啓示1章・クリスチャンの一部が天に行く理由

「この方はわたしたちを,ご自分の神また父に対して王国とし,祭司としてくださったのである-実にこの方にこそ,栄光と偉力が永久にありますように。アーメン。」(啓示1:6)

 聖書は一部のクリスチャンが天に復活し、王また祭司として奉仕することを述べています。でも、そもそも人類の一部が天で王また祭司として奉仕する事がなぜ必要になったのでしょうか。

 これは、最初からこのようになっていたのではありませんでした。

 最初の人間アダムはエデンの園に置かれて農業をしていました。エホバ神はアダムに善悪の知識の木の実を食べてはならないという禁令を与えられました。そして、食べるならば、死ぬと警告されました。(創世記2:17)

 しかしこの警告は、食べないならば、決して死なないことを示していました。アダムとエバ、そして彼らの子孫にはいつまでも、地上で肉体の体で永遠に生き続ける見込みがありました。

 それで、人類の先祖に差し伸べられた希望はこの地上の楽園でいつまでも生き続けることでした。決して死んで天に行くことなど、アダムに言われていませんでした。

 ところが、アダムとエバは神に背いて罪を犯し木の実を食べてしまいました。(創世記3:6)

 その結果、次のような事が、アダムの子孫に生じました。「一人の人を通して罪が世に入り,罪を通して死が入り,こうして死が,すべての人が罪をおかしたがゆえにすべての人に広がった・・・。」(ローマ5:12)

 アダムの子孫はこの地上でいつまでも生き続けることはできなくなりました。この地上に生まれてきても、受け継いだ罪のゆえに罪と死に支配されることになりました。つまり、アダムの子孫は皆だんだんと年を取って病気になり、最後には死んでしまうという状況に陥ってしまいました。

 しかし、神はその憐れみゆえに人類を罪と死から救い出すための手段をとられました。神は、イエス・キリストを人類の罪のための身代わりとして、死ぬように取り計らわれました。これを贖いと言います。(マタイ20:28)

 このキリストの贖いのゆえに人類の一部の人は地から買い取られて天で王また祭司として奉仕します。(啓示14:4;5:10)それは、キリストと共に天から千年間支配して、人類が罪のうちに死ぬという状態から救い出すためです。

 それゆえ人が天に行くのは人類に最初から差し伸べられた希望ではありませんでした。アダムの反逆ゆえに生じた惨害から人類を助け出すために一部のクリスチャンが天に行って奉仕をすることになりました。

 それで、聖書はクリスチャンに天での永遠の命と地上での永遠の命と二種類の希望を差し伸べています。どちらの希望を差し伸べるかはエホバ神がお決めになります。