イザヤ54章・続 なぜエホバは婚外交渉を禁じられるのですか

「『あなたの偉大な造り主はあなたの夫たる所有者、その名は万軍のエホバである。イスラエルの聖なる方はあなたを買い戻す方。その方は全地の神と呼ばれるであろう。エホバはあなたを、あたかも完全に捨てられ、霊の傷ついた妻であるかのように、また、若い時の妻でありながら、やがて退けられた者のように呼ばれたからである』と、あなたの神は言われた。」(イザヤ54:5,6)


 なぜエホバは婚外交渉を禁じられるのですか。結婚制度は、エデンの園で、エホバによって創設されましたが、結婚は夫と妻が一体になることを求めるという契約関係だからです。エホバは契約に人間だけが忠節であることを求められるのではありません。エホバはご自分も結婚関係にあるものとして描写しておられ、ご自分の比ゆ的な結婚契約に忠節を示されました。








 イザヤ54章では、エホバはご自分を、イスラエルの「夫たる所有者」と呼ばれ、イスラエルを「若い時の妻」と呼ばれました。西暦前1513年に、エホバ神は生来のイスラエル国民ととモーセの律法契約に入られました。エホバは、イスラエルとの間に結ばれた律法契約によって、ご自分をあたかも結婚契約に入ったものとみなしておられました。


 エホバ神は、いわゆるご自分の結婚契約に忠実でした。イスラエルが周囲の諸国民からおびやかされた時は、イスラエルを守り、救い出されました。(裁き人2:18)


 そして、イスラエルモーセの律法契約に違反してエホバ神以外の神、偶像の神を崇拝したり、エホバではなく周囲の諸国民に頼って保護を求めたりした時、エホバはイスラエルが姦淫をしたとみなされました。


 そのことは、エゼキエル書23章に記されています。エホバはそこでサマリヤを首都とするイスラエル十部族王国をオホラ、エルサレムを首都とする二部族王国をオホリバと呼んで彼らが姦淫を犯したと述べておられます。「彼らは姦淫を犯し、その手には血があり、その糞像と姦淫を犯したからである。」とあります。(エゼキエル23:37)


 エホバは、イスラエルとユダが偶像崇拝を行なったり、周囲の諸国民に頼ったりして、比ゆ的な姦淫を行なった時、不快に思われました。けれども、イスラエルとユダが周囲の諸国民から圧迫されてエホバに助けを呼び求めた時、ご自分の契約関係に対する忠節さゆえに、また彼らに対する憐れみゆえに彼らを助け出されました。そのようにしてエホバはご自分の結婚契約に何百年も忠節を保たれました。


 しかし、イスラエルが、国民全体として、モーセの律法契約に不忠節になり、神ご自身の独り子イエスを殺害することさえしてしまった時には、とうとう生来のイスラエルとの契約関係を捨て去ってしまわれました。モーセの律法契約は廃棄され、それに伴ってエホバ神を夫、生来のイスラエルを妻とする比ゆ的な結婚契約は終わってしまいました。しかし、それまでの間、エホバはイスラエルとの間に結ばれた律法契約におよそ千六百年もの間、忠節を保たれました。


 そのようにして、エホバ神ご自身、他の人と結んだ契約に忠節を保つという模範を示しておられることが分かります。エホバはご自分が契約関係に忠節であられるので、私たちにも、結婚という契約関係に対して忠節であることを求められます。



 エホバ神は、生来のイスラエルがご自分との契約関係に不忠実を示すことにより、心を傷つけられて痛みを覚えたと聖書は記しています。(詩編78:40,41)それでエホバは、結婚関係にある人が、その配偶者が不忠節になることによる苦しみを経験することに対して同情されます。実際、マラキ書の中で、エホバは結婚関係に不忠実になった夫の妻の感情に同情されることを示しています。(マラキ2:13,14)


 神は、ご自分と生来のイスラエル国民との比ゆ的な結婚の契約関係に最善を尽くして忠節を保たれました。同じようにエホバは、人が結婚関係の中で忠節という約束を誠実に果たすことを期待されます。それで、エホバ神は淫行と姦淫を禁じておられます。結婚関係にある人は、その関係に忠節を保ち、エホバ神にみならうようにしましょう。



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