明です。



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