啓示17章・続 なぜ大娼婦は偽りの宗教ではなく国家なのか

「地の王たちは彼女と淫行を犯し,地に住む者たちは彼女の淫行のぶどう酒に酔わされた。」(啓示17:2)


今回の記事は、「ダニエル2章・なぜ大娼婦は偽りの宗教ではなく国家なのか」の続編です。是非、先回の記事も読まれて、この点についての聖書の理解を深められてください。


ヨハネへの啓示の書は、緋色の野獣と十本の角が、大娼婦である大いなるバビロンに総攻撃をかけて、徹底的に滅ぼしつくしてしまうことを予告しています。(啓示17:16)エホバの証人は、この大いなるバビロンは、偽りの宗教の組織であると解釈しています。私は、大いなるバビロンは、偽りの宗教の組織ではなく、ひとつの国家、アメリカ合衆国であると解釈しています。


では、なぜ大いなるバビロンは、偽りの宗教の組織ではなく、国家であると言えるのでしょうか。まず、大いなるバビロンにキリスト教以外の諸宗教の組織や国家が含まれていないと言える理由を考えてみましょう。


啓示17章では、地の王たちが大いなるバビロンと淫行を犯したと述べられています。(啓示17:2)霊的淫行とは、神に忠実であるべき組織や国家がエホバ神以外の実体を偶像崇拝することです。(エゼキエル23:4,11,12,14,16)大いなるバビロンは、神との関係があると公言しているために、地の王たちと親密な関係に入ることは、神に対して霊的淫行を犯すことになります。




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世界の主な宗教の中には、キリスト教イスラム教、ヒンズー教、仏教、神道などがあります。しかし、そもそもキリスト教以外の諸宗教の信者は聖書の神を崇拝していません。イスラム教徒の神はアラーで、ヒンズー教徒や神道信者は多くの神を崇拝しています。仏教徒は崇拝する神を持っていません。


ですから、諸宗教の信者は、そもそも聖書の神と関係を持っていないのですから、聖書の神に対して不忠実になり、霊的な淫行を犯すことはできません。このことから、大いなるバビロンにキリスト教以外の諸宗教の組織や国家は、全く含まれていないということが分かります。


また、大いなるバビロンに、キリスト教以外の諸宗教の組織が含まれるとすると、エホバ神の裁きのやり方と調和しないところが出てきます。ヨハネへの啓示の預言は、緋色の野獣と十本の角が、大いなるバビロンを憎み、荒れ廃れさせ、火で焼き尽くすと預言されています。(啓示17:16)大いなるバビロンに対するこのエホバの裁きは徹底的で完全なものとなることが預言されています。


しかし、エホバ神は裁きの際に、どのような原則に従って行動されるのでしょうか。イエスはこう言われました。「自分の主人の意向を理解していながら用意せず、またはその意向にそって事を行なわなかったその奴隷は、何度も打ちたたかれるのです。しかし、理解していなかったために打たれるべきことをした者は、少なく打たれます。」(ルカ12:47,48)


ですから、エホバの裁きは、聖書を理解しているかどうかによって異なる結果になります。聖書を持っており、聖書の神のご意志についてより一層理解している筈の者たちが神のご意志に逆らった場合、より厳しく罰せられます。反対に、聖書を理解していなかった者は、少なく打たれ、より寛容な扱いを受け、聖書を理解していた者たちとは違った扱いを受けるはずです。


イスラム教徒はエホバ神ではなくアラーを崇拝しており、その聖典コーランです。ユダヤ教徒モーセ五書だけを受け入れています。イスラム教徒、ユダヤ教徒は聖書の一部分を受け入れてはいても、全部は知りません。また、ヒンズー教徒、仏教徒神道信者は、聖書を持たず、聖書の神のご意志を十分に知らないのですから、神のご意志を理解していないと言えます。


ですから、当然、キリスト教以外の諸宗教の人々は、より寛大な裁きを受ける筈です。キリスト教以外の諸宗教の人々も、完全な厳しい裁きにあうとするのは、エホバ神の道理にかなった裁きの方法に調和しないことになります。ですから、完全な滅びを受ける大いなるバビロンに、キリスト教以外の組織や国家は含まれていないでしょう。ですから、大いなるバビロンは、キリスト教を奉じる組織か国家でしょう。


また、大いなるバビロンが国家であろうことは、他にも理由があります。啓示の書は、緋色の野獣と十本の角が大娼婦に総攻撃をかけることを述べていますが、そのことは、ダニエル11,12章の預言の中でも言及されている筈です。ダニエル書の預言の中で、そうした大きな出来事が無視される筈がありません。しかし、そのダニエル書の預言にあるのは、北の王と南の王の抗争です。ですから、緋色の野獣と十本の角の大娼婦に対する総攻撃は、北の王と南の王の抗争の最高潮であるに違いありません。緋色の野獣と十本の角の中で中心的な役割を果たすのは、北の王でしょう。また、大娼婦である大いなるバビロンは、終わりの時に南の王となるアメリカ合衆国でしょう。


以上のような理由で、大いなるバビロンは、諸宗教ではなく国家であるということが分かります。かえってキリスト教国家であるアメリカ合衆国は、エホバ神から完全な厳しい裁きを受ける理由を持っています。アメリカ合衆国は聖書の神を崇拝していることを公言していますが、神に不忠実になっていますから、神から厳しい裁きを受ける理由を持っています。


国連による諸宗教の組織の攻撃を待っていても、いつまでもたっても、その事は起こらないでしょう。しかし、以上のことを考えるならば、緋色の野獣と十本の角が、大いなるバビロンに総攻撃をかけるという世界の潮流が表れてきた時に正しく見分けることができるでしょう。イエスは、その時、未曾有の大患難が勃発すること、その時、山に逃れることによって命を守ることができると預言されました。(マタイ24:15,16,21,22)


 幸いなことに、大患難までの時はまだまだ残されています。それまでの間、聖書全体に対する理解を深めて、聖書の預言の正しい解釈が何であるか見極められるようになりましょう。そして、大娼婦である大いなるバビロンの実体を正しく見極めて、命を得るために正しく行動できるようにしましょう。

 
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