詩編22編・イエスに成就した詩編22編

「わたしの神,わたしの神,なぜあなたはわたしをお捨てになったのですか。 [なぜ]わたしを救うことから, わたしが大声で叫ぶ言葉[から]遠く離れて[おられるのですか]。」(詩編22:1)


エス詩編22編を成就され、苦しみのうちにエホバに忠誠を保たれました。西暦2012年4月5日(木)のイエスの死の記念式が近づいているので、このことを考慮するのは、時宜にかなったことです。


詩編22編は、際立った仕方でイエスに成就していたことをイエスは、苦しみの杭の上で鋭く意識しておられました。たとえば、イエスは、刑柱の上で、冒頭にある詩編22編1節の一部を叫ばれました。福音書によると、イエスは、杭にかけられた最後の日の第九時ごろ、すなわち午後3時頃、「エリ、エリ、ラマ、サバクタニ」つまり、「わたしの神、わたしの神、なぜわたしをお見捨てになりましたか」と言われました。(マタイ27:46。マルコ15:34)


エスは、聖書に精通しておられました。ですから、ご自分の言葉が詩編に書かれていたことをご存知でした。イエスは、刑柱につけられたので、一見してエホバがご自分を捨てられたように見えることを理解しておられました。しかし、イエスはご自分が完全に神に見捨てられたと考えて絶望されたわけではありません。


エスは、エホバに対する信頼を失いませんでした。なぜなら、イエスは、ご自分が贖いの犠牲を捧げるために死ななければならないことを理解しておられ、ご自分の死と復活を予告されていました。(マタイ17:23)また、イエスはエホバ神が苦しみの死の中から救い出してくださるように祈願をささげていました。(ヘブライ5:7)


また、イエスは同じ詩編22編の言葉の中に、「神は、・・・彼が助けを求めて叫ぶ時、聞いてくださったのである。」というダビデのエホバに対する信頼の言葉があることをご存知でした。(詩編22:24)


詩編22編8節もイエスに成就しました。「彼はエホバに身をゆだねたのだ。その方に逃れさせてもらえ。その方に救い出してもらえ。その方は彼を喜びとされたからだ。」(詩編22:8)このことは、刑柱上のイエスに起こりました。


祭司長たちや書士や年長者たちは、刑柱上のイエスを愚弄しました。「彼は神に頼ったのだ。神が彼を必要とされるのなら、いま神に救い出してもらうがよい。」(マタイ27:41,43)イエスはこのような言葉を聞いた時、詩編22編の預言を思い出されたに違いありません。


詩編22編9,10節も、顕著な仕方でイエスに成就していました。そこには、「あなたは、・・・わたしが母の乳房に抱かれていたときに、依り頼むようにさせた方なのです。・・・わたしが母の腹にいたときから、あなたはわたしの神でした。」とあります。


エスは、天の命を後にして、無力な人間の子供となって、マリアの胎に宿った時から、エホバに依り頼んでいました。ですから、詩編22編は、イエスの地上の生涯の初めからイエスに成就していました。


エスは、詩編22編15節がご自分に成就するために、苦しみの杭の上で心砕かれたようです。詩編22編15節は、「わたしの力は土器のかけらのように干からび、舌は歯ぐきにくっついています。」となっています。詩編22編15節および詩編69編21節によると、イエスは、水分を望まなければなりませんでした。福音書によると、イエスは、「聖句が成し遂げられるために、『わたしは渇く』と言われ」ました。(ヨハネ19:28)


詩編22編16節もイエスに成就しました。その聖句は、「彼らはライオンのようにわたしの手と足に攻めかかりました。」となっています。ローマ軍の兵士はイエスの手と足を苦しみの杭の上に釘付けにしました。(ヨハネ19:18;20:25,27)


また、詩編22編18節もイエスに顕著な仕方で成就しました。そこには、「彼らはわたしの衣を彼らの間で配分し、わたしの衣服の上でくじを引きます。」と預言されていました。マタイによる書によると、「イエスを杭につけてから、彼ら(兵士たち)はくじを引いてその外衣を分配し(た)。」と記録されています。(マタイ27:35)


エスは、詩編22編がご自分に成就することを理解しておられました。また、成就するように苦しみの杭の上でも、心砕かれました。イエスは、詩編22編を成就され、苦しみの杭の上での死に至るまで、エホバに忠誠を保たれ、首尾よく贖いの犠牲となられました。それで、エホバは、ハデスに行かれたイエスを見捨てず、イエスを死からよみがえらされました。(使徒2:27)


来る2012年4月5日(木)は、イエスの死を記念する記念式がエホバの証人の王国会館その他の会場で行なわれます。築き上げる聖書の話に耳を傾けて、イエスが贖いの犠牲を捧げてくださったことに感謝を表しましょう。




エホバの証人の王国会館の集会の様子



イエスの地上の生涯の最後の1週間(ニサン8日〜11日)


イエスの地上の生涯の最後の1週間(ニサン12日〜14日)


エレミヤ19章・ユダの災いを招いた罪のない者たちの血


ルカ22章・新しい契約が制定された主の記念式