エホバは奉仕に対する報酬を与えられる神

「主権者なる主エホバはこのように言われた。『いまわたしはエジプトの地をバビロンの王ネブカドレザルに与える。彼は必ずその富を運び去り,多くのものを分捕り,多くのものを強奪する。そしてそれは必ず彼の軍勢のための報酬となる。』」(エゼキエル29:19) 


冒頭の聖句にエホバは、バビロンの王ネブカドレザルの軍勢の報酬としてエジプトの地の富が与えられると述べられています。それは、どうしてでしょうか。エゼキエル29章18節によると、バビロンの王ネブカドレザルとその軍勢はティルスを攻め攻囲壁を作るという大いなる奉仕を行ないました。ティルスに対する攻撃の結果、その軍勢のすべての頭はかぶとですれて「はげ」、肩は包囲柵を作るのに使う資材を運んだために「擦りむけ」ました。けれども、その奉仕に対して、ティルスからは報酬は無かったからでした。


 エゼキエルがこのことをネブカドネザルに語ったのが、第27年と書かれています。(エゼキエル29:17)これは、エホヤキンの流刑の第27年と考えられます。(エゼキエル1:2)しかし、エホヤキンの流刑の第11年、つまりそれより、16年前に、預言者エゼキエルはネブカドレザルに関して、次のように預言していました。(エゼキエル26:1)それは、バビロンの王ネブカドレザルとおびただしい民がやってきてティルスを攻め、ティルスに向かって攻囲壁を作るという預言でした。(エゼキエル26:7,8)


ユダヤ人の歴史家ヨセフスによると、実際にその攻囲は13年の間続きました。(「アピオンへの反論」,I,156[21])それで、ティルスに対する攻撃のためにバビロニア人は多大の犠牲を払いました。
バビロンの王ネブカドレザルはエホバから多くの預言を与えられた王でした。彼は、エホバを至高の神として認め、ある程度エホバを恐れていました。(ダニエル4:34)それで、ネブカドレザルはおそらくエゼキエルのこの預言を知って、この預言と調和して行動していたのでしょう。それで、ネブカドレザルの「奉仕」と述べられているのでしょう。(エゼキエル29:18,20)


エホバは、ネブカドネザルと彼の軍勢の長年の奉仕に対する報酬が何も無いままにされませんでした。エホバ神は感謝の念の厚い方で、そのご意志に従って行なわれた奉仕に対して報酬を与えられる方であることが分かります。それも、エホバは異教のバビロンの王とその軍勢がみ言葉に調和して行動した時に報酬を与えられました。


エホバはご自分の民が、ご自分のご意志に従って行動するときには、さらにいっそう、報いを与えられることでしょう。私たちはお祈りをする時、エホバ神のこの特質に訴えてお祈りすることもできるでしょう。