エレミヤ3章・ユダの行なった売春−偶像崇拝

「不実な行いをするその姉妹ユダは恐れもせず、かえって自分もまた、行って売春をするようになった。そして彼女の売春はその軽薄な物の見方ゆえに生じ、彼女はその地を汚し、石や木と姦淫を行ないつづけたのである。」(エレミヤ3:8,9)


エレミヤ3章には、十部族イスラエルと二部族ユダがエホバから離れていったことについてエホバのとがめの言葉が載せられています。そしてユダが売春を行なったと述べられています。国家が売春また姦淫を行なうというのは、何を意味しますか。


エホバはイスラエルに対して、ご自分を「夫たる所有者」であると言っておられます。(イザヤ54:5)エホバは西暦前1513年に、イスラエル人にモーセの律法契約を与えられました。エホバはイスラエル国民の神となられ、イスラエル人は、律法契約を守る責任を担うことになりました。それは、いわばエホバとイスラエル国民の結婚になぞらえることができました。エホバはイスラエル国民の夫となり、イスラエル国民はエホバの妻の立場に立つことになりました。(イザヤ54:5。エレミヤ31:32)


モーセの律法契約の重要な掟のひとつは、エホバ神だけを崇拝し、エホバ神以外の神に対する偶像崇拝を禁じる掟でした。(出エジプト20:3-5)ところが、エレミヤ3章の中で、エホバはイスラエルについて、「彼女はすべての高い山の上,すべての生い茂った木の下に行ってはそこで売春を行なおうとする。」と述べられています。(エレミヤ3:6)


ユダは、「石や木と姦淫を行ないつづけた」と述べられています。(エレミヤ3:9)ユダは、石や木でできた像を崇拝したのです。それは、エホバの目に姦淫でした。


ユダは、エホバといわば結婚関係にありましたから、ユダがエホバ以外の他の神々を崇拝すること、すなわち偶像崇拝をすることは、エホバに反して「売春」を行ない、「姦淫」を行なうことを意味していました。


また、エレミヤ3章では、北のイスラエル十部族王国と、ユダ王国の「売春」と「姦淫」の結果生じた状況を説明しています。「わたしは・・・不忠実なイスラエルが姦淫を行なったその理由のために,彼女を去らせ,次いで完全な離婚証書をこれに与えた。それでも,不実な行ないをするその姉妹ユダは恐れもせず,かえって自分もまた,行って売春をするようになった。」と述べられています。(エレミヤ3:7,8)


北のイスラエル十部族王国は金の子牛崇拝や、バアル崇拝に傾倒したために、エホバは北のイスラエルアッシリアによって滅ぼされるに任せました。(列王第一12:28,29;16:31,32。列王第二17:5,6)それは、エホバがいわば北のイスラエルを離婚したことを意味しました。


しかし、南の二部族王国のユダはそうしたことが北のイスラエルに起きたのを見たにもかかわらず、それから教訓を学びませんでした。やはり、深く偶像崇拝に沈んでいきました。それで、西暦前607年に、ユダもバビロンによって滅ぼされる結果になりました。


啓示17,18章には、緋色の野獣の上に座っている大娼婦が登場します。娼婦とは売春を行なう女のことです。この大娼婦は、聖書の神を崇拝していると自称しながら、その神に不忠実になっているアメリカ合衆国を意味しています。売春は、聖書的に偶像崇拝をも意味しています。ですから、彼女が大娼婦と言われていることは、アメリカ合衆国が聖書の神を崇拝していると自称しながら、聖書の神以外の神に偶像崇拝を捧げている状況を表しているでしょう。


昔のユダが偶像崇拝に陥ってエホバから見捨てられてしまったように、大娼婦の偶像崇拝は、その滅びをもたらすことになります。(啓示17:16)私たちは、ユダに起こったこと、また大娼婦に起こることから教訓を学んであらゆる形の偶像崇拝を断固として退けるようにしましょう。石や木でできた偶像を崇拝しないように気をつけましょう。また、国家を崇拝するという偶像崇拝に陥らないように注意しましょう。



Jesus Statue by Antoine Baqain
あらゆる形の偶像崇拝を避けましょう



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