ヨブ34章・エリフは神を擁護する

「[まことの]神が邪悪なことを行なったり, 全能者が不正を行なったりすることなど決してない!」(ヨブ34:10)


 ヨブがサタンによって災いを経験した時、ヨブの三人の友は、神がヨブが行なった悪行ゆえにヨブに災いをもたらしたに違いないと論じました。ヨブは、それに対して自分は正しいにもかかわらず神が自分の裁きを押しやられたと論じました。エリフは、ヨブと三人の友の論議を聞いていましたが、その際、エリフはエホバ神を擁護しました。


 ヨブは、自分のエホバに対する忠誠と潔白さに確信を持っていました。そしてヨブは、サタンがヨブに災いをもたらした時に、自分は正しいにもかかわらず、神が自分に災いをもたらしたと考えました。それで、神が自分の裁きを押しやられたと論じました。(ヨブ34:5)またヨブは自分の義は、神の義に勝っていると論じました。(ヨブ35:2)ヨブの三人の友は、ヨブが神よりもむしろ自分を義とする間違いを指摘することができませんでした。


 エリフは、ヨブと三人の友の言葉が出尽くすのを待ってから、エホバを擁護するために口を開きました。そして、「[まことの]神が邪悪なことを行なったり, 全能者が不正を行なったりすることなど決してない!地の人の行なう仕方[にしたがって][神]は人に報い, 人の道筋にしたがって,それを人に臨ませられるからである。」と述べました。(ヨブ:10,11)エリフは、神が不当な仕打ちをして、邪悪で不正なことを行なうことを決してされないと述べました。


 実際、神を恐れて悪から離れていたヨブに災いをもたらしたのは、エホバではありませんでした。ヨブに災いをもたらしたのは、サタンでした。エホバがヨブに不正なことをされたわけではありませんでした。


 サタンは、ヨブが神を恐れて悪からはなれているのは、神がヨブを保護し物質的に祝福しているからであると主張しました。サタンは、物質的な祝福や身体的な保護が取り去られるなら、ヨブはエホバを呪うと論じました。(ヨブ1:9〜11;2:4,5)エホバはヨブの忠誠を信頼しておられたので、サタンの主張の真偽を確かめさせるために、サタンがヨブに災いをもたらすことを許されました。(ヨブ1:12;2:6)


 エリフは背後にある事情を知っていたわけではありませんでしたが、神の義に対する全幅の信頼のゆえに、神の義を擁護しました。そして、エリフは、「ヨブは知識がないのに語り、その言葉は彼に洞察力がないのに語られるものである」と述べました。(ヨブ34:36)


 そして、エリフは神が公正である証拠として、神が「調査をすることもなく強力な者たちを砕き、彼らの代わりにほかの者を立たせられる。」そのようにして、邪悪な者を「平手打ちにされ」、「神は苦しむ者たちの叫び声を聞かれる。」と述べました。(ヨブ34:24,26,28;36:6,7)


 たとえば、エリフの言葉を裏づける一例として、バビロンのベルシャザルの例があります。神の民を抑圧してバビロンにとどめていたベルシャザルをエホバは一晩にして砕かれ、ペルシャのキュロスが支配するようにされました。そのようにして、エホバは苦しんでいたイスラエル人の叫びを聞かれました。エホバが邪悪な者を砕かれた例は他にも数多くあるでしょう。それでエリフの言葉が正しいことが分かります。


 エリフは、背後にある事情を知りませんでしたが、自分がすでに持っている知識から、義と公正を堅持される神の正しさを擁護しました。エリフは、神が「公正と義の豊かさを軽視なさることはない。」と述べています。(ヨブ34:17;37:23)


 しかし、エリフは、ヨブが義であることを認めていました。(ヨブ33:32)それで、エリフは「訴えは神の前にあるので、あなたはひたすら神を待つべきである。」とヨブに述べました。(ヨブ35:14)


 そして、エリフの言葉の通り、後になってエホバが語られ、エホバはヨブを戒められたとはいえ、基本的には、ヨブを是認しておられることを示されました。ヨブは自分の間違っていたところを悔い改めました。その後、エホバはサタンからヨブにもたらされた災いをいやされて、ヨブの終わりをその始めよりも祝福されました。そのようにしてエホバは、ヨブに公正が行なわれるようにされました。エホバはヨブの訴えに耳を傾けられました。(ヨブ42:12)


 私たちは、エホバが必ず義と公正を行なわれて、神のご意志と義を行なうように努力している神の僕は、最終的に神からの恵みと祝福を受け、邪悪な者たちは、最終的に裁かれることを確信することができます。(ヨブ34:11,12)エホバの義と公正を信頼しているならば、エホバに固く付き従い、将来に希望を持つことができます。


 私たちは、エリフのようにいつもエホバの義と公正を信頼しましょう。エホバは常にいつも正しいことを行なわれます。私たちは、聖書を読んで黙想して、エホバの義と公正に対する確信を培っていきましょう。


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