使徒12章・会衆の祈りによりペテロは救い出される

「こうしてペテロは獄に入れられていた。しかし,彼のために神への祈りが会衆によって熱烈に続けられていた。」(使徒12:5)


 初期クリスチャン会衆が設立されてまもなく、使徒たちの中で初めて殉教者が出ました。ヘロデ王ヨハネの兄弟ヤコブを剣にかけて除き去ったのです。(使徒12:2)それがユダヤ人の気に入るのを見て、ヘロデはさらにペテロをも捕縛しました。(使徒12:3) すでに、サンヘドリンに引き出され、ステファノが石打ちで殉教していました。(使徒7:59,60) そして、ヤコブが殉教していたのですから、そのままにしておかれたら、ペテロも殉教を免れなかったかもしれません。


 ヘロデ王は、ペテロを捕まえ、獄に入れ、四人一組四交替の兵士に監視させました。ペテロを捕縛したのは、無酵母パンの時期でしたが、祭りが済んでからペテロを引き出すつもりでした。ところが、このような状況の中で、冒頭の聖句のように会衆によってペテロのために祈りが熱烈に続けられていました。


 会衆の祈りは聞き届けられたでしょうか。夜、ペテロは二本の鎖につながれて二人の兵士の間で眠っており、戸口の前の番兵たちは獄を守っていました。そこにエホバのみ使いが現れ、ペテロの脇腹をたたいて起こし、「早く立ちなさい!」と言いました。すると、鎖は彼の両手から落ちました。おそらく、ペテロの両脇にいた二人の兵士はみ使いのために熟睡していたのか、動けなくされていたのでしょう。


 ペテロはみ使いの言うとおり、帯を締め、サンダルを履きました。最後にみ使いは、「外衣を着けて、わたしのあとに付いて来なさい。」と言いました。それで、ペテロは外に出て、み使いのあとに付いていきましたが、第一と第二の見張り番を通り抜けました。彼らも、み使いによって熟睡していたか、動けなかったのでしょう。そして、市内に通ずる鉄の門のところに来ると、それはひとりでに開きました。外に出て通りを一つ進むとみ使いはペテロを離れました。


 ペテロは起きていることが現実だと思っていませんでしたが、我に帰り、「エホバはみ使いを遣わして、わたしをヘロデの手から、そしてユダヤの民が待ち構えていたすべての事から救い出してくださったのだ。」と言いました。(使徒12:11)ペテロは、大勢の人が集まって祈っていた仲間の信者の家に立ち寄った後、別の場所に旅立ちました。


 それで、ペテロのために会衆によってささげられたエホバへの祈りは聞き届けられ、事態は変化し、ペテロはその時殉教することから救い出されました。神のしもべの祈りは、神のご意志にかなう時、聞き届けられますが、大勢の神のしもべによってささげられる祈りはとりわけ聞き届けられることが分かります。確かに、祈りによって結果は変わってくると言えます。


 ヨハネ第一5章14節は、「何であれわたしたちがそのご意志にしたがって求めることであれば,[神]は聞いてくださるということです。」と述べています。


 また、ヤコブ5章16節は、「互いのために祈りなさい。それは,あなた方がいやされるためです。義にかなった人の祈願は,それが働くとき,大きな力があります。」と述べています。私たちは、とりわけ神のご意志が行なわれるよう互いのために祈りましょう。

 ヨハネが、このブログをいつまでもいつまでも続けられるように、皆さん、ヨハネのためにもお祈りをよろしくお願い致します。皆さんの祈りによって状況は変わってくると思います。