イザヤ65章・山に逃げて自然と調和した生活に戻る

「彼らは必ず家を建てて住み,必ずぶどう園を設けて[その]実を食べる。彼らが建てて,だれかほかの者が住むことはない。彼らが植えて,だれかほかの者が食べることはない。」(イザヤ65:21,22)


 冒頭の聖句が示しているように、聖書は神の王国のもとでの人間の生活が、牧歌的な農村での自給自足の生活であることを述べています。私たち現代人の多くはお金に頼った都会での便利な生活に慣れてしまっています。そのため、自然と調和した生活がいいと思っていても、なかなかそうした生活に切り替えることができなくなっている人が多いでしょう。


 一昔前は多くの農家が自給自足に近い生活をしていました。その生活は面倒なことが多く、便利な物は少なくお金はあまりありませんが、自然と調和した生活でした。私たちの一部はそうした生活を覚えているでしょう。


 現代世界の都市人口はふくらみ続けています。都市部の人口増加がこのままのペースでつづいたと仮定すると2015年には71億の世界人口のうちおよそ60%が都市部に住むことになります。ラテンアメリカではすでに全人口の75%が都市部に住んでいて、その大部分が不衛生なスラム街の劣悪な環境で暮らしています。


 人口が急速に都市部に集中している理由は幾つもあるでしょう。土地の砂漠化、疲弊化のために田舎で農業ができなくなって、仕方なく都市部に移住した人も多いに違いありません。けれども、都市部に移住する人の中には、現代の便利な電化製品や、添加物の多い加工品に頼った便利な生活にあこがれて移住した人も多いかもしれません。


 しかし、都市での生活は便利なことがあっても、環境を破壊し、ゴミを産み出し、汚染を生じさせます。また、都会での便利な生活は活性酸素を産み出し、わたしたちの健康にも良くありません。
自然と調和した生活がいいと分かっていても、そうした生活に切り替えるのは現代人にとって容易ではありません。今私たちは電気や水道やガス、便利な物や車に頼った都会生活に慣れています。お店にいけば何でも手に入ります。けれども、私たちはいつ、環境を破壊しない、自分の健康にいい生活を始めるのでしょうか。イエスが山に逃げなさいと助言してくださった時が好機だと言えます。


 また、山に移動するときは、太陽発電など、クリーンで安全で、長い目で見れば、経済的なエネルギーに切り替えて、環境と自分の健康にいい生活に切り替えるチャンスだと言えます。


 電気やガスが利用できなくなる可能性を考えると、昔ながらの水車を使って水力発電をしたり、太陽電池の利用を考えたりするのが有用だと思われます。太陽電池の知識を持っていることや、太陽電池の機材を準備しておくことは助けになると思われます。太陽電池は最初に初期投資が必要ですが、取り扱いも比較的安全で維持費が大変安く済み、有用なものになるでしょう。


 イエスが山に逃げるようにと言われた状況は、ずっと将来のことだと考えられますが、私たちは、もちろん、今でも、環境を破壊しない健康に良い自給自足の生活を始めることができると思います。確かに、緊急に急いで、山に逃げるのではなく、前もってできるだけ良く考えて準備して、自給自足の生活を始められたら、それに越したことはないでしょう。