列王第一22章・神は邪悪な者を滅ぼすため偽りの預言を用いる

「それからエホバは言われました,『だれがアハブをだまして,上って行かせ,ラモト・ギレアデで倒れさせるのか』。すると,こちらの者はこのように言いだし,そちらの者はそのように言っていました。ついに,ひとりの霊が出て来て,エホバの前に立ち,『私が彼をだましましょう』と言いました。そこでエホバは彼に,『どういうふうにしてするのか』と言われました。これに対して彼は言いました,『私が出て行き,必ず彼のすべての預言者の口で欺きの霊となりましょう』。」(列王第一22:20〜22)


 イスラエルの王アハブは基本的には、バアル崇拝者でした。ところが、エホバとの交渉を通してアハブは表面上はエホバを恐れるようになったものと思われます。ラモト・ギレアデでのシリアとの戦いに関して、エホバの預言者に伺ってみてくださいというユダのエホシャファト王の要請に応じて、アハブはエホバの預言者を集めたと記録されています。(列王第一22:5,6)


 しかし、アハブは、真にエホバを恐れる者とはなっていませんでした。それで、エホバはアハブをラモテ・ギレアデでの戦いで倒れさせようと考えておられました。それで、天でエホバとみ使いたちの話し合いが行なわれました。冒頭の聖句にあるように、ひとりのみ使いがアハブのすべての預言者の口で欺きの霊となってアハブを騙すことを申し出ました。エホバはそのみ使いの申し出を受け入れられました。(列王第一22:20〜22)


 そのため、エホバのみ使いに動かされて、イスラエルの四百人の預言者たちは、異口同音にアハブを戦いに行くように誘う欺きの預言を述べました。イスラエルの四百人のエホバの預言者たちが偽りの預言を述べた後、ユダのエホシャファト王の要請に応じて、預言者ミカヤが連れてこられて、真実の預言をアハブとエホシャファト王は聞くことになりました。ミカヤは、天で行なわれたエホバとみ使いの話し合いについて奇跡的に知らされ、それをアハブとエホシャファトに告げました。預言者ミカヤだけが真実の事情を知らされ、真のエホバの預言を述べました。

 
 エホバは公正にアハブ王が真実の預言を聞くことができるようにされました。アハブが預言者ミカヤの言葉に従っていれば、アハブは命を永らえることになったことでしょう。けれども、アハブは、真のエホバの預言の言葉に耳を傾けることはありませんでした。しかし、エホバはアハブを倒れさせることを考えておられたので、アハブが預言者ミカヤの預言を退けることは、エホバの御意志にかなっていました。


 それで、エホバはご自分のみ言葉に関連して偽りの預言が語られることを許されることが分かります。それは、邪悪な人が偽りを信じて、滅ぼされるようにするためかもしれません。邪悪な者は、真の預言と偽りの預言を両方聞いて、やはり信じたいことを信じるでしょう。自分に都合のいい偽りの預言の方を信じるでしょう。


 これは、大いなるバビロンに関する預言についても言えることでしょう。大いなるバビロンについて相反する預言がある場合、邪悪な者たちは、真の預言を聞いても、やはり自分に都合のいい偽りの預言を信じるでしょう。そのようにして、自ら滅びるように行動してしまうことでしょう。


 では、私たちはどのように真のエホバの預言と欺きの預言を見分けることができるでしょうか。表面的にエホバの言葉を聞くだけでは、真の預言と偽りの預言を見分けることができず、欺かれてしまうかもしれません。その預言を語る預言者の人数では判断できません。聖書を注意深く研究することによってしか、見分けることはできないことでしょう。


 エホバはご自分のみ名のために、アハブを助けられたこともありました。けれども、アハブの例に示されているように、最終的には、エホバは偶像崇拝者や、律法違反者や流血の人に好意的な預言を語られることはありません。エホバに親切にされても、悔い改めない偶像崇拝者や律法違反者は、最終的には、滅びるように取り計らわれるでしょう。その際にエホバは偽りの預言を用いるかもしれません。


 私たちは、何がエホバの真の預言なのか、聖書を注意深く研究して、慎重に見分ける必要があります。


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