現代の良心的兵役拒否−シンガポール・韓国・ドイツ

今回、現代の諸国家における良心的兵役拒否について取り上げたいと思います。まず、少し古いですが、下記の記事は、amnesty奈良グループ通信の2008年3月27日「アムネスティと(良心的)兵役拒否」の記事からの一部引用です。


アムネスティと(良心的)兵役拒否 (文:小谷)


1.現代の世界の良心的兵役拒否の状況


シンガポール
2006年、少なくとも8人の良心的兵役拒否者が投獄され、12人が刑に服していた。全員が非合法化された宗教組織エホバの証人の信者である。良心的兵役拒否者に代替役務を与えるような動きはない。


大韓民国
兵役拒否者の大半はエホバの証人の信者である。少なくとも936人が、兵役を拒んだとして2005年と2006年に有罪となって収監されている。4月、国防部は兵役に代わる非軍事分野での代替役務の設置を検討する調査会設置を発表した。


エリトリア
兵役を回避する人々が増え、数千人の徴集兵たちが脱走したため、当局は厳しい措置を定めた。警察による捜査と一斉検挙が行われ、子供の兵役回避と脱走に関わった容疑で教百人の親たちが拘禁された。その中には無期限に拘禁されるおそれのある人々もいる。この親たちは、行方不明の徴集兵の出頭と引き換えに多額の保証金を支払わなければ釈放されない。


イスラエル
占領地をイスラエルが占領することに反対し、兵役を拒否したイスラエル人男女数人が最長4か月間投獄された。彼らは良心の囚人である。

http://amnesty-jpn45g.cocolog-nifty.com/blog/2008/03/post_abee_2.html
全文は上のURLからご参照ください。
 


次に、下記のニュースは、社会福祉法人麦の子会むぎのこブログの2010年7月23日の記事をまとめたものです。現代のドイツでの良心的兵役拒否の一端に触れることができます。詳しくは、下記のURLをご参照ください。ドイツの良心的兵役拒否者の青年たちの写真が掲載されています。


 「ドイツ連邦共和国」では、憲法に基づく徴兵制度により、満18歳以上の男性国民に兵役を義務付けていました。あわせて、「良心」を理由に13ヶ月間、社会福祉活動への従事をもって兵役に代える事が保障されていました。


 ドイツの青年が4人、その良心的兵役拒否の制度を利用して、13ヶ月間の社会福祉活動従事を選択し、『日独平和フォーラム北海道』の招きに応じて北海道に来て、麦の子会を含む社会福祉施設で奉仕活動を行いました。麦の子会では、2005年(平成17)から毎年、ドイツからの1青年を受け入れ奉仕活動を行わせています。


帰国は7月末に予定され、それにちなんで「さよならパーティー」が7月16日夕方、札幌市北区にある『北海道クリスチャン・センター』内の食堂で行なわれました。さよならパーティーには、都合により欠席した1人を除くドイツ3青年を始め20余人が参加しました。麦の子会からは、フリースクールに通う子供とその母親・計11人が参加しました。


「日独平和フォーラム北海道」代表の挨拶・乾杯・会食に続いて3青年が一人ずつ、挨拶に立ちました。3青年の一人で、麦の子会のフリースクールで奉仕活動に勤しんで来たフィリップ・ジェンセン氏は遠足やスキーなどで楽しんだ時間は一度も忘れないということや、帰国したら心理学を学ぶということを述べました。その後、フィリップ氏はお開きまでの間、奉仕活動の間に習得した日本語を駆使しつつ、麦の子会の母親達と懇談しました。


 尚、麦の子会では今秋も、ドイツからの青年1人を新たに迎え、奉仕活動に勤しませることになっています。

2003年(平成13)以降、ドイツにおける良心的兵役拒否者の数は兵役に就く者の数を上回り、良心的兵役拒否者達は、ドイツの社会福祉事業に在ってその存亡を左右するだけの「戦力」となっていると言われていました。

冷戦の終結に伴って2010年7月1日からドイツの徴兵制は廃止されました。良心的兵役拒否者たちは代替役務につく必要もなくなりました。



※ ▲この記事は、『フリー百科事典・ウイキペディア』中の
  「ドイツ連邦軍」及び「良心的兵役拒否」を参照しています。
http://blog.livedoor.jp/muginoko2/archives/51652391.html


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