啓示20章・神の王国の千年支配の後の試み

「さて,千年が終わると,サタンはすぐにその獄から解き放される。彼は出て行って,地の四隅の諸国民,ゴグとマゴグを惑わし,彼らを戦争のために集めるであろう。それらの者の数は海の砂のようである。そして,彼らは地いっぱいに広がって進み,聖なる者たちの宿営と愛されている都市を取り囲んだ。しかし,天から火が下って彼らをむさぼり食った。」(啓示20:7〜9) 


 ヨハネへの啓示の書は、イエス・キリストと仲間の支配者たちが王となる神の王国の千年支配について預言しています。啓示の書はそれだけでなく、遠く神の王国の千年間の支配が終わった時のことを預言しています。


 イエスはこの事物の体制を終わらせた後、悪魔サタンを底知れぬ深みに投げ込み,千年が終わるまでもはや諸国民を惑わすことができないようにしていました。(啓示20:2,3)そのため、神の王国はサタンと悪霊たちの妨害のない状態で支配し、人類はアダムが持っていたような完全さに引き上げられています。それでアダムから受け継いだ罪による死はなくなってしまいます。(コリント第一15:25,26)


 その後エホバ神は、神の王国の支配により完全になった人類が、永遠の命にふさわしいかどうかを試みることをされます。すなわち人類がエホバ神の支配権を本当に支持するかどうかを調べられます。そのため千年支配が終わると,悪魔サタンがしばらくのあいだ底知れぬ深みの獄から開放されます。(啓示20:7)


 千年支配が終わった後に解き放されるのは、悪魔だけでしょうか。悪霊たちも解き放されるのでしょうか。これは推測にすぎませんが、完全になったアダムの子孫の人数が非常に多いことを考えると、その試みのために悪魔サタンだけでなく悪霊たちも解き放されるのかもしれません。


 千年支配の間に、古い事物の体制を生き残った大群衆も、復活させられた人々も、エデンの園で罪を犯す前のアダムのような完全さに到達しています。しかし、とりわけ楽園で復活させられた不義者であった人々は試練や誘惑のもとでエホバ神に忠誠を保つという経験をしたことがありません。(使徒24:15)
かつてエホバ神は、エデンの園で悪魔サタンが完全なアダムとエバを誘惑して彼らのエホバの支配権に対する忠節を試すことを許しました。今度は悪魔サタンを自由にして、完全になった人類のご自分の支配権に対する忠節を試されます。


 底知れぬ深みから開放された悪魔サタンは地の四隅の諸国民,ゴグとマゴグを惑わすと述べられています。地の四隅の諸国民、ゴグとマゴグとは誰でしょうか。地の諸国民という表現はゴグとマゴグが神の王国を支持するのではなく、人間の政府の支配を支持していることを示しているでしょう。(啓示11:17,18)


 エゼキエル38章に、マゴグの地のゴグについての預言があります。ゴグとマゴグというのは、千年支配が終わった後に悪魔サタンに惑わされて、人間の支配を望むようになって神に忠節な神の民に総攻撃を加えるグループや個人を表わしているでしょう。この事物の体制の最期の時に、北の王すなわち野獣の像、人間製の国際的な組織を支持する人々は神の民を攻撃します。このことは、神の王国の千年支配の最後の時に、人類の多くが再び、人間製の世界政府を支持するようになることをおそらく示しているのでしょう。


 マゴグの地のゴグは多くの民を動かして戦争に駆り立てることが予告されています。その数は海の砂の粒のように多いと啓示の書に預言されています。(啓示20:8)それは、神の王国に反抗する者たちが数えつくせないほど多いということを示しています。(創世記32:12)


 彼らは戦争のために集められます。戦争であると述べられているので、彼らは、殺人を禁ずる神の律法に反する事を行なおうとするのかもしれません。彼らは武力、もしくは多数決の民主主義に訴えようとするのでしょう。エゼキエル書の38章の預言によると彼らは、「多くの民の中から集められた民の地」に対して総攻撃を加えます。その地の人々は「皆そこに安らかに住んでいた」とありますから、その地の民は戦うことをしない人々です。ですから、戦争と言ってもそれは神の王国に不従順な者たちによる一方的な攻撃でしょう。


 総攻撃を加える人々の大半は死から復活させられ、楽園で始めて神の真理を教えられた人々でしょう。彼らは復活させられ、再び生きるチャンスを与えられました。さらに、聖書の真理を教えてもらいました。そして人間としての完全さも与えられました。古い事物の体制での生活とは異なり神の支配のもとでの人々の生活が平和で幸福であることも目撃しました。彼らはそれでも、エホバ神の支配権を退ける立場を取りたいと考えます。エホバ神とその支配権に対する感謝と認識に何と欠けているのでしょう。


 啓示20章9節によると、神の王国に反逆する者たちに対して天から火が降り、滅ぼしつくしてしまいます。その時、神の王国に対して忠節を示す者たちは、この滅びを生き残り、永遠の命が与えられます。このことから、神の支配を支持するか、人間の支配を支持するかが重要な論争になることがわかります。また、私たちは神と神の王国に対して、忠節な態度を培っていれば、永遠の命をもって報われることが分かります。





啓示20章・続 神の王国の千年支配の後の試み



ルカ4章・なぜ悪魔にすべての王国の権威が与えられているか



ローマ5章・神はなぜアダムの子孫の罪を即座に治されなかったのですか


若い人のうつ病−小さな苦痛を処理する実際的な方法