エゼキエル16章・エルサレムの結婚と売春

「あなたは、わたしがあなたに与えたわたしの金と銀から、あなたの美しい品々を取り、自分のために男性の像を作って、それらと売春を行なうのであった。・・・またあなたは、肉の大きなあなたの隣り人、エジプトの子らと売春を行ない、あなたの売春をあふれさせてわたしを怒らせた。」(エゼキエル16:17,26)
 

エゼキエル16章には、エルサレムの比ゆ的な結婚と売春について描写されています。(エゼキエル16:8,15)エルサレムとは、イスラエル国家、とりわけユダの二部族王国を表しています。国家の結婚と売春とは、何を意味するのでしょうか。この部分は、啓示の書に登場する大娼婦大いなるバビロンの売春また淫行とは何を意味するかを明らかにしています。


 エホバは、預言者エゼキエルに、エホバ神の目にとってエルサレムの何が「忌むべき事柄」なのかを知らせるようにと言われます。(エゼキエル16:2)


イスラエルの子孫は、エジプトに移動し、そこで増えましたが、やがてエジプト人の奴隷とされました。それで、エホバはイスラエル人をエジプトからシナイの荒野に救い出し、そこでモーセの律法を与えて、イスラエルと契約関係に入りました。


そのことをエゼキエル16章では、「見よ、あなたの時は愛の表現の時であった。・・・そこで、わたし(エホバ)は・・・あなたに誓いのことばを述べ、あなたとの契約に入った。・・・こうして、あなたはわたしのものとなった。」と述べられています。(エゼキエル16:8)それで、エホバがイスラエルと契約を結び、イスラエルの神となられたことを、イスラエルと比ゆ的な結婚関係に入ったことになぞらえておられます。


ユダの二部族王国の首都エルサレムには、エホバの神殿があったので、ユダの二部族王国が、エゼキエル16章の中でエルサレムと呼ばれています。


ユダとエルサレムの中で偶像崇拝ははびこり続けました。ユダにとって神はエホバなのに、他の偶像を神として崇拝したのですから、ユダの行なう偶像崇拝はエホバにとって比ゆ的な売春でした。(エゼキエル16:17)


また、エゼキエル16章では、エルサレムが「エジプトの子らと売春を行な(った)」と述べられています。(エゼキエル16:26)それは、ユダ王国がエホバに救いを求めるのではなく、エジプト人に保護と救いを求めたことを意味しています。(イザヤ36:6)ユダは、アッシリアの脅威から逃れるために、エジプトに頼ろうとしました。(列王第二17:4)また、バビロンに包囲されていた時も、エジプトに頼ってバビロンによる脅威を逃れようとしました。(エレミヤ46:25)


また、エゼキエル16章によると、エルサレムは「アッシリアの子らと売春を行なった」と述べられています。(エゼキエル16:28)ユダは、北のイスラエルから攻撃された時、保護のためにアッシリアに頼りました。(歴代第二28:16)


それで、エルサレムが行なった比ゆ的な売春とは、その偶像崇拝と、周囲の諸国家との同盟に頼ろうとしたことを意味しました。このことは、啓示の書に登場する大娼婦大いなるバビロンが、どのような売春、つまり淫行を行なったのかを理解する助けになります。


大いなるバビロンについてこのように述べられています。「地の王たちは彼女と淫行を犯し,地に住む者たちは彼女の淫行のぶどう酒に酔わされた。」(啓示17:2)ですから、大娼婦は、地の王たちと淫行を犯します。これは、大いなるバビロンが周囲の諸国家と同盟を結び、聖書の神ではなく、周囲の諸国家との同盟に救いと保護を求めることを意味しています。


確かに、アメリカは聖書の神に頼っていると主張しながら、多くの国家との同盟に頼っています。その主なものは北大西洋条約機構NATO)です。NATOは、1949年に、アメリカ、カナダの北米二カ国およびヨーロッパの国々により、共産圏に対抗するために設立された集団防衛のための軍事組織です。2010年に28カ国が加盟しています。他にアメリカは日本、フィリピン、オーストラリア、ニュージーランド、韓国、台湾とも同盟を結んでいます。



アメリカの諸国家との同盟は神の目には淫行



アメリカは聖書の神に頼っていると主張しているのですから、アメリカが諸国家と同盟を結ぶことは、聖書の神の観点からすると、淫行また売春となります。ですから、啓示の書に出てくる大娼婦に関する描写はアメリカに当てはまると言うことが分かります。私たちは、緋色の野獣が大いなるバビロンすなわちアメリカを攻撃する将来に備えて彼女から出て、山に逃れるという準備をする必要があります。(啓示18:4。マタイ24:15,16)


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