マタイ24章・続々 イエスの臨在とは何を意味するか

「[イエス]がオリーブ山の上で座っておられたところ,弟子たちが自分たちだけで近づいて来て,こう言った。『・・・あなたの臨在と事物の体制の終結のしるしには何がありますか。』」(マタイ24:3)


 イエスが地上での生活を終えるのが近い頃、イエスの弟子たちはイエスに、「あなたの臨在と事物の体制の終結のしるしには何がありますか」と質問しました。イエスの臨在とは何を意味するか、「マタイ24章・イエスの臨在とは何を意味するか」とその「続」のふたつの記事の中で検討しました。


 イエスの臨在の時には、まず自称イエスの僕に対して清算が行なわれ、それぞれに報いが与えられます。忠実な者たちには、さらに大きな権威が与えられます。ですから、忠実な神の僕の地上の業は拡大することになるでしょう。


 イエスの忠実な弟子たちへの報いには、天へ復活して、祭司また王として支配を行なうことが含まれます。そして、自称イエスの弟子であってもイエスの弟子としての仕事をしなかった者たちや、真のイエスの弟子たちに支持を与えなかった諸国民は、滅ぼされることになります。一方、真のイエスの弟子たちに支持を与えた者たちは、永遠の命が差し伸べられ、神の王国の千年統治の祝福を享受することになります。


 しかし、イエスの目に見えない臨在を識別するのは、忠実な人々だけでしょう。忠実な神の僕以外の一般の人類からは、イエスの臨在は識別されないでいるでしょう。イエスの臨在について検討すると、これらのことがイエスの臨在と結びついて述べられています。


 今回はマタイ24章3節の背景になることについて述べてみたいと思います。マタイ24章3節のイエスの臨在は、全地球的な事物の体制の終結の時と同時に述べられています。ですから、イエスの臨在は事物の体制の終結の時と重なるということができます。


 イエスの臨在について考えるにあたって、マタイ24章3節で、イエスの弟子たちがこのように質問した背景を考えてみましょう。イエスは、神がイスラエルを捨て去ることを予告されていました。(マタイ21:34)さらに、オリーブ山の上で、弟子たちが神殿の建物を示そうとしてイエスに近づいて来た時、イエスはそれに答えて、「石が石の上に残されて崩されないでいることは決してないでしょう。」と言われました。(マタイ24:1,2)それで、イエスは不動のものと思われていたエルサレムの神殿が崩されてしまって無に帰する時を予告されました。


 それで、イエスの弟子たちは、エルサレムの神殿での崇拝を中心としたユダヤ教の事物の体制の終わりを予期しており、そのことについてさらに知りたいと思って質問しました。その当時、イエスの弟子たちの将来についての理解は限られていました。弟子たちはユダヤ教の事物の体制の終結の時が、イエスの臨在と重なると考えていましたが、一世紀のイエスの弟子たちの理解は不正確なものでした。(ヨハネ16:12。コリント第一13:12)


 イエスの弟子たちは質問した時、理解していませんでしたが、イエスの答えによると、「人の子の臨在」は、「稲妻が東の方から出て西の方に輝き渡るよう」なものです。(マタイ24:27)また、イエスは、「地のすべての部族」は「人の子が力と大いなる栄光を伴い天の雲に乗って来るのを見るでしょう。」とも言われました。(マタイ24:30)ですから、イエスの臨在とは、全地球的な規模のものです。それで、単にユダヤ教の事物の体制の終結の時がイエスの臨在を意味するのではありませんでした。イエスの臨在は、全世界的な事物の体制の終結の時になります。


 しかし、イエスは弟子たちの質問に答えるに当たって、イエスの弟子たちの当面の関心事であるユダヤ教の事物の体制の時を示すしるしについても予告されました。それで、イエスは弟子たちの質問に答える際、ユダヤ教の事物の体制の終結の時と、全地球的な事物の体制の終結の時とご自分の臨在の共通のしるしとなる出来事を予告されました。ですから、イエスの予告されたしるしは、一部がユダヤ教の事物の体制の終結の時にも成就しました。しかし、イエスは、全地球的な事物の体制の終わり、ご自分の臨在を示す特徴的なしるしについても予告しておられます。


 事物の体制の終結の時は単に事物の体制の終わり、最後の瞬間を意味するのではありません。事物の体制の終結の時というのは、終わりに向かって突き進む一定の期間を意味しています。イエスの臨在の時と、事物の体制の終結の時とは重なっていて、一定の長い期間が経過します。


 イエスの臨在の時が、なぜ一定の長い期間を意味しているかに付いては、さらに次の機会にも取り上げたいと思います。


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