歴代第二20章・無力のうちに皆で神に祈る

「私たちの神よ,あなたは彼らに裁きを執行してくださらないのですか。私たちに攻めて来ているこの大群の前で,私たちのうちには力がないからです。私たちは,どうしたらよいか分かりません。ただ,私たちの目はあなたに向かうのみです。・・・『あなた方はこの場合,戦うにはおよばない。しっかり立ち,立ち止まって,あなた方のためのエホバの救いを見よ。』・・・明日,彼らに向かって出て行きなさい。そうすれば,エホバはあなた方と共にいるであろう」(歴代第二20:12,17)


 エホシャファト王は無力のうちにエホバ神に依り頼みました。ある時、モアブ人、アンモン人さらにアモニム人の一部の者が大群となってユダに攻めて来ました。王はユダ全国に対して断食をふれ告げました。それで、ユダのすべての都市から人々が集まって来てエホバの助言を求めました。それで、王はエホバの家の中でエホバに祈りました。冒頭の聖句のように王は自分たちが全く無力であることを認めてエホバの救いを願い求めました。彼が祈っている間ずっとユダの人々は男も女も子供たちも皆,エホバのみ前に立っていました。


 エホシャファト王はエホバの目に良いことを行ない、偶像崇拝を取り除く運動をしていました。ですから、エホシャファト王の場合は、「困った時の神頼み」ではなくて、日頃エホバに喜ばれることを行なっていました。


 エホバは王の祈りにどのように答えましたか。その時、エホバの霊が会衆のただ中でヤハジエルに臨んで彼は預言しました。「エホバはあなた方にこのように言われました。『あなた方はこの大群のゆえに恐れたり,おびえたりしてはならない。この戦いはあなた方のものではなく,神のものだからである。明日,彼らのところに攻め下れ。』」


 彼らは朝早く起きて,荒野に出て行きました。その時,エホシャファトは民と相談し,エホバに向かって歌う者たち,賛美をささげる者たちを配置しました。彼らは武装した者たちの前に出て行って、「エホバに賛美をささげよ。その愛ある親切は定めのない時までも及ぶからである」と歌いました。


 エホバはユダに入って来たアンモン,モアブおよびセイルの山地の子らに対して待ち伏せする者を設けました。それで、彼らは互いに同士討ちをしました。最初に、アンモン人とモアブ人が、セイルの山地の住民に対して立ち上がって滅ぼし尽くしました。そして今度はアンモン人とモアブ人が互いに同士討ちをして滅ぼし合いました。 それで、預言どおり、ユダの人々は全く戦う必要はありませんでした。ユダの人々は,荒野に来て敵の大軍を見てみると、彼らはみな地に倒れた死がいとなっていました。それで、ユダとエルサレムの人々は皆,エホシャファトを先頭にして喜びながらエルサレムに帰りました。


 エホシャファトは国家的な危機に際してなぜ成功を収める事が出来たのでしょうか。エホシャファト王は指導力を発揮してユダの人々全体をエルサレムに集めてエホバに祈るようにさせました。さらに、彼は自分たちが無力である事を認めて、エホバに全く救いをお願いしました。


 私たちも自分の力では対処できない問題に直面するかもしれません。私たちはその問題に関して無力だと感じるかもしれません。その場合はその事を認めてエホバ神に祈りのうちに頼ってエホバの救いをお願いする事ができます。


 また、重大な問題の場合は、大勢の人が皆で一緒に思いをひとつにして祈るように取り計らう事ができます。(使徒4:24,29,31)エホバはご意志と調和しているならば、祈りに答えて無力な者たちを助けるために行動してくださるでしょう。