歴代第二16章・アサはエホバではなくシリアに頼り叱責される

「その時,予見者ハナニがユダの王アサのもとに来て,彼に言った,『あなたはシリアの王に頼り,あなたの神エホバに頼らなかったので,それゆえにシリアの王の軍勢はあなたの手から逃れ出たのです。』」(歴代第二16:7)


 歴代第二16章には、エホバの目に正しいことをしたユダの王アサが、エホバに頼らず失敗してしまったことが述べられています。アサはエチオピア人の大軍が攻めて来た時にはエホバに頼りました。その時、アサは、エホバの助けにより、エチオピア人の大軍に勝利を得ました。しかし、アサの治世の第三十六年にイスラエルの王バアシャがユダに攻め上ってきた時にアサは失敗してしまいました。


 バアシャは、ベニヤミンの領地にラマを建て始めました。それは、ユダのアサのもとに人々が出入りするのを困難にしました。なぜなら、ベニヤミンのラマはエルサレムの北約8キロの近くにあって、イスラエルとユダの間の境界に近かったからです。


 そこで、アサはシリアの王ベン・ハダドにエホバの家と王の家の宝物倉から銀と金を送りました。そして、「イスラエルの王バアシャとの契約を破棄し、彼がわたしのもとから退くようにしてださい。」と言い送りました。(歴代第二16:3)


 そこで、ベン・ハダドはアサのいうことを聞きいれ軍勢の長たちをイスラエルの諸都市に差し向けて討ちました。バアシャはただちにラマを建てる工事を中止しました。それで、アサがシリアの王に頼ったことはうまくいったように見えました。


 ところが、予見者ハナニがアサのもとにきて言いました。「あなたはシリアの王に頼り,あなたの神エホバに頼らなかったので,それゆえにシリアの王の軍勢はあなたの手から逃れ出たのです。」(歴代第二16:7)


 ハナニは、アサに以前にあった出来事を思い出させました。「あのエチオピア人とリビア人は,戦車や騎手の点でおびただしい,非常に大きな軍勢ではなかったでしょうか。けれども,あなたがエホバに頼ったので,[神]は彼らをあなたの手に渡されたのではありませんか。エホバに関しては,その目はあまねく全地を行き巡っており,ご自分に対して心の全き者たちのためにみ力を表わしてくださるのです。」(歴代第二16:8,9)


 エチオピア人の軍勢百万人が攻めてきた時は、アサは、エホバに頼りました。それで、アサはエチオピアの大軍に勝利を得ることができました。エホバは、敵の数の大小にかかわらず助けることができます。エホバは、ご自分に全く頼る者たちのためにみ力を表わしてくださいます。


 アサは、今回の問題に対処するに当たっても、以前彼がそうしたように、エホバに祈ってエホバの助けに依り頼んで行動するべきでした。アサはそうせず、シリアの王に頼ったので、予見者を通してエホバから叱責されました。予見者は続けてこう言いました。「あなたはこのことに関して愚かなことをしました。今からあなたに対して戦争があるからです。」(歴代第二16:9)


 アサがシリアの王に頼ったことは、決して賢いことではありませんでした。確かに、イスラエルのバアシャの脅威は取り除かれたので、表面的に賢いことに見えました。しかし、その結果、ユダはシリアを倒すことはできず、シリアの脅威は残ることになりました。また他の諸国家に頼ったことは、エホバの不興を買いました。


 アサは、予見者ハナニに対して怒って彼を足かせ台の家に入れました。そして、アサは、両足に病を患い、ひどく病みました。しかし、その病の中でもアサはエホバを求めず、治療者を求めたので、アサは二年後にそのまま死んでしまいました。(歴代第二16:10,12)


 聖書は、エホバに頼ると自称している国家がエホバではなく他の諸国家との同盟に頼ることを、エホバはご自分に対する不忠実と見なされます。ユダはエホバと契約関係にありましたから、言わばエホバの妻という立場にありました。そのユダが他の諸国家に頼ることは、その結婚ともいうべき契約関係に対する不忠実、「姦淫」とも言うことができました。実際聖書はエゼキエル書の中でユダが他の諸国家に頼ったことを、「姦淫」また「売春」と呼んで非難しています。(エゼキエル16:28〜34;23:11,12,43)ユダはそのためにバビロンによって滅ぼされる結果になりました。


 私たちも物事を行なう時には、いつもエホバに頼り、エホバ以外のもの例えば諸政府に頼らないようにしましょう。また、私たちは、エホバに一回頼ったから、それでよしとするのではなく、いつでも変わることなくエホバに頼りましょう。


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