マタイ24章・イエスの臨在とは何を意味するか

「[イエス]がオリーブ山の上で座っておられたところ，弟子たちが自分たちだけで近づいて来て，こう言った。『・・・あなたの臨在と事物の体制の終結のしるしには何がありますか。』」(マタイ24：3)

　イエスが地上での生活の終わりが近い頃、イエスの弟子たちがイエスに、「あなたの臨在と事物の体制の終結のしるしには何がありますか」と質問しました。これは、新世界訳です。イエスの臨在とは何を意味するのでしょうか。

　まず、この聖句の中で、イエスはご自分の臨在と事物の体制の終結を結び付けられました。

　イエスは王国についての多くのたとえ話の中で、イエスは弟子たちのもとに再び戻って来ること、すなわちご自分の臨在について説明しておられます。ですから、イエスは事物の体制の終結の時に、臨在され、ご自分の弟子たちとの関係を正されることが分かります。

　マタイ24章の忠実で思慮深い奴隷のたとえ話によると、思わぬ時刻に人の子イエス・キリストは来て、忠実で思慮深い奴隷を「任命して自分のすべての持ち物をつかさどらせ」ます。しかし、「よこしまな奴隷が、・・・仲間の奴隷をたたき始め・・・るようなことがあるならば、・・・彼の知らない時刻に来て、最も厳しく彼を罰・・・(す)るでしょう」と述べられています。（マタ 24：43‐51）

　マタイ25章のタラントのたとえ話によると、主人は奴隷たちを呼び寄せて、自分の持ち物をゆだねますが、「長い時を経た後、その奴隷たちの主人が来て、彼らとの勘定を精算しま(す)。」「善良で忠実な奴隷」には、是認が表明され、主人は彼を「任命して多くのものをつかさどらせ(ます)。」しかし、「邪悪で不精な奴隷」には、主人の不興が表明されます。

　ルカ19章のミナのたとえ話では、「ある高貴な生まれの人が、王権を確かに自分のものとして帰るため遠くの土地へ旅行に出ました。・・・やがて、王権を確かに得て戻って来た時、彼は銀子を与えておいたこれらの奴隷を呼び寄せ」、商売をしてもうけた奴隷に対して、「よくやった」と言ってより一層大きな権威を与えます。しかし、何もしなかった邪悪な奴隷は打ち殺されます。（ルカ 19：11‐27）

　ですから、イエスの臨在とは、イエスがさらに権威が与えられ、王権を与えられたことの表明として生じることであることが分かります。ですから、事物の体制の終結の時とは、イエスが王となられて権威を行使する期間であることが分かります。また、イエスの臨在の時に、地上にいるイエスの弟子たちにイエスの裁きが表明されることになります。忠実な奴隷と不忠実で不精な奴隷のそれぞれと清算が行なわれ、ふさわしい報いが与えられます。

　それで、イエスの王としての臨在のときには、まずイエスの僕と自称する者たちに対して、個人的な検分や裁きが行なわれてから、是認された人々に報いが与えられ、主人であるイエスの意に沿わなかった自称イエスの僕たちは裁かれることが分かります。

　イエスが忠実な弟子たちにさらに責任を与えるということは、おそらく地上でイエスの忠実な弟子たちの業が拡大することを意味しているでしょう。

　また、マタイ25章の羊とやぎのたとえ話によると、「人の子がその栄光のうちに到来すると」、イエスの兄弟たちに親切にした羊のような人々は、「王国を受け継ぎ」「永遠の命に入ります」。一方、イエスの兄弟たちに何の支持も与えなかった、やぎのような人々は、「永遠の切断に入り」ます。(マタイ 25：14‐45)

　ですから、イエスの臨在の時には、まず自称イエスの僕に裁きが行なわれてから、その後、自称イエスの僕たち以外の全人類に対しても裁きが執行されることが分かります。

　啓示の書にあるイエスの臨在の記述を考慮してみましょう。啓示19章には、イエスとイエスに率いられた天にある軍勢が諸国民を打つことが予告されています。(啓示19：11‐16)啓示20章には、殉教の死を遂げた者たちが復活して、祭司また王として千年の間支配することが予告されています。(啓示20：1‐6)啓示21章によると、新しいエルサレムが力を行使すると神が人と共に住まわれるようになります。つまり、神の王国の支配の益が人類に十分もたらされる時が到来します。（啓示21：1‐4，9，10）当然の結果として、千年統治が始まります。（啓示 20:1‐6）。

　それで、イエスの話された王国のたとえ話と啓示の書を考慮すると、イエスの臨在の時には、まず自称イエスの僕に対して清算が行なわれ、それぞれに報いが与えられます。忠実な者たちには、さらに大きな権威が与えられます。イエスの忠実な弟子たちへの報いには、天へ復活して、祭司また王として支配を行なうことが含まれるでしょう。そして、自称イエスの弟子たち以外の者たちに対しては裁きが行なわれます。真のイエスの弟子たちに支持を与えなかった諸国民は、滅ぼされることになります。一方、真のイエスの弟子たちに支持を与えた者たちは、永遠の命が差し伸べられ、神の王国の千年統治の祝福を享受することになります。

　イエスの臨在に何が関係しているかさらに他の聖句の洞察について次回取り扱いたいと思います。

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