使徒16章・占いの力の源は何か(新共同訳)

「わたしたちは、・・・占いの霊に取りつかれている女奴隷に出会った。この女は、占いをして主人たちに多くの利益を得させていた。」(使徒16:16)

 世ではさまざまな利益をとる占いが繁盛しています。その占いは当たる場合もあります。けれども、私たちはそうした占いに頼っても良いでしょうか。そうした占いの源は何でしょうか。

 一世紀に、使徒パウロはフィリピという町で宣べ伝えていました。そして、ある女奴隷に出会いました。その女奴隷は占いをしてたいへん利益を得ていました。彼女の占いの力はどこから来ていたのでしょうか。聖書は彼女が占いの霊に取り付かれていたと述べています。それで、彼女の占いの力は悪霊から来ていました。彼女は悪霊の支配下にありました。その悪霊は彼女に普通では知ることのできない知識を授けたのでしょう。

 そして、彼女はパウロとその仲間の後についてきて、「この人たちは、いと高き神の僕で、皆さんに救いの道を宣べ伝えているのです。」と何日も叫びました。(使徒16:17)

 聖書は、悪霊どもは唯一真の神を信じておののいていると述べられています。(ヤコブ2:19)それで、悪霊はパウロの一行が唯一真の神の僕であることを知っていたので、恐れて女奴隷にそういうことをさせたのでしょう。

 パウロは彼女の行動にうんざりして、その霊に言いました。「イエス・キリストの名によって命ずる。この女から出て行け。」すると、即座に、霊が彼女から出て行き、その女は占いができなくなりました。というのは、聖書は「この女の主人たちは、金もうけの望みがなくなってしまったことを知り、パウロとシラスをとらえ、役人に引き渡すために広場に引き立てて行った。」と述べているからです。(使徒16:18,19)

 ですから、その女が占いができたのは、霊がその女に取り付いていたからであったことが分かります。それで、占いに相談するならば、当たることもあります。悪霊は人間が知らないことも知っているからです。

 しかし、占いに相談するならば、悪霊の支配下にはいる危険があります。悪霊は人間の福祉を求めていません。聖書によると悪霊は残酷であり、その支配下に置いた人を狂気のように振る舞わせることがあることを示しています。(ルカ8:27,29)

 悪霊は唯一真の神エホバに敵対しています。悪霊の支配下に入るなら、エホバ神の不興を買います。エホバ神の是認と保護を得ることができません。

 それで、聖書の申命記には「あなたの間に、・・・占い師、卜者、易者、呪術師、呪文を唱える者、口寄せ、霊媒、死者に伺いを立てる者などがいてはならない。」と述べられています。(申命記18:10)

 聖書は私たちが悪霊の力による占いに頼るのではなく、聖書にある唯一真の神からの預言に頼るように勧めています。そして、聖書の預言は世の占いと違ってただで知ることができます。(マタイ10:8。啓示22:17)