マタイ2章・サタンは占星術により幼子イエスを殺そうとする

「イエスが王ヘロデの時代にユダヤベツレヘムで生まれたのち,見よ,東方からの占星術者たちがエルサレムに来て,こう言った。『ユダヤ人の王としてお生まれになった方はどこにおられますか。わたしたちは東方に[いた時,]その方の星を見たのです。』」(マタイ2:1,2)


 占星術は、私たちの生活の身近な所に浸透しています。新聞や雑誌などに、星占いのコラムがあることが少なくありません。しかし、イエスの誕生の頃のいきさつを注意深く調べるならば、サタンが占星術を用いて幼子イエスを殺そうとはかったことが分かります。このことからも、占星術は聖書の神に用いられるものではなく、サタンが神の目的に反対するために用いる手段になっていることが分かります。


 冒頭の聖句が示す通り、イエスユダヤベツレヘムで生まれた後、東方の占星術者たちはユダヤ人の王が生まれたことを示す星を見ました。そして、そのことを占星術者たちはヘロデ王に告げました。(マタイ2:1,2)この記述を読むと、あたかも神が東方の占星術者たちに星を見せたように思うかもしれません。


 しかし、東方の占星術者たちがヘロデ王にそのことを告げた結果はどうなったでしょうか。ヘロデ王は、それを聞いて動揺しました。(マタイ2:3)ヘロデ王ユダヤ人の王として子供が生まれたと聞いて、自分や自分の王統をおびやかす存在だと考えたに違いありません。なぜなら、幼子に敬意をささげるため、占星術者に幼子を捜し、見つけたら、自分に報告するようにと述べていますが、それは口先だけだからです。(マタイ2:8)占星術者が戻って来ないことが分かると、ヘロデは、ベツレヘムとその全地域の二歳以下の男の子すべてを殺させるいうような残酷なことをしています。(マタイ2:16)


 それで、占星術者たちが、ユダヤ人の王の星が現れたことをヘロデ王に告げたことは、幼子イエスの命を危険にしました。ですから、占星術者たちの見た星は、ヘロデ王が幼子イエスを滅ぼそうとすることを計算に入れた悪魔サタンの仕業であったに違いありません。それで、サタンは自分の目的を達成するために、人々に光体を見せることができたに違いありません。


 実際、聖書は占星術を非としています。モーセの律法によると、「占いに頼る者」、「出来事の職業的予告者」はいてはいけないことになっていました。(申命記18:10〜12)また、聖書は占いは悪霊の力によることを明らかにしています。(使徒16:16)


 エホバ神は、ヨセフに夢を見させ、その中でみ使いがヘロデ王の企みを知らせ、妻のマリアと幼子イエスを連れて、エジプトに逃げるように指示しました。ヨセフはその通りにして、ヘロデ王が死ぬまで、エジプトに留まりました。(マタイ2:13)それで、サタンの企てはくじかれ、幼子イエスは守られることになりました。


 しかし、幼子イエスに起こったことからも、占星術などの占いは、悪魔サタンが神の目的に抵抗しようとして用いる手段になっていることが分かります。私たちは占いに惑わされないようにすべきであり、占いを退けるべきです。